この秋、令和版「プレリュード」がついに新型で復活「プレリュード」といえば音楽好きにとっては「前奏曲」。ピアノの詩人とも称される名作曲家ショパンのプレリュードをまず思い浮かべる人も多いことでしょう。 いっぽう筆者も含めた年配のクルマ好きにとって「プレリュード」といえば、かつて一世を風靡したホンダのデートカー。デートカーといっても若いクルマ好きには耳なじみのない言葉だと思いますが、かつて「ドライブデート」がナウなヤングにとって日常の光景だった時代、若い男女がデートに使うようなクルマが「デートカー」と呼ばれたのです。 ホンダ「プレリュード」のほかにもトヨタ「セリカ」、日産「シルビア」あたりが80年代後半から90年代前半にかけて「デートカー」と呼ばれた仲間たち。2ドアクーペもしくは流麗な3ドアハッチバックで、見た目がカッコいいことが大きな条件でした。 >>こういうのがいいんだよ…新型&3代目「プレリュード」や「シルビア」「セリカ」など美しきデートカーの画像を見てみる 今年の秋、そんなプレリュードが戻ってきます。ついにプレリュードが“新型車”として復活するのです! その姿は2023年秋の「ジャパン・モビリティショー」をはじめ「東京オートサロン」などでも展示され、すでに公開されているので目にしたことがある人も多いことでしょう。 5代目(1996年発売)プレリュードは2001年に生産を終了しお休みに入ったので、復活する新型はなんと24年ぶり。その全盛期を知っているクルマ好きとしては、期待も高まるってもんです。 今回はそんなビッグネームの復活を祝うとともに次期モデルへの期待を込めて、かつてのプレリュードと令和に蘇ったプレリュードの違いをチェックしてみましょう。 ちなみに歴代プレリュードでもっとも盛り上がった(販売台数が多かった)のは1987年発売の3代目プレリュードで、次点は僅差で1982年発売の2代目プレリュード。 つまりどちらもデビュー時の年号が「昭和」。そこで今回は“我が世の春”を謳歌しまくっていたこの2世代を合わせ、敬意をこめて「昭和のプレリュード」と呼ぶことにいたします。問題ないですよね? \あわせて読みたい/ 美しさを求めたスタイリングは昭和版プレリュードの魂を継承まず、令和版プレリュードのおさらいから。 プラットフォームやシャシーの基本設計は現行型シビックと共用ですが、アッパーボディは全くのオリジナル。キャビンフォワードで、ルーフラインはAピラーの上付近を頂点に後方へ向かってなだらかに下がり、そこからワンモーションでつなぐCピラーが特徴的ですね。そして美しい。 そんな美しさを求めたスタイリングこそがプレリュードの魂と考えれば、令和のプレリュードも昭和のプレリュード路線をしっかりと継承していると考えていいのではないでしょうか。 >>こういうのがいいんだよ…新型&3代目「プレリュード」や「シルビア」「セリカ」など美しきデートカーの画像を見てみる ちなみにボディは独立したトランクを持つクーペではなく、トランクリッドとともにリヤウインドウまでが“テールゲート”として開くハッチバック。 よくよく考えてみるとプレリュードが3ボックスではなくハッチバックとなるのは歴代で初めてですね。 パワートレインは排気量2.0Lの自然吸気エンジンを組み合わせたハイブリッドシステムですが、シビックなどに積んでいるタイプよりもスポーツ方向に改良が加わっていて「マニュアルシフトにより近い感覚」が味わえるんだとか。筆者はまだ運転していないので残念ながら伝聞でしかないんですけれど(笑)。 \あわせて読みたい/ 昭和版は「見た目重視のリーズナブルなクーペ」だったそんな令和のプレリュードを昭和のプレリュードと比べたときに、大きく違うのはどこか? それは「運動性能」「価格」「そしてポジション」でしょうか。 VTECを積んだり、「タイプS」まで用意した“平成のプレリュード”時代(4~5代目プレリュード)はともかく、昭和のプレリュード時代ははっきり言って運動性能は二の次でした。そこは重視されていなかったのです。 その代わり価格を控えめにして、多くの人に手が届きやすい存在としていた。それがヒットの要因のひとつでしょう。走りを楽しむスポーツカーではなかったのです。 >>こういうのがいいんだよ…新型&3代目「プレリュード」や「シルビア」「セリカ」など美しきデートカーの画像を見てみる いっぽう令和のプレリュードは運動性能を高め、スポーツカーとしてのキャラを強調。昭和のプレリュードとは比較にならないレベルで運動性能が高く、スポーツドライビングを楽しめるクルマになっている。ただし、そのぶん価格上昇は避けられず、500万円オーバーは確実でしょう。立ち位置は全く違いますね。 「見た目重視のリーズナブルなクーペ」から「走行性能を高めたスポーツカー」へ。それが昭和のプレリュードに対する令和のプレリュードの大きな変化なのです。 そんなポジショニングの違いに対し、昭和版も令和版も変わらないのはスタイリングの美しさでしょうか。 \あわせて読みたい/ プレリュードの健闘とタイプRの登場にも期待果たしてそんな令和のプレリュードは誰に売るのか? おそらくホンダは「トレンドに敏感な若者」をターゲットに挙げるでしょう。しかし、昭和のプレリュードと違い若者が気軽に買える価格帯ではありません。 実際に購入するのはおそらく、子育てが終わって人生を楽しめる経済力も持ち合わせた、かつてクーペに乗っていたり、クーペに憧れていた層となることでしょう。 人生を重ね“本物”を知っている彼らに納得してもらうには、走りも含めてそれなりのレベルが求められる。だから価格を上げてでも令和のプレリュードはインテリアの質感と走行性能を高めているのかもしれません。そう考えればすべてが納得です。 気が付けば日本はこの30年ほどで、若者の意識が大きく変わりました。 多くの若者がクルマにカッコよさや美しさを求めていたあの頃。対して今は、それよりも実用性や効率が車選びで重視される時代。若者の間でも背の高いクルマが人気となり、見た目の美しさよりも使いやすいことを車選びの条件としている人が増えました。 そんななかで復活するプレリュードがどこまで健闘できるか、楽しみでたまりません。期待したいところですね。 >>こういうのがいいんだよ…新型&3代目「プレリュード」や「シルビア」「セリカ」など美しきデートカーの画像を見てみる ところで販売される新型プレリュードは「ハイブリッド」とされていますが、車体設計の基本を共用する「シビック タイプR」のメカニズム(2.0L直4 VTECターボ)を移植した「プレリュード タイプR」の登場に期待したくなるのは、筆者だけでしょうかね? タイプRよりはちょっとマイルドな「タイプS」でもいいかもしれませんが。 (終わり) (写真:トヨタ、日産、ホンダ) \あわせて読みたい/ |
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