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マツダがBEVでも「混流生産」にこだわるワケ。スモールプレーヤーならではの“弱者の兵法”と、低迷する国内販売への打開策とは ...

2025-6-23 15:00| post: biteme| view: 238| コメント: 0|著者: 文:編集部

摘要: マツダが防府工場を報道陣に公開 6月中旬、マツダの主要工場の1つである山口県の防府工場が報道陣に公開され、電動化時代において同社が進める取り組みを説明した。防府工場は、乗用車の組み立てを行う西浦工地区と ...

マツダがBEVでも「混流生産」にこだわるワケ。スモールプレーヤーならではの“弱者の兵法”と、低迷する国内販売への打開策とは

マツダが防府工場を報道陣に公開

6月中旬、マツダの主要工場の1つである山口県の防府工場が報道陣に公開され、電動化時代において同社が進める取り組みを説明した。

防府工場は、乗用車の組み立てを行う西浦工地区と、トランスミッションを製造する中関地区に分かれており、西浦工地区は、「マツダ2」や「マツダ3」、「CX-30」などのスモールカーを作るH1工場と、「CX-60」や「CX-80」などの「ラージ商品群」を製造するH2工場の2つからなる。トランプ米大統領の関税政策が直撃するであろう、北米向けの「CX-90」もH2工場で作られアメリカへと輸出される。

マツダは、「2030経営方針」の中で、2030年までを3つのフェーズに分け成長戦略を描いている。

フェーズ1(2022年~2024年):成長投資の原資獲得、カーボンニュートラル・電動化への準備
フェーズ2(2025年~2027年):電動化へのトランジション
フェーズ3(2028年~2030年):バッテリーEVの本格導入

進捗状況に関して「フェーズ1は概ね想定通り(常務執行役員 弘中武都氏)」といい、ここから電動化へのトランジションが始まるわけだが、一般的にバッテリーEV(BEV)を本格的に生産するとなると、専用の工場を建設する場合が多い。

しかし、マツダの生産規模は2024年で約120万台。約950万台(2024年)を誇るトヨタの13%程度の規模しかなく、BEVの普及状況もなかなか先が見通せない中、大型の投資はリスクが大きく厳しい。

そこでマツダは、BEVでも得意の「混流生産」を行うという。

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#マツダ #防府工場 #CX-60 #BEV

マツダお得意の「混流生産」とは

混流生産はもともとマツダが2006年からスタートさせた「ものづくり革新1.0」と呼ぶ取り組みの中で行ってきた、“内燃機関車”で実績がある手法だ。サブラインで各パーツをモジュール化し、メインラインで組み付けるこの生産方式のおかげで、「工程数は4割削減」と同社は説明する。

「マツダは130カ国に販売しており、お客さまの色々なニーズがある。そのニーズをマツダの規模で満たすとなると、1車種あたりの生産台数がビッグメーカーに比べ劣後しているので、その中で同じか、あるいは凌駕する生産性でクルマを作ろうとすると、混流生産が答えだと思っている(弘中常務)」

そんな混流生産も現在は、近年急速に進展する“電動化”や“知能化”に対応するため、様々なアップデートが施されている。

その最たる例が「AGV(自動搬送機)」の積極活用だ。

従来から使われるメインラインで車両を作りつつ、足回りやパワートレインなどをサブラインで組み立てメインラインでドッキングする手法は従来から同じだが、「根の生えない設備」であるAGVを活用することで、生産量の変動に強い柔軟な混流ラインへと進化させた。

今回はPHEV用のバッテリーモジュールをサブラインでパック化し、車体に取り付ける工程を見学したが、説明員によると「PHEVの生産量が増えればAGVを増やし、(経路を示す)黄色い線を貼り直すだけで柔軟に(数量変化に)対応できる」そうだ。さらに、固定式コンベアと違い前後左右から作業が可能となるため、作業効率も大幅に高まり組立員の負担も減るという。

混流生産のメリットは大きいように見えるが、他社も一部導入している事例はあるとはいえ、なぜマツダがこれほどまでに大胆に混流生産を推し進めることができたのだろうか。

「ほかの自動車メーカーが(混流生産を)難しいと考えているのが、開発と生産技術の関係。我々は、BEVだろうとICE(内燃機関)だろうと『この形状はハードポイントとして決めてしまいましょう』ということを、設計と生産が膝詰めで行う。最初の図面作りから生産技術が一緒に入っていかないと成り立たない。

(他メーカーは)組織が大きく、開発部隊と生産部隊が違う場所にいたり、環境の違いもあったりするが、我々はスモールプレーヤーだからこそ(混流生産を)推し進められた(技術本部長 杉中隆司氏)」

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27年登場予定の新型BEVもエンジン車と混流生産

さらに、2015年からスタートした「ものづくり革新2.0」では、工場内だけでなくサプライチェーン全体を1つの工場のように見立て、効率を高めることでマツダの企業規模で電動化時代に対応していくそうだ。

例えば、従来は車種の仕向地ごとに車両制御デバイス(いわゆるコンピューター)を用意し、サプライチェーンの工場で1つ1つソフトウェアの書き込みを行っていたため、サプライチェーンもマツダも仕向地ごとの複数種類の在庫を管理する必要があったのだが、現在ではデバイスの種類を減らし、マツダの工場内で無線で書き込みを行う「ファクトリーOTA」を活用することで、在庫を減らし効率を高めているそうだ。

ファクトリーOTAのおかげで在庫量は1/4に減り、需要変動にも柔軟に対応可能となるのだが、サプライチェーン全体を1つの工場のように見立てて効率化するこの手法は、IT業界では主流であるクラウドサーバーのような考え方に近いのかもしれない。

なお、マツダは2027年にBEV専用の新プラットフォームを使った独自のBEVを投入予定だが、現在建設中の岩国の新工場でバッテリーモジュールを製造し、防府工場のラインでほかのエンジン車と一緒に“混流生産”する計画だ。既存設備を活用することで初期投資額で85%、量産準備期間も80%低減できるという。

マツダは当初、BEVの構成比率を25~40%と想定していたが「今はどちらかというと下限側(25%)に寄っているんじゃないか(弘中常務)」とのことで、既存の生産基盤を最大限活用するマツダの「ライトアセット戦略」は、先の見通せない電動化の黎明期を乗り越えるための“弱者の兵法”なのである。

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低迷する国内販売にもテコ入れ

今回の見学会は、前述の通りラージ商品群を作るH2工場を中心に見学したのだが、1つ気掛かりなのは生産ラインに流れるモデルの多くが左ハンドル車だったということだ。

ラージ商品群は、2030経営方針の進捗における「フェーズ1(2022年~2024年):成長投資の原資獲得、カーボンニュートラル・電動化への準備」への重要なモデル。2025年3月期の決算説明会の資料によると、北米ビジネスの好調により利益とネットキャッシュは想定通りの積み上がっているようだが、日本でのシェアは年々低下しておりなんだか少し心配になる。しかも今後は、トランプ関税の影響も本格化していくだろう。

2012年の「CX-5」の投入を皮切りに、「スカイアクティブ技術」と「魂動デザイン」で国内でのプレゼンスを高めたものの、2019年より国内市場は停滞している。

そんな中マツダは6月19日、国内ビジネス構造変革の方針を公表した。今後は、アメリカ市場で成功させた「ブランド価値経営」を軸とし、販売網の再構築やブランドにフォーカスしたマーケティング施策、店舗へのブランド価値浸透への仕組み・体制整備や、バックヤード機能の効率化を担う新会社の設立などにより、国内販売20万台を早期に目指す(2024年は約14万台)という。

ラージ商品群の低迷と、スモール~ミドル系の新車投入がないことがシェア低下の要因な気もするが、今年中には主力「CX-5」のモデルチェンジも控えており、ここからマツダがどうビジネスを立て直し、電動化時代の荒波を乗り越えていくか注目である。

「BEVを生産するなら『工程数が少ないので専用工場を作る方が効率的ではないか』と言われるが、マツダに専用工場は必要ない。『ものづくり革新1.0』で工程数を4割削減し、独自の取り組みでBEVとエンジン車を混流生産できる生産基盤がすでに出来上がっている。当社のようなスモールプレイヤーにとっては、混流生産でラインの稼働を100%にするのが最も賢いやり方だと考えている(弘中常務)」

市場が求めるクルマを、いかに早く安定して作りユーザーに届けるか。クルマづくりは開発と生産、売る現場、どれかが欠けても成り立たない。次に出てくるマツダの新型モデルは、相当な期待と責任を背負って登場してくるのである。

(終わり)

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