軽スーパーハイトワゴンの元祖、累計300万台を達成2025年6月9日、ダイハツは「タント」シリーズの国内累計販売台数が、2025年5月末時点で300万台に到達したことを発表しました。タントは、2003年に登場した軽スーパーハイトワゴンの先駆け的存在です。 初代モデルは室内長2000mm、軽自動車としては当時最長クラスの2440mmホイールベースを採用。「広さで選ばれる軽自動車」という新たなジャンルを切り拓きました。 なかでも象徴的なのが、2007年登場の2代目で導入された「ミラクルオープンドア」です。助手席側のセンターピラーを排した構造により、抜群の乗降性と積載性を実現し、とくに子育て世代から絶大な支持を集めました。 また、全高1750mmを超えるボディサイズとフラットな床面により、軽自動車でありながらミニバンに近い快適性と実用性が図られています。 >>【累計300万台】歴代「タント」やライバルモデルを写真でチェックする ◎あわせて読みたい: 認証不正問題で一時は販売激減そんなタントに暗い影を落としたのが、2023年4月に発覚したダイハツの認証不正問題でした。衝突試験や排ガス、燃費の試験に関する不正が明るみに出たことで、タントを含む64車種が出荷停止。2023年末には、国内外向けすべての出荷が一時停止となりました。 この問題による影響は販売実績にも顕著に表れています。全国軽自動車協会連合会が発表している2024年2月のタントの販売台数を見ると、1963台と前年同月の1万2743台と比較すると大きく下がっていることがわかります。 かつては、ホンダ「N-BOX」に次ぐ販売台数を記録し、軽スーパーハイトワゴン市場の主力モデルとして存在感を放っていたタントですが、認証不正問題によりその勢いは一時的に大きく後退し、スズキ「スペーシア」の後塵を拝する形となりました。 軽自動車市場をけん引してきたダイハツにとって、信頼の失墜によって急激に勢いを失うという、ブランド史上でも例を見ない逆風にさらされたのです。 >>【累計300万台】歴代「タント」やライバルモデルを写真でチェックする ◎あわせて読みたい: 信頼回復への道はまだ遠い?認証不正問題に対して、都内にあるダイハツ販売店担当者は次のように話します。 「認証不正発覚後、すべての生産ラインが止まりました。注文も出荷もストップし、お客様からの厳しいお声が多く寄せられました その後、2024年初頭からは国交省の立会試験を経て出荷停止措置が解除され、生産と販売は再開されています。しかし、“信頼”というものは簡単には戻ってこないのが現実です。 販売も徐々に戻りつつありますが、『信頼の回復にはまだ時間がかかる』と現場を通して実感しています。再発防止と誠実な対応を通じて、一歩ずつ信頼を積み重ねるしかないと思っています」 とはいえ、前出の全国軽自動車協会連合会が発表している軽自動車販売ランキングによれば、2025年5月は3位の8814台(前年同月比342%)、4月も3位の8923台(前年同月比469%)と急回復。タントの商品力が今でも色あせていないことが市場で証明された形となっています。 >>【累計300万台】歴代「タント」やライバルモデルを写真でチェックする ◎あわせて読みたい: インターネットでは厳しい声と期待が入り交じるダイハツの認証不正問題に対して、インターネット上ではさまざまな反応が見られます。 あるユーザーは「人の命に関わる問題。正直、もうダイハツは信用できない」「再発防止を徹底しなければ、そんなメーカーのクルマは二度と売れないと思う」といった厳しい声も少なくありません。 一方で、「確かに今回の問題に関してはやってはいけないことだった。実績のあるダイハツだからこそこれまで以上にチカラを入れて、クルマづくりをしてほしい」と一定の信頼と期待を寄せるユーザーも根強く存在しているようです。 2024年の国内における軽自動車の新車販売比率は約36%に達しており、実に3台に1台が軽自動車という状況です。その中でタントが担ってきた役割は大きなものでした。 累計販売300万台という数字は、誇りであると同時に、信頼を回復すべき責任の重みでもあります。これまで多くのユーザーに支持されてきたブランドだからこそ、失われた信頼を取り戻せるかどうか、その真価が問われています。 (終わり) (写真:ダイハツ、ホンダ) >>【累計300万台】歴代「タント」やライバルモデルを写真でチェックする ◎あわせて読みたい: |
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