50cc原付が消える? 「スーパーカブ」も生産終了50cc以下の原付バイクは、通勤や通学の味方として多くの人に親しまれてきました。運転には「原付一種免許」あるいは「普通自動車免許」が必要で、維持費の安さと免許取得の手軽さから、1980年代の“バイクブーム”を牽引した存在でもあります。 中でもホンダ「スーパーカブ」は、燃費・耐久性・親しみやすさを兼ね備えた象徴的なモデルとして長年にわたり愛されてきましたが、その50ccモデルは2025年中を目途に生産終了となります。これは一つの時代の終わりを告げる出来事とも言えます。 >>【制度は整ったが…】日本の50cc、125ccのバイクをギャラリーで見る 背景にあるのは、環境規制の強化です。従来型のエンジンでは、排出ガスに関する最新の基準をクリアするのが難しくなっており、各メーカーが50ccモデルの開発と生産から撤退する動きが加速しています。 50cc原付の存在感が薄れていく中、期待されているのが、より実用的な125ccクラスのバイクです。 |あわせて読みたい| 普通免許で125ccに乗れる時代に? 新制度の内容とは従来、日本で125ccのバイクに乗るには「小型限定普通二輪免許」以上の取得が必須で、普通免許や原付免許では乗れない“免許の壁”が存在していました。 >>【制度は整ったが…】日本の50cc、125ccのバイクをギャラリーで見る そんななかで注目を集めているのが、2025年4月1日から施行された道路交通法の改正。この改正により「最高出力5.4㎰(4㎾)以下」の125cc以下バイクであれば、普通免許や原付免許でも運転が可能になりました。 これにより、125ccクラスのバイクが、より身近な移動手段として多くのユーザーに利用される可能性が高まりました。この制度改正の背景には、50ccモデルの後継枠として125ccバイクをより広く活用してもらいたいという意図があります。 125ccクラスはアジア圏を中心に世界的には主流で、国内でも街乗りから軽いツーリングまで幅広く使えるサイズ感と性能を備えたカテゴリーです。とくに、電動化や原付の再編が進むなかで、実用性の高い125ccバイクをより柔軟に活用できる法整備は、移動手段の選択肢を広げる大きな転機となるでしょう。 |あわせて読みたい| 新たな制度に適合するバイクが売っていない!ただし、「これで明日から125ccに乗れる」という話ではないのが今回の制度の難しいところです。 改正の対象となるのは最高出力5.4㎰(4㎾)以下の125ccバイクですが、現時点でその条件を満たす市販モデルはほとんど存在していません。既存の125ccモデルを見ると、車種やエンジン形式、用途によって異なりますが、一般的には7~15ps(5.1~11kW)程度というより高出力の製品が主流です。 たとえば、ホンダ「スーパーカブ C125」は9.8ps(7.2kW)、ヤマハ「アクシスZ 125」は8.3ps(6.1kW)と、いずれも新制度の上限を大きく上回っています。そのため、制度としては整えられたものの、対応するモデルが存在していない現状ではユーザーにとって形だけの制度になってしまっています。 >>【制度は整ったが…】日本の50cc、125ccのバイクをギャラリーで見る 各メーカーが制度対応モデルを開発するには時間とコストがかかり、市場の反応を見極めながらの慎重な動きになると予想されます。今後、徐々に選択肢が登場してくる可能性はありますが、“すぐに使える制度”ではない点には注意が必要です。 (終わり) (写真:ホンダ、ヤマハ) |あわせて読みたい| |
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