終了と復活を繰り返す“悲運の”世界的ベストセラーホンダ「CR-V」といえば、トヨタ「RAV4」につづきニッポンのクロスオーバーSUV市場を開拓した“初期メン”といえるモデルとして知られています。1995年秋に発表された初代CR-Vの開発コンセプトは『乗用車感覚の四輪駆動車』 でしたが、まさしくクロスオーバーSUVの定義そのものといえる革新的モデルでした。 CR-Vは北米を中心にグローバルでは人気モデルとして君臨し続けますが、ボディが大きくなったことが嫌気されたのか日本での人気はいまひとつで、2016年、4代目のモデルライフ(2011~2018年)の途中で、日本向けモデルは終了してしまいます。 >>【日本でも人気化しそう】CR-V北米モデルの内外装デザインをギャラリーで見る 2020年、5代目が突如復活しますが、北米では2018年に登場していた“2年落ち”のモデルとあって新鮮味は感じられず、“世界で最も売れているモデルの一台”であるにも関わらず、日本では印象が薄く、2022年にふたたび販売終了 してしまうのです。 しかし、約1年半のブランクを経て、ふたたびCR-Vは復活します。それが2024年7月に発売開始となった「CR-V e:FCEV」です。車名の後ろにつくアルファベットからも想像できるように、燃料電池車となりました。 とはいえ、CR-V e:FCEVはリース販売専用で、価格は800万円オーバー。250万円の補助金を考慮しても、一般ユーザーには高価なモデルです。燃料電池車というだけでマイカー候補に挙がることはほとんどないでしょう。 |あわせて読みたい| CR-Vハイブリッドの日本発売は「もう遅すぎる」?現行CR-Vのデザインが気に入っているファンからすると、「このカタチでハイブリッドやガソリンエンジンの設定があればいいのに」と考えることもあるでしょう。 >>【日本でも人気化しそう】CR-V北米モデルの内外装デザインをギャラリーで見る 実際、グローバルでは1.5Lガソリンターボや2.0Lハイブリッドの設定があります。「そんなことは燃料電池のCR-V e:FCEVが出たときから知ってるよ、本命はハイブリッド!」という主張もしばしば見かけます。 そんな声がホンダに届いたのか、燃料電池車ではないCR-V(おそらくハイブリッド仕様)の日本市場への投入がウワサされています。ただし、市場マインド的には「遅すぎる」という印象もあるでしょう。 CR-V e:FCEVが登場してすぐのタイミングでハイブリッドが出てくるという情報があれば、ルックスが気に入った人は待っていたかもしれませんが、すでにライバル車を選んでしまっているはずです。 流石のホンダファンも後手後手に回っている日本の商品展開にはヤキモキしているのではないでしょうか? |あわせて読みたい| ホンダらしさも大切だがマーケットインの発想も必要思えば、現在販売されているミニバン「オデッセイ」も同じような話がありました。国内生産拠点を整理する関係で2021年に販売終了になったものの、根強いニーズもあって2023年12月に“中国産”オデッセイの輸入・再販が始まっています。 もともと中国でもオデッセイを作っていたことを踏まえれば、日本での生産終了に合わせて中国製を導入すればブランクは生まれなかったでしょうし、ユーザーが待たされる必要もなかったはずです。 ・・・このように、最近のホンダ、とくに国内販売セクションはユーザーマインドを読み切れていない印象があります。ホンダにも言い分はあるのでしょうが、結果的にマーケットの要望に応えられていないのが現実ではないでしょうか。 もともとホンダの商品企画には、他社とは異なるオリジナリティを重視するというプロダクトアウト(メーカーが作りたいモノを開発して市場に問うこと)の意思を感じることが多いというのが筆者の印象です。 逆にいえば、マーケットイン(市場のニーズに沿ったモノを開発すること)の製品企画は得意ではないのかもしれません。 それでも、5代目CR-V復活や現行オデッセイの再販、そして6代目CR-Vのウワサが流れていることを思うと、日本のホンダはファンのマインドに寄り添うラインナップをしっかり揃えてほしいと思ってしまうのです。 もっとタイムリーに、ユーザーニーズに合ったモデルをローンチすることができれば、ホンダの登録車販売はもっと伸びるのではないでしょうか。 >>【日本でも人気化しそう】CR-V北米モデルの内外装デザインをギャラリーで見る (終わり) (写真:ホンダ) |あわせて読みたい| |
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