一部改良のルノー「キャプチャー」に試乗ルノーのコンパクトSUV「キャプチャー」がマイナーチェンジを受け、2025年6月12日より日本で発売されます。今回はその変更点や走行フィール、ライバル車との比較をレポートします。 キャプチャーは、初代モデルが2014年に欧州コンパクトSUV市場で販売台数1位を記録。2019年に登場した現行2代目モデルも、2020年に欧州でSUV販売台数1位を獲得し、累計販売台数は200万台を超えるヒットモデルです。 今回のキャプチャーのマイナーチェンジでは「デザイン」「パワートレイン」「グレード編成」の3つが刷新されました。デザイン面では従来の曲線基調から「アサーティブ」(強い主張を持つ、際立つ)をテーマにした直線基調へと変化しました。 パワートレインはすべて電動化され、ルノー独自のフルハイブリッド「E-TECH」とマイルドハイブリッドの2種を展開。グレード構成は以下の3タイプとなります。 エスプリ アルピーヌ フルハイブリッド E-TECH(454万9000円) >>【デザイン刷新】新型「キャプチャー」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: 2つのハイブリッドを用意。キャラの違いは?マイナーチェンジを受けたキャプチャーは、知らない人であれば「フルモデルチェンジしたの?」と勘違いするほど、見た目の印象が変わっています。優しいイメージの前期型に対して、マイチェン後は、非常にモダンでキリっとしたデザインとなりました。 今回試乗した「エスプリ アルピーヌ」のインテリアは、青いステッチやトリコロールのタグがさりげなく施され、上質かつスポーティ。センスの良さと“ちょっといいモノ感”が漂います。 加えて、後席スライド機構の採用で実用性も向上。荷室容量はマイルドハイブリッドで536L、フルハイブリッドで440Lを確保しています。 面白いなと思ったのは、マイルドハイブリッドとフルハイブリッドのキャラクターの違いです。実のところ「エスプリ アルピーヌ」グレードなら装備や内外装に差はありませんが、走り出すと印象はまったく異なります。 走ってみると、マイルドハイブリッド版が搭載する1.3Lの直列4気筒ターボエンジンに7速EDC(デュアルクラッチ式)のパワートレインは最高出力158ps(116kW)、最大トルク270Nmと非常にパワフルです。パドルシフトを活用すればワインディングでも軽快で、ホットハッチ的な楽しさを味わえます。 一方、ルノー独自のフルハイブリッドシステム「E-TECH」は、システム最高出力143ps(105kW)とやや控えめながら、モーターアシストによるレスポンスの良さが魅力です。街中では1クラス上のような力強さを感じさせてくれました。 また、WLTCモード燃費は23.3km/Lと、輸入SUVトップクラスの数値を記録しています。車両重量はマイルドハイブリッドに対してフルハイブリッドは90kg重いのですが、それが良いように利いているようで、フルハイブリッドの方が乗り心地は良く、落ち着きある挙動となっていました。 キビキビした走りのマイルドハイブリッドと、落ち着いたフルハイブリッドという具合に、はっきりとしたキャラクターの違いがあったのです。 >>【デザイン刷新】新型「キャプチャー」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: ドイツのライバルと比べてみると…そんなキャプチャーのライバルとなるのは、同じ欧州コンパクトSUVで、フォルクスワーゲンの「Tクロス」と「Tロック」、そしてフィアットの「600ハイブリッド」、プジョーの「2008」といったもの。中でも日本市場で抜群の人気を誇るのは、フォルクスワーゲンの2モデル、TクロスとTロックです。 では、マイナーチェンジで新しくなったキャプチャーは、その2モデルに対してどのような違いがあるのでしょうか。 まず、サイズと価格帯的がそれぞれ微妙に異なっています。 Tクロス:全長4140mm×全幅1760mm×全高1580mm 次に、価格は以下のようになります。 Tクロス:336万8000円~396万9000円 つまり、キャプチャーは、2台のドイツ車の間に、サイズも価格も挟まれているのです。 パワートレインも大きな違いがあります。キャプチャーはマイルドハイブリッドとフルハイブリッドに対し、フォルクスワーゲンの2モデルはどちらも純エンジン車です。 Tクロスは1.0Lのターボエンジン(TSI)で最高出力が116ps(85kW)、Tロックが1.5Lのターボエンジン(TSI)と2.0Lのディーゼル(TDI)の2種類でどちらも最高出力が150ps(110kW)となります。また、Tロックには、最高出力300ps(221kW)を誇る「R」があります。 通常モデル同士を比較すると、キャプチャーのマイルドハイブリッドがパワーで優位に立ち、さらにフルハイブリッドを持つキャプチャーが燃費でも優れています。ただし、駆動方式ではTクロスとキャプチャーがFFのみで、4WDを選択できるのはTロックのみという点は重要な違いとなります。 走り味の違いに関しては、筆者の印象では、フォルクスワーゲンの2モデルは、高速走行時の安定性と、純エンジン車としての洗練のパワートレインのフィーリングが魅力です。それに対してキャプチャーは、よりしなやかなハンドリングがあり、電動車らしいスムーズさと力強さ、俊敏性が魅力となります。 価格を考えればTクロスがベストですし、ハイブリッドが欲しいならキャプチャー、4WDが欲しければTロックを選ぶのがおすすめです。また、それぞれに異なるデザインと走り味があるため、そうした好みの部分で選ぶのもいいのではないでしょうか。 (終わり) >>【デザイン刷新】新型「キャプチャー」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: (写真:編集部、ルノー、フォルクスワーゲン) |
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