売るクルマが少ない…経営再建を急ぐ日産ですが、国内市場に関して言えば、ラインアップが貧弱であるという大きな課題があります。2025年4月現在、日産の公式サイトに掲載されている乗用車は11モデルです。 しかし、「GT-R」は新車での購入が事実上不可能であり、BEVの「アリア」「リーフ」、およびスポーツカーの「フェアレディZ」もユーザーを選ぶモデルです。 また、「エルグランド」「スカイライン」「キックス」は発売からかなりの時間が経過しています。 そのため、国内市場では「ノート/ノート オーラ」「セレナ」「エクストレイル」を中心に戦わなければならないのが実情です。 日産にとってラインナップ拡充が急務となっているなか、2024年9月に世界初公開された新型「パトロール」の国内導入が、XなどのSNSでうわさされています。 実際、新型パトロールが国内に導入される可能性はあるのでしょうか? >>日産の大型SUV「パトロール」をチェック |あわせて読みたい| 大型SUV「パトロール」を国内導入かパトロールは、主に中東で販売されているオフロードSUVです。 北米では「アルマーダ」の名称で販売されており、日産の高級ブランドであるインフィニティ「QX80」の兄弟車です。 7代目となる新型パトロールは、トヨタ「ランドクルーザー300」を凌ぐ巨大なボディを誇り、全長5350mm×全幅2030mm×全高1945mmというサイズに、最高出力425psを発揮する3.5L V型6気筒ツインターボエンジンが搭載されます。 新型パトロールは、グローバルにおける日産のフラッグシップSUVという位置づけであり、中東における価格は6万5000ドル(約930万円、2025年4月時点の為替レートに基づく)となっています。 >>日産の大型SUV「パトロール」をチェック |あわせて読みたい| パトロールが日本に来るかもしれない根拠ある業界関係者は、新型パトロールの国内導入の可能性について次のように話します。 「新型パトロールを取り巻く環境を考えると、国内導入の可能性は十分にあると思います。 現状、日産にはラインナップの拡大とブランドイメージの向上が求められており、新型パトロールはその条件を満たす存在です。 加えて、新型パトロールがかつて日本国内で人気を博した『サファリ』の後継であるという点も、日本のユーザーにとってポジティブに働くかもしれません。 さらに、新型パトロールは、日産車体が運営する九州工場で生産される国産車でもあります。 オーストラリアや英国向けの右ハンドル仕様も設定されているため、国内導入に向けた物理的なハードルは低いと考えられます。 また、北米市場の動向も関係するかもしれません。新型パトロールは、アメリカで販売されているアルマーダおよびQX80と兄弟車の関係にあります。 アメリカは2025年より輸入車の関税を引き上げる方針を明らかにしており、日産にとってアルマーダやQX80を輸出するメリットが薄れています。 その余剰生産分を国内に振り分けることで、生産コストの最適化や国内市場の需要喚起といったメリットが期待できます」 >>日産の大型SUV「パトロール」をチェック |あわせて読みたい| 新モデル導入は日産にとって必要不可欠前述の業界関係者は、「新型パトロールを実際に国内に導入するとなると、乗り越えなければならない壁も多い」と述べています。 「まずクリアしなければならないのは、『市場での需要が見込めるか』という問題です。 日産の新たなイメージリーダーとして登場するのであれば、一定の販売台数を記録しなければ期待に応えられません。 満を持して発売されたにもかかわらず、期待を下回る販売に終われば、ブランドイメージはむしろ下がってしまうおそれもあります。 また、想定以上に売れたとしても、『十分な台数を生産できるか』という問題があります。 ランドクルーザー300のような1年以上の長納期となれば、やはりブランドイメージにはマイナスです。 日産はこれらの課題を考慮し、新型パトロールの国内導入を慎重に検討しているとみられます」 いくつかの課題はあるにせよ、現在、日産にはなんらかの起爆剤が必要であることは事実です。 新型パトロールは日産のブランド復活の鍵となるのでしょうか。 (終わり) (写真:日産、トヨタ) >>日産の大型SUV「パトロール」をチェック |あわせて読みたい| |
GMT+9, 2025-4-30 14:58 , Processed in 0.280596 second(s), 17 queries .
Powered by Discuz! X3.5
© 2001-2025 BiteMe.jp .