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ホンダS660とアルトターボRSはどう違う? 清水和夫が解説

2015-5-21 11:40| post: biteme| view: 187| コメント: 0|著者: 文:清水 和夫/写真:篠原 晃一

摘要: 軽自動車が売れる理由は「安い」「燃費が良い」じゃない! 日本では軽自動車(軽カー)が売れている。輸入車組は軽カーが自由貿易を阻害すると批判するが、軽カーは安くて燃費が良いから売れるというのは間違った認 ...

ホンダS660とアルトターボRSはどう違う? 清水和夫が解説

軽自動車が売れる理由は「安い」「燃費が良い」じゃない!

日本では軽自動車(軽カー)が売れている。輸入車組は軽カーが自由貿易を阻害すると批判するが、軽カーは安くて燃費が良いから売れるというのは間違った認識だ。「ホンダ N-BOX」の4WDターボは「VW up!」よりも高いし、燃費だって小型車のほうが高効率だ。ではなぜ軽カーが元気なのだろうか? まずは最近の軽カー事情を分析してみよう。

軽カーはボディサイズやエンジンの排気量に規格があるので、どの軽カーも同じようになりやすい。だから、上手に商売するためには差別化が必要だ。昨年登場した「スズキ ハスラー」や、「ダイハツ コペン」と「ウェイク」はまさに個性化の証だ。規制の隙間を縫ってライバルとは異なる価値を提案する、まさに京都の民芸品と同じだ。人と同じものは乗りたくない、そんな個性が若い人に支持されているとも言える。

軽カーに命をかけるスズキとダイハツに加えて、ホンダも軽カーには熱心だ。この3つの軽メーカーは本気で世界と戦うことを考えている。その急先鋒がスズキだろう。インドで市販されるマルチ・スズキは軽カー技術を基盤にしている。インドネシアで存在感を発揮するダイハツは、軽カーで利益を出せない自動車メーカーは新興国で戦えないと本気で考えている。ホンダの伊東孝紳社長も同じ考えを持っていたから、軽カーの生産を系列の八千代工業から本丸の鈴鹿製作所に戻したくらいだ。

こうして軽メーカー同士が本気で“いいクルマづくり”を始めた結果、昨年から今年にかけて、走りに磨きをかけたホットな軽カーが続々と登場している。200万円でも愉しいクルマを提供する最新の軽カーから目が離せなくなってきたのだ。

約160kgというウェイト差がどう出るか?

今回レポートするのは、「ホンダ S660」と「スズキ アルトターボRS」という2台の軽スポーツだ。ホンダは2015年末までにスーパースポーツの「新型NSX」も市販する。この2台はホンダのポートフォリオのボトム(S660)とトップ(NSX)に相当する。

新型NSXの価格は北米では15万ドル(約1800万円)とサラリーマンは近づけない完全なスーパーカーだが、ボトムのS660はギリギリ200万円以下というプライスタグを下げるので、頑張れば手に入れることができる。しかも、エンジンパワーも64psと扱いやすい。こうなってくると、ボトムとトップの中間にいるべきミドルクラスのスポーツカーが私としては気になってくる。

スペックをおさらいしておこう。「S660」はN-BOXシリーズと共用部品が無いほど専用に開発されている。エンジンがマウントされるリアのサブフレームにアルミを使うなどの軽量化を実行しているが、オープンボディということもあり車両重量が830kgと、「アルト ターボRS」(FFで670kg)よりも160kgほど重いのが気になる。

ただし、ターボにはハイレスポンスなタービンを使うので、スロットル・レスポンスがよく、カタログ数値では計れない領域で優れた性能を発揮しそうだ。また、ハイグリップタイヤの「ヨコハマ アドバン・ネオバ」を履くので運動性能も期待できる。ギアボックスはどちらも自社製の6速MTとCVTを選ぶことができる。

「アルトターボRS」は、同社のベーシックな軽カー「アルト」のホットバージョンだが、ターボエンジン搭載に合わせてボディ剛性をノーマルのアルトよりも強化している。当然ボディは重くなっているが、670kgは立派だ。

ターボエンジンは可変バルブタイミング機構を持ち、インタークーラーの装備やレスポンスのよいタービンを使うことで、AGS(自動クラッチ式のMT)との相性がよいエンジン特性を実現している。

AGSはターボRS専用のギア比が用意されており、2速と3速はクロスしている。タイヤは「ブリヂストン ポテンザRE050」を履くが、アドバン・ネオバのようなハイグリップタイプではないので、ターボRSのコンセプトは意外にもオールラウンドなキャラクターであることが分かる。

CVTの欠点もチューニングでカバー

「S660(プロトタイプ)」のテストドライブは、朝に降った雨がまだ路面を濡らしている袖ヶ浦フォレストレースウェイで行われた。徐々に乾き始めたまだら模様の路面は気を使う。タイヤのグリップが変化するからだ。

ピットに並んだS660はいかにも若いデザイナーが描いたと分かるモダンなデザインだ。S660のヘリテージである1960年代の「S600」のデザインモチーフは感じられない。過去にとらわれない現代っ子のスタイルだ。この考えも一理あるが、オジサンが乗るには似合いそうもないとやや不安になる。

すでにルーフを取り払っていたので、オープンの状態からドライブする。まずはパドルシフト付のCVTで味を試した。個人的にはCVTは時代遅れのギアボックスだ。スズキはサプライヤーからCVTを買っていたので、自前で自動クラッチのAGSを開発したわけだが、ホンダのCVTは内製なので積極的に使っている。だが、構造的に節度感が出しにくいCVTでもS660は気の利いたチューニングが施されていた。64psなのでサーキットでもそこそこ楽しく走れたのは良かった。

ちなみにリアのバルクヘッドの上部には小窓があり、スイッチひとつで開け閉めできる。クローズ時でもミッドシップに搭載した660ccターボの音を聞くためだ。開けると3気筒エンジン特有のメカニカル音に混じってターボのブローオフバルブのリリーフ音が聞こえてくる。この音は懐かしいが、欲を言えばエキゾーストを聞きたいところだ。

ハンドリングは超ご機嫌だ。一周も走るとタイヤ温度は上昇するが、素直な操縦性なので濡れた路面でも挙動は安定している。嬉しいのは濡れた路面を通過するとき、ステアリングの手応えに変化を感じさせてくれたこと。つまり手応えで路面のグリップ変化を知ることができるのだ。

軽いタックインがあればハンドリングは100点

次は6速MTを試した。シフトフィールは全く違和感がなく、繊細なシフトフィールにこだわって作られている。

路面が乾いてきたので、徐々にスピードを高めた。エンジンは64psと他の軽カーと同じだが、「自主規制を無視して80psにしたのでは?」と思うほどパワーがある。パワーがあるというよりもスロットルレスポンスがシャープなので、そう感じるに違いない。小径のタービンでレスポンスが向上しているのだ。

バックストレートのトップスピードは実測で135キロ前後でリミッターが作動するが、それまでのスピードで十分に愉しい。コーナーを攻めると最終的には弱アンダーステアだが、それまではほとんどニュートラルステアだ。コーナーリング中に前後の荷重移動を使っても、ほとんどタックインがない。

ドライバーは限界でアンダーステアが出たら、スロットルを戻すことで、もとのニュートラルステアに戻したい。だから本当は軽いタックインがあると100点を与えることができるが、それは次期タイプRに期待しよう(そんなモデルがあるかどうかは未確認だが)。

車載のGメーターでブレーキングとコーナーリング時の最大Gをチェックしたが、両方とも1.1Gと高い。体感的にもブレーキはよく利き、コーナーの横Gも大きい。ABSも信頼性が高いし、早利きもなかった。S660はボディの重さをタイヤとエンジンレスポンスでカバーしている感じだ。

ステアリングは手応えはあるが、すこし軽めなので、パワーステアリングは要らないのではと思ったが、腕力でねじ伏せるスポーツカーの時代ではないのだろう。乗り心地も悪くないし、これなら遠くまで走ることもできそうだ。結論としてはS660がホンモノのスポーツカーだと確信できたし、全世界の人に自慢したくなった。

ホットと言うより“クールハッチ”

一方、「アルトターボRS」は筑波サーキットやテストコースで入念にテストしたが、速さは別としても、完成度の高さに驚いた。軽量ボディのターボRSの方がS660より速いのでは? という興味もあったが、両者はそもそもコンセプトが明確に違っている。もう少しわかりやすく説明すると、乗り心地と運動性能をバランスよくまとめているのがアルトターボRSだ。“ホットハッチ”というよりも“クールハッチ”という表現が似合っている。

ターボエンジンはS660と同じようにレスポンスがよい。ギア比も低めなので筑波サーキットのコーナーは3速で走れる。さらに車両重量が670kgと軽いので、コーナーからの脱出は軽快そのものだ。コーナーリングの限界はS660ほど高くはないが、素直なハンドリングは誰が乗っても好印象だろう。サスペンションは適度にロールするが、ターボRSは重心も低いので安定性は文句ない。

ブレーキングでABSが作動するほど強く踏んでも、クルマは安定している。「RS」というネーミングを想像すると少し物足りないかもしれないが、普段乗りも考えると実用性にも優れている。

シングルクラッチの逆襲が始まった

イタリアのマニエッティ・マレリ社と共同開発した「AGS」は完成度が非常に高い。ハードウェアはスズキのMTとクラッチを使うが、制御の部分はマレリ社のノウハウだ。スズキはポストCVTのギアボックスとしてAGSを主力に考えている。自動クラッチ式MTのAGSとトルクの太いターボエンジンは相性がよく、ベースのアルトよりスムーズに発進できる。お世辞ではなくDCT(デュアルクラッチ)レベルのスムーズネスを実現している。

「アルトターボRS」は「RS」の称号こそ与えられているが、実際はロードカーとしてバランスの良い走りを実現しているのだ。大人が4人乗れて、そこそこスポーティに走れるのがターボRSだ。シングルクラッチを採用した「AGS」の完成度はデュアルクラッチを採用したVWの「DSG」にも匹敵するし、このギアボックスはMTを使っているので、カーディーラーでも修理できる。まさにシングルクラッチの逆襲なのである。

とはいえ今後、もし「アルトターボRS-R」のようなホットモデルが登場するなら、MT車を設定して、タイヤはS660と同じハイグリップタイヤを装着してもらいたい。そうすればサーキットでもS660とガチのバトルを繰り広げることができるだろう。

S660・スペック

【 S660 α 】
全長×全幅×全高=3395×1475×1180mm
ホイールベース=2285mm
駆動方式=MR
車両重量=830kg(6MT)/850kg(CVT)
エンジン=658cc直列3気筒DOHCターボ
最高出力=47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク=104Nm(10.6kg-m)/2600rpm
トランスミッション=6速MT/CVT
サスペンション=前後マクファーソンストラット
タイヤサイズ=前:165/55R15、後:195/45R16
JC08モード燃費=21.2km/L(6MT)/24.2km/L(CVT)
車両本体価格=218万円
発表日=2015年3月30日

アルトターボRS・スペック

【 アルトターボRS(FF)】
全長×全幅×全高=3395mm×1475mm×1500mm
ホイールベース=2460mm
駆動方式=FF
車両重量=670kg
エンジン=658cc直列3気筒DOHCターボ
最高出力=47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク=98Nm(10.0kg-m)/3000rpm
トランスミッション=5速AGS(オートギアシフト)
サスペンション=前マクファーソンストラット
        後トーションビーム
タイヤサイズ=前後:165/55R15
JC08モード燃費=25.6km/L
車両本体価格=129万3840円
発表日=2015年3月11日


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