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新型ステップワゴン試乗、全方位に考えられた隙のない完成度

2015-5-27 11:10| post: biteme| view: 167| コメント: 0|著者: 文:島下 泰久/写真:小林 俊樹

摘要: ミニバンの王道を追求しつつ攻めている 新しいステップワゴンは、かなり攻めている。変化球ではなくストレートの速球でミニバンの王道を追求してきたというのが、その第一印象である。ではミニバンの王道とは? そ ...

新型ステップワゴン試乗、全方位に考えられた隙のない完成度

ミニバンの王道を追求しつつ攻めている

新しいステップワゴンは、かなり攻めている。変化球ではなくストレートの速球でミニバンの王道を追求してきたというのが、その第一印象である。ではミニバンの王道とは? それはもちろん、家族のために尽くすクルマであることだ。

ストレートとは言っても、王道を行くための工夫は盛り沢山なのが新型ステップワゴンである。もっとも目をひくのは「わくわくゲート」と呼ばれるテールゲート。通常通り縦に開ける時にはフロアぎりぎりまで低く大きな開口部を実現する一方で、何と同じドアの左3分の2は横方向にも開くのである。

大きな荷物を積み込む時には縦開けで。開口部の地上高は従来比85mmも低い445mmに過ぎないから、自転車なども難無く積み込める。一方、横開けは開口幅350mmから830mmまで3段階のノッチが備わり、荷物が大きくない時には少しだけ開けることも可能だし、閉める際にはカチッとした感触こそ薄いものの、そのぶん必要な力が縦開けの半分で済むから、狭い場所でも扱いやすく女性ユーザーなどには重宝されるはず。また、大きく開いて3列目シートの左側を倒せば、ここから車内に出入りもできるのだ。

その奥に広がる室内スペースも格段に広さを増している。意匠の異なるスパーダ以外は5ナンバー枠に収まるサイズをキープしつつ、エンジンルームを短縮してホイールベースを延長。1列目と3列目の距離は+40mm、荷室前後長は+20mmを実現している。また全高は+30mm、ルーフ幅は最大+40mmと、つまり前後左右高さの全方向に余裕を増しているのである。

ドリンクホルダー16個&コンビニフック10ヶ所

まずは1列目から乗り込んでみる。横方向に広がり感のあるデザインはスッキリしていて好印象。実際に前方、三角窓を通して見る斜め前方、そして側方とも視界が開けていて開放感は高い。

2列目はロングスライド式。一番後ろまで下げれば足をブラブラできるぐらいの余裕が生まれる。前席背面に備わるテーブルは耐荷重2kgで、作りがしっかりしている。シアターレイアウトのおかげで前方視界も悪くない。標準は左右独立のキャプテンシートだが、オプションで6:4分割式のベンチシートを選ぶこともでき、その場合には乗車定員は8名となる。

そして3列目も、思った以上にしっかり座れる。スペース的にガマンが要らないだけでなくクッションも効いている。視界も良いし、乗降性も悪くない。さすがに中央席はヘッドレストの位置もずれていて、完全に緊急用だが、左右席は東京から箱根までだって平気だろう。ドリンクホルダーも山ほどあるし…。

そう、新型ステップワゴンのインテリアはこうした便利に使うための装備が本当に充実しているのだ。ドリンクホルダーは何と16個。コンビニフックは10ヶ所あり、電源も1列目と3列目に標準、2列目にもオプションで備わる。そんなにドリンクを飲むわけではないが、使い途は他にも色々あるし、コンビニフックもインテリアに自然に馴染むデザインとされていて、所帯染みた感じが無い。

強いて言えば、ドアポケットが浅くて、入れにくいし走行中に物がこぼれそうなのと、ダッシュボード上面の蓋付き小物入れの開け閉めがしにくいのは減点。けれども、全体的には十分に配慮されていると言える。

ミニバンの可能性を広げるわくわくゲート

3列目シートを左右跳ね上げではなく、床下格納式としているのはステップワゴンの伝統。完全に畳めば広い荷室を生み出すことができるし、その際に斜め後方の視界を邪魔しないのもポイント。一旦格納してしまうと、特に上に荷物があると取り出すのが億劫になりそうだが、操作自体は簡単だし、操作力も軽く仕立てられている。

新型ではシートが座面も含めて左右分割式となったため、片側だけシートを使い、もう片側に荷物を積むことも可能になった。ベビーカーくらいなら畳まず積めるし、2列目を前に出せば、4人乗車で自転車をそのまま突っ込むことだって出来る。

興味深いことにこの3列目、格納した後に被せるカバーの強度が人の体重に耐えられるよう考えられている。これは、わくわくゲートを横開きしての乗り降りに対応するためだ。狭い場所に停めた時、ウォークスルーで室内を移動してきて後ろから降りるなんて使い方も想像できる。前述の通りステップは低いし、格納式のしっかりしたアシストグリップも備わるから、3世代で乗る時などはお年寄りにも優しいだろう。

他にも、まだ面白い使い方があるかもしれない。わくわくゲートと左右分割の3列目シートは、大げさかもしれないが、ミニバンの使い勝手の可能性を大きく拡大するものになるのでは、と期待できそうなのだ。

17km/Lを実現する新開発の1.5L直噴ターボ

走りの面での注目が新開発の「VTEC TURBO」。1.5L直噴のダウンサイジングターボエンジンである。最高出力150ps、そして最大トルクは203Nmを1600-5000rpmという広範囲で発生する。JC08モード燃費はクラストップの17.0km/L。トランスミッションはCVTとの組み合わせとなる。

動力性能には不満は無い。実用域に振った特性のおかげで走り出した瞬間から十分な力を発揮し、その先も落ち込み感無くスーッと速度を高めていく。追い越しなどで活きる中間加速も頼もしいし、何よりその際にエンジンが盛大に回ることが無いのがいい。

但し、CVTとの組み合わせ故にドライビングフィールはそれほど印象に残るものではない。グイッとトルクが立ち上がりそうな場面もCVTがなましてしまうから、確かに違和感無く扱いやすいとも言えるが、旨味もあまり感じられないのだ。せめてSモードでは、単に高回転域まで引っ張るだけでなく、よりドライバーの意思に忠実なツキの良さを追求してもいいのではないだろうか。

エンジン自体も実際のところは上まで回した方が気持ちは良い。実用域でもう少し心地良い音を聞かせてほしいと感じた。普段聞くのは、ほとんどこの領域のエンジン音なのだから。

しっかりボディとクラスベストの快適性

室内の容積が増え、ガラス面積は大きく、しかもリアには構造上重くなることは避けられないわくわくゲートも備わるだけに、走りには不安が募るところだが、ボディは徹底的な剛性確保が図られており、車重を増やすことなく、しっかりとした走りの土台を築き上げている。おそらく誰もが走り出してすぐ、それを実感できるはず。そのボディ、重々しさは無いのにとてもカチッとしている。

ステアリングは中立位置での据わり感を重視したと謳われているが、実際には高速域でも、軽く手を添えておくだけで直進していく…というほどではない。多人数乗車の方が良いのだろうか? 普通はそんなことは無いだろうと考えれば、よりリラックスできる直進性が欲しい。

一方、山道に入っていくと腰砕け感無く、安心できるハンドリングを披露してくれる。細かく見れば、ベースのステップワゴンについては、前輪がすぐに鳴き出すのがちょっと興ざめ。もう少し踏ん張ってほしいなという人は、専用のダンパー、更には高剛性ハブベアリングまで奢ったスパーダを選んだ方が良さそうだ。

いずれを選んでも快適性はこのクラスのベストと言っていい。前席だけでなく2列目、そして3列目でも突き上げ感などは最小限で、快適に過ごせる。

また、室内騒音の小ささにも触れておこう。剛性高いボディを土台に効果的な遮音、防音対策を施すことにより、たとえば1列目と3列目でも自然に会話が楽しめるのは確認済みである。これもまた疲れの少ない、快適な移動に大いに貢献するはずだ。

ミニバンの王道を究めた隙のない1台

どの角度から見ても新型ステップワゴン、非常に良く出来ている。走りと快適性、使い勝手も、すべてにレベルが高く配慮が行き届いていて、致命的な欠点は見当たらない。

敢えて言うならば、ハイブリッドが設定されなかったのが残念なところ。ホンダにはこのサイズのクルマにちょうどいいシステムが無かったというのが実際のところだろう。ノア/ヴォクシーとの比較ではもちろん、本当はこれをハイブリッドと呼ぶのは…と思ってしまうセレナを相手にした場合でも、スペックで比較した時には間違いなくツラくなる。

しかし、それを除けば家族の道具としてのミニバンと考えた時、欲しいものはほぼ揃っている。そして何より、わくわくゲートという新しい提案、斬新な武器をも備えているのだから、これは強い。

まさにミニバンの王道を究めた1台。現時点では、そう評してもいい。全方位、とてもよく考えられている。

但し、個人的には、理屈抜きで欲しくなるような、あふれるような魅力というのは、やや乏しいかなとも感じた。道具という域を超えて、クルマって楽しいなと夢中にさせるような何か。そんなのは王道を狙う中では考慮されないのかもしれないが、初代ステップワゴンには、そんな匂いがあったからこそ厚く支持されたのではなかっただろうか。

隙の無い完成度だからこそ、高望みをしたくなるという話である。だってコレは、他でもないステップワゴンなのだから。

スペック例

【 G 】
全長×全幅×全高=4690mm×1695mm×1840mm
ホイールベース=2890mm
駆動方式=FF
車両重量=1650kg
エンジン=1.5L直列4気筒DOHC直噴ターボ
最高出力=110kW(150ps)/5500rpm
最大トルク=203Nm(20.7kg-m)/1600-5000rpm
トランスミッション=CVT
サスペンション=前:マクファーソン式
        後:トーションバー式
タイヤサイズ=前後205/60R16
JC08モード燃費=17.0km/L
使用燃料=レギュラーガソリン
車両本体価格=248万円

【 スパーダ クールスピリット 】
全長×全幅×全高=4735mm×1695mm×1840mm
ホイールベース=2890mm
駆動方式=FF
車両重量=1700kg
エンジン=1.5L直列4気筒DOHC直噴ターボ
最高出力=110kW(150ps)/5500rpm
最大トルク=203Nm(20.7kg-m)/1600-5000rpm
トランスミッション=CVT
サスペンション=前:マクファーソン式
        後:トーションバー式
タイヤサイズ=前後205/55R17
JC08モード燃費=15.4km/L
使用燃料=レギュラーガソリン
車両本体価格=288万7000円


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