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ロールス・ロイス レイス試乗。単なる高級車と圧倒的に違うところは?

2015-6-11 18:50| post: biteme| view: 691| コメント: 0|著者: 文:五味 康隆 /写真:望月 浩彦

摘要: ファントム・ゴースト・レイスの違いを知っていますか? 感覚に頼りきった表現は好きではないが、誰もが感じるはずのモノだから使っても良いだろう。このクルマのオーラは半端ない…。今回はロールス・ロイスのレイ ...

ロールス・ロイス レイス試乗。単なる高級車と圧倒的に違うところは?

ファントム・ゴースト・レイスの違いを知っていますか?

感覚に頼りきった表現は好きではないが、誰もが感じるはずのモノだから使っても良いだろう。このクルマのオーラは半端ない…。

今回はロールス・ロイスのレイスを数日間借り受けていたが、このクルマが作り出す世界観は特別であり、カーライフが一変する。そこには、ゆとり、優雅、余裕、そして圧倒がキーワードにあるようだ。

そもそもロールス・ロイスには、「ファントム」と「ゴースト」という大きくふたつのラインが存在する。単純に分けると、ファントムはオーナーが後席に乗ることだけを見据えて作り込まれ、ゴーストは運転することも踏まえられている。結果、ファントムよりもゴーストはひと回り小さなボディサイズとなり、約2000万円も安い設定となる。

このレイスはそのゴーストのクーペモデルで、屋根からトランク後端まで緩やかにルーフラインが続くファストバックスタイルを採り入れた個性的な形状をしている。さて、すでに浮世離れした価格を書いたが、オブラートに包もうが絶対的な価格は高いのだから仕方ない。ファントムより安いと言っても、その価格は3333万円。さらに今回の試乗車には約600万円分のOP(オプション)が付いており、トータル価格は約4000万円にも上る。

ちなみにレイスのキャラクターに合わせて、ロールス・ロイスを象徴するパルテノングリルは奥まったデザインになっており、その上部に存在する「スピリット・オブ・エクスタシー」は5度ほど前傾姿勢を強めている。さらに試乗車では78万9000円の照明付きクリスタル仕様になっていた。

夢物語を言うなら、もしレイスを買うとなれば私ならこのOPを選ぶはず。なぜなら、運転しているときに目に入り続ける部位でもあるし、オーナメントに約80万円をかけているという自分の酔狂を否定できないからだ。それは同じお酒でも高い金額を払い“銀座で飲む”ことにステータスを感じる世界に似たものかもしれない。何はともあれ、浮世離れした世界を順番に紹介していこう。

OP満載価格=3000万円と、ベース価格=3000万円は全く違う

ロールス・ロイス独自の世界は、通常のクルマの高級や上級の延長線上にあると思わないほうが良い。というのも、スタート価格は3333万円。「自己顕示」も魅力や価値とする人達に向けたクルマなのである。

他のプレミアムブランドにも特別なエンジンや内装を採用して価格的に肉薄するモデルもあるが、それらとは生い立ちが違う。例えるなら、1500万円のクルマに1500万円分の特別エンジンや足回りそして豪華内装を施して3000万円にしたのと、そもそもの価格が3000万円なのとでは、スタートの時点でできることや到達できる世界が異なるということだ。

大きく厚みのあるドアは、ロールス・ロイス特有の後方支持の前方開きのコーチドアになっていて、特別感があるし乗り降りで足の引っ掛かりが少ないのだが、そもそも狭いところでは大きすぎてドア開口を確保しづらい。これも3000万円以上のクルマを買える所得層の生活環境が前提で採用できたわけで、1500万円のクルマだったら採用できないとも言える。

このように、選ばれた人々を満たすための作りが盛り込まれたクルマと捉えると話は早く、重いドアは車内からは閉め辛いがボタン操作で閉められるようになっているし、そもそもドアマンがいる場所に出かけている限りはドアの開け閉めを自身で行う頻度も少ないので関係ないのだ。

そうであるなら、ドアは安全性と密閉性を追求した重厚な作りが最優先されるだろう。またドアを開けたフェンダー部には専用の傘が収納され、雨の日でも乗り降りの時から濡れずに過ごせるし、ドアポケットにはセンサー式のLED照明が備わる。もちろん、必要十分の積載力など、諸経費も入れれば4000万円をクルマに注ぎ込める方々のライフスタイルにおいて使い勝手が優れる作りが施されている。

1340本の光ファイバーが演出する星空

そもそもの話を忘れていたが、クーペといってもこのモデルはデカい! だからこそ周囲に埋もれることのないオーラが出ているのだが、サイズは全長5280mm×全幅1945mm×全高1505mm。超がつくほどゆったりとした室内空間を確保できるこのサイズを、わずか4名のために仕上げたクーペがレイスだ。だからこそクーペと言っても後席も快適で居住には不自由がなく、ファストバック形状が頭上にゆとりも与える。唯一、乗り降りで前席を倒して身をかがめるのが不自由なだけだが、それを求めるなら4ドアセダンのゴーストを買えば良い。

乗り込むと、革やウッドなどを含めて最高級のモノが使われているのは言うまでもなく、価格は別として外装色同様に内装もオーナーの要求を叶えてくれるようだ。ちなみに試乗車のパネルは、ピアノ調のブラックに見えるだろうが、よく見ると木目が見えてお洒落度抜群。また見上げると天井には星空が輝いている。これはOPで142万6000円のスターライト・ヘッドライナーで、1340本の光ファイバーを丁寧に組み込み、星のようにひとつずつ明るさを調整している力作だ。

走り出す前から目で見て触れただけでその世界観に翻弄されていたが、ここからが真骨頂。まずはエンジン。その掛かり出しのスムーズなこと。時代の風潮として大きいエンジンは無駄で環境にも良くない悪者で、より小さいエンジンのほうが賢いとされているが、大きいエンジンには、小さいエンジンにはない相応の魅力があることをクルマ好きなら忘れてはならない。

最近では4リッターV8の直噴ターボエンジンでもこの6.6リッターV12エンジンに数値的には近い能力を発揮できる。しかし、静かに滑らかにエンジンが掛かり、そしてエンジンが回っているのか疑いたくなるアイドル回転振動は、V12エンジンでしか手に入らない。

高級感を演出するために必要なのは重量とトルク

走り出しの滑らかさとスムーズさは格別だ。絨毯の上を走るような…ありがちな表現だが、このクルマにこそ相応しいと思える。

それはエンジンの回転振動の少なさに加えて、各部の稼働振動が車内に入り込まない作りがもたらす特別の世界観。各ウィンドウが二重ガラスのアコースティック仕様になっている作りやエンジンルームと車内との隔壁の分厚さに加えて、エンジンのトルク特性と車両重量、そして足回りがそう感じさせるのだろう。

順番に言うと、まず6.6リッターエンジンは最大トルク800Nmを発揮するが、そのピーク値よりも体感として得られるアイドルからのトルクが凄い。余裕のトルクがしっとりと滑らかにクルマを押し出していく。

しかし厳密に言えば、余裕のトルクだけではこのレイスの様な滑らかさは手に入らない。必要なのはボディ重量。なぜなら、ボディが軽すぎると軽快感が前面に出てきて、重厚で上質でゆとりを感じるしっとりとした動き出しが出ない。言うなれば、重いクルマを極低回転の極太トルクで押し出すことでしか得られない優雅さがあり、それはここ近年の環境性能が騒がれる背景で忘れ去られつつある世界観でもある。

いつ変速しているのか解らない滑らかさも魅力。これにも余裕のトルクは大きく関係する。何事も性能を使い切ったのでは緻密なコントロールなんて出来ず、余裕のトルクがあるので変速の度にトルクをゆっくり絞り、ギアを変速してゆっくりと出せる。そのゆっくりとしたトルクコントロールこそ滑らかさの源で、例えるなら椅子に座る/椅子から立つ動きは特別なものじゃないが、その動作を滑らかにゆっくりするには、かなりの筋力や体幹が必要なのと同じだ。

高級や優雅や上質は余裕の性能の上に成り立つ。6.6リッターの排気量は反社会的とか時代錯誤と言われるかもしれないが、この手の世界観を得るには必要不可欠であり、どのクルマにも小さい排気量が最適という決めつけはなんとも勿体ない。

通常は余裕の2速発進、すべてが余裕の3333万円

それを象徴するのがロールス・ロイスの特徴でもあるパワーリザーブメーター。エンジンの性能の使用率を示すもので、通常のクルマならタコメーターが配置される場所に大きく陣取っている。これを見るとあとどの位余裕があるのかが一目瞭然。ちなみにこのメーターで確認する限り、通常の走りでは20%も使わず走れてしまうし、さらにいうとコラム型のシフトレバーのLOWボタンを押さない限り2速発進。それだけ余裕があるわけだ。

そしてボディ重量が2650kgもあるからこそ得られる要素がさらにある。それが安定性と上質な乗り味。レイスに乗ると、まず気がつくのは高速領域での抜群の安定感だ。地面にベタッと張り付く感覚がどの速度域でも感じられる。最初は減衰力を電子制御で自在に操って路面からの入力の角をまろやかにする4輪エアサスペンションの効果と思ったが、それだけではないようだ。

大事なのはクルマの重量。タイヤの路面への押し付けや車体を路面に押さえつける力も全ては自重により発生する。どんなに良い足回りを装着しようが、超軽量な車体ではクルマごと路面の凸凹やアンジュレーションで跳ね上げられ、あおられるということ。レイスの場合は、まず自重で基本的な安定性を出しつつ、それでもクルマを跳ね上げようとする鋭い路面入力をエアサスペンションと電子制御のショックアブソーバーがいなし、結果として車体の上下動も突き上げ感も押さえ込んでいる感覚を受ける。

逆に、ボディがしっかりしているからハンドルやシートを介して路面状況やタイヤの噛み具合などが体に伝わって来るので、操っている感覚が残っているのも好印象。もちろん重さはブレーキには負担でしかないが、スポーツカーのような減速はできないものの、十分なストッピングパワーを得られる強力なブレーキも備えている。

最後に、最高出力632ps/最大トルク800Nmの6.6リッターのV12エンジンをフル解放した速さも規格外レベルにあり、しかもそのような速度域でも室内には涼しく優雅な空気感が漂っている。

時代に逆行するような大排気量&重量級ボディをまとった3333万円のクルマの実力は、価格相応に予想超えの格別モノで、価値判断が贅沢になってしまったので個人的には知らない方が幸せな世界観だった。

スペック

【 ロールス・ロイス レイス 】
全長×全幅×全高=5280mm×1945mm×1505mm
ホイールベース=3110mm
駆動方式=FR
車両重量=2650kg
エンジン=6.6L V12気筒DOHC直噴ツインターボ
最高出力=465kW(632ps)/5600rpm
最大トルク=800Nm(81.6kg-m)/1500-5500rpm
トランスミッション=8速AT
最高速度=250km/h
0-100km/h加速=4.6秒
欧州複合サイクル燃費=14.0L/100km
サスペンション=前:ダブルウィッシュボーン
        後:マルチリンク
ホイールサイズ=前後:20インチ
使用燃料=プレミアムガソリン
車両本体価格=3333万円
発売日=2014年10月1日


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