ランフラットタイヤの良し悪し使い勝手のいいハイト系のコンパクト・メルセデスとして、根強い人気を誇っている「Bクラス」。先日、マイナーチェンジ(MC)を受けてブラッシュアップされたわけだが、それは同時に初期モデルが、登場からある程度の時間が経ったことを意味する。 現行型Bクラスが登場したのは2012年4月のことだから、間もなく4年目に入ることになる。初期モデルを購入した方の場合は、そろそろタイヤ交換を検討し始めても不思議はない。 ご存知の方も多いと思うが、これまでのBクラスの純正装着タイヤはランフラットタイヤ。これはパンクしても一定以上の速度と距離を走れる優れモノだ。 しかしデメリットもあって、空気が抜けても走れる分、サイドウォールが極めて硬い構造を持つ。このためにタイヤ自体のバネ効果も硬くなり、乗り心地に悪影響を及ぼす。端的にいえば、乗り心地はカタくなってしまう。 あえてノーマルタイヤから履き替えてみたそもそもBクラスの初期モデルは、スポーティな走り味を重視したためか、リアサスペンションを硬めの設定としていた。そこにランフラットタイヤという組み合わせだっただけに、とくに後席に座ると、かなりハードな乗り味に感じたものだ。結構キツい衝撃が入ってくることもあった。 メルセデスもその辺りを気にしていたのか、先日のMCでは純正装着タイヤをランフラットタイヤからノーマルタイヤへと変更し、さらに細かいチューニングを見直すことで、しなやかな乗り味を手に入れている。 しかし今回は、あえて「ピレリ P ZERO」のランフラットタイヤに履き替えて、その乗り味走り味をチェックした。その理由は後述するが、まずはインプレッションを報告していこう。 ランフラットタイヤであるにもかかわらず今回の試乗車である「B 250 4MATIC Sports」に履かせた「ピレリ P ZERO」のランフラットタイヤは、225/40R18サイズ。ハイト系コンパクトとしては、ハイスペックな大径タイプといってよいだろう。 それにも関わらず、路面の荒れたところや段差、継ぎ目などに端を発する衝撃を実にうまくいなしている。それはMCで改良されたBクラスのサスペンション性能だけでなく、やはりタイヤとのマッチングによるものである。 僕はこのBクラスと同じプラットフォームを持つ様々なモデルにも乗っており、それは当然Bクラスよりもサスペンションが進化しているわけだが、そうしたモデルと比べても負けないどころか、ある意味、快適性では最新モデルを凌駕するレベルにあると感じるほどだったのだ。 ランフラットタイヤであるにもかかわらず、である。 真骨頂はスポーティな走りしかしこれだけ乗り心地に優れていると、通常ならばステアリングフィールに頼りなさを感じてもおかしくない。 だが、「ピレリ P ZERO」のランフラットタイヤは、路面をピタリと捉える上にしっかり感も高く、スポーティな顔を垣間見せてくれたのだった。むしろ、これこそ「P ZERO」の真骨頂なのだろう。 これまで様々なメーカーのランフラットタイヤを試しているが、今回のP ZEROには驚かされた。正直これまでピレリ=ランフラットタイヤのイメージが無かっただけに、その驚きも大きなものだった。 しなやかな走りと安心感を両立今回は足回りをリチューンし、さらにノーマルタイヤを履く最新Bクラスからの履き替えにも関わらず好印象だったのだから、おそらく履き替えた時のフィーリングの“差”としては、初期モデルのBクラスの方が大きいだろう。 次回のリプレイスで「ピレリ P ZERO」のランフラットタイヤに履き替えれば、これまでの走りの印象は大きく変わるだろうと容易に予測できる。「タイヤで走りは変わる」という事実を強く実感するはずだ。 そしてもちろんBクラスだけでなく、他のランフラットタイヤ装着車に乗っていて、もうすぐタイヤを履き替える…という方にも「P ZERO」はオススメできる。BMWなどもランフラット採用車が多いので、乗り心地が気になっている方はリプレイスを検討してみる価値ありだ。 いざパンクしたときにもある程度の距離を走れるランフラットタイヤは、やはり安心感や利便性の面で捨てがたい魅力を持っている。「ランフラットタイヤでも、しなやかな走りを手に入れられる」、それが今回のテストで得た結論だ。 スペック概要【 PIRELLI P ZERO RUNFLAT 】 |
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