WR-Vの最安グレード「X」に試乗してみた「クルマは道具。コスパと使い勝手のいいモデルこそ買い!」がモットーなみなさんこんにちは。そんなリアリストならきっと注目しているはずの「ホンダ WR-V」の、最も安い「X」(209万8800円)に試乗したので軽くご報告です。 「WR-V」は全グレードが200万円~250万円以下におさまるBセグメントのコンパクトSUV。同門のコンパクトSUV「ヴェゼル」(264万8800円~377万6300円)と車高以外は似たようなサイズ感になっています。 ・WR-V|全長×全幅×全高|4325×1790×1650mm >>フォトギャラリーでWR-Vとヴェゼルを見る 価格を抑えるため、エンジンは1.5L直4ガソリン(118ps/142Nm)のみ、駆動方式もFWDのみの割り切った設定。スペックはヴェゼルのガソリンモデル「G」(4WD)と共通ですが、ヴェゼルの主力であるフルハイブリッド(e:HEV)は131ps/253NmでWR-Vを上回ります。WLTC燃費もWR-Vの16.4km/Lに対してヴェゼルのハイブリッドは26.0km/L(FWDモデル)と大きくリード。 >>「ヴェゼル」の改良モデルは乗り心地も走りも「WR-V」と別モノ。納期も改善 都心~御殿場間を燃費は気にせず流れに乗って往復したところ往路が12.5km/L、復路が13.6km/Lとモード燃費の8割前後でした。ボクシーで背丈もあるデザインなので燃費の伸びは期待しないほうがいいかもしれません。 ・・・と、やや幸先の悪いスタートとなりましたが、このクルマの見どころは価格の安さもさることながら、現代のクルマではちょっと珍しい“スッピン感”にありそう。一体どのへんがそうなのか、サクッと説明して参ります! (次のページはインテリアを中心に解説) >>WR-Vの公式画像や価格情報はこちら 先進装備は充実だがある種の割り切りもあるまずは乗りこんだ感じの視界がスッキリ。高めの座面に加えて、シンプルで水平基調なダッシュボード越しに見下ろすエンジンフードがスクエアな形状で、車両感覚がつかみやすいです。ボクシーなデザインのお陰で後席や荷室もサイズを超えた余裕があります。 これまた見た目が質素なシートはヴェゼルのように座った瞬間から上質感があるわけではないものの、サポートは適切で2日間の使用で不満な点はなし。ステアリングはテレスコピック機能が付き、自然なポジションを取ることができました。 ただし雰囲気は質素というか、ハード樹脂のシボやスイッチの質感はビジネス向けモデルのようにあっさり。ステアリングやATセレクターはウレタンで(ZとZ+は本革)、サイドブレーキは機械式、シートは素っ気ないデザインのファブリック、後席センターアームレストも備わりません。質感や雰囲気を気にするユーザーであれば、このあたりでXグレードを検討から外すのが賢明です。 >>フォトギャラリーでWR-Vとヴェゼルを見る 一方、メーターやマルチインフォメーションディスプレイはデジタル化され視認性も良く、先進安全装備も豊富で、全車速追従タイプではないものの実用的なACCが備わります。フルオートエアコンも標準で後席にも空調吹き出し口が付くなど、基本的なアメニティは充分。USB(タイプA)は運転席と助手席に装備されています。 ちなみに試乗車にはフロアマットの他に、ドライブレコーダー(4万700円)、8インチディスプレイオーディオ(9万3500円)、発話型ETC車載器(2万7500円)など、最低限欲しいと思われるオプションが付いていましたが、それを加えても車両価格は233万6400円と250万円を切ります。 どうせならメタリックやパールのボディカラーではなくソリッドカラーが主体で、「ジムニー」のようなプレーンな道具感を押し出したデザインに振ったバージョンも見てみたい気がしますが、この辺りはもう一つの仕向け地であるインドの好みも反映されているのでしょう。 (次のページで最大の驚き、走りについて解説) >>「ヴェゼル」の改良モデルは乗り心地も走りも「WR-V」と別モノ。納期も改善 高性能でも高級でもないがプリミティブな楽しさがある印象的なのはハンドリング。滑らかとか上質ではないものの、操舵に対する反応がリニアで、一般道でも高速道路でも路面のインフォメーションが良く伝わります。 どちらかと言えば硬めの足回りもロールが適切で、車両の姿勢や前後左右の荷重を感じつつ、ステアリングやアクセルを調整する感覚が思いのほか新鮮。タイヤは16インチなので限界は知れていますが(ZとZ+は17インチ)、山道でも操作に対して素直にクルマが反応するのが印象に残りました。 1.5Lエンジンもフィールは普通ですが、自然なトルク感があり、マッチングの良いCVTが必要十分なパワーを引き出す感じ。Xグレードでもパドルシフトと3種のドライブモードは標準で、ホンダ最新のステップ制御を採用したCVTとの合わせ技でトルコンATのような自然な加速感を演出します。 どうやら下手に防音材や防振材、電子制御が奢られていない分(?)、素性の良いエンジンやトランスミッションや足回りの作動感が伝わり、ドライバーの頭の中でクルマの動きとシンクロして、謎にプリミティブな楽しさが増幅されているような気がいたします。 ただし、エンジン音やロードノイズなどの走行音もキャビンに遠慮なく入ってくる点は試乗でチェックしておきたい部分。ホンダによれば上位グレード(ZとZ+)はもう少し抑えられているそうなので、気になる場合はそちらも試乗したほうが良いでしょう。 >>フォトギャラリーでWR-Vとヴェゼルを見る というわけで結論です。意外にも“クルマという機械を操る原点”に触れた気になるのが、WR-V Xグレードの隠された魅力かも。コスパ重視で道具は使い倒す系のアクティブなリアリスト以外にも、下記のようなユーザーに向いていそうです。 一方、その思い切った割り切りから、やはり下記のような傾向のユーザーにはお勧めできません。 ・・・大胆な断捨離が思わぬキャラクターを引き出した感のあるWR-V。最後に悲報ですが、現在Xグレードは受注停止になっていて、再開は2025年になるかもしれないとのこと。販売店によれば原稿執筆時でZが2024年11月末~12月、Z+が11月~12月の納車となっているようです。 >>「ヴェゼル」の改良モデルは乗り心地も走りも「WR-V」と別モノ。納期も改善 <終わり> |
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