人気コンパクトSUVの〇と×をチェック!いま、日本の新車マーケットでもっともホットなジャンルといえばコンパクトSUV。運転しやすい小さな車体ながら、実用的な後席や荷室の広さなど優れたパッケージングのモデルが多く、手が届きやすいプライスも人気の理由です。 そしてコンパクトSUVのマーケットは、定番のトヨタ「ライズ」&ダイハツ「ロッキー」やトヨタ「ヤリスクロス」に加え、今年に入ってホンダ「WR-V」が加わり、さらにはもうすぐスズキ「フロンクス」が投入される予定。続々とニューカマーが登場する激戦区なのです。 そこで今回は、「〇と×」を明確にしつつ「●●な人はこれを買え!」とそれぞれのモデルがどんな人とマッチングがいいかまとめてみました。 ◎あわせて読みたい: エントリーは以下の6台。それぞれの価格は次の通りです。 <トヨタ ライズ&ダイハツ ロッキー> <トヨタ ヤリスクロス> <日産 キックス> <ホンダ WR-V> <ホンダ ヴェゼル> <スズキ フロンクス> >>人気コンパクトSUV6選を写真で見比べる ◎あわせて読みたい: ライズ&ロッキーは二度見レベルの低価格トップバッターはライズ&ロッキー。メーカーをまたいだそれら兄弟車の凄いところは、なんといっても価格。ベーシックグレードなら167万7000円(ロッキー)からと、ちょっと二度見するレベルです。 今どきこの価格帯は、軽自動車のエントリー価格ですよ。ハイブリッドの上位グレードだって230万円中盤で買えちゃうんだからスゴ過ぎる。 でも、それだけじゃなく実用的なパッケージングがお見事。全長は4mを切るコンパクトさでとっても運転しやすい上に、後席もラゲッジルームもしっかり確保している空間効率の高さはさすが(後席はヤリスクロスよりも広い……)。 開発を担当した(そして生産も担当している)のはダイハツですが、軽自動車作りのノウハウが生かされている感じですね。ここだけの話、トヨタにはこういう小型車の高効率パッケージングはあまり得意ではありません。また、ハイブリッドも選べるのもイマドキですね。 一方でマイナスポイントは、インテリアなどにちょっとチープな部分があること。たとえば樹脂の仕立てもそうだし、メーターやディスプレイオーディオのドットの粗さとか。このへんは価格と天秤にかけての“割り切り”でしょう。 というわけでロッキー&ライズのポイントは次の通りです。 〇リーズナブルな価格 車両価格(ライズ):171万7000円~233万8000円 どんな人とのマッチングがいいかと言えば、ズバリ、コスパと実用性に優れるコンパクトSUVを求める人。言い換えれば、“安いは正義”な人には相性抜群です。 >>人気コンパクトSUV6選を写真で見比べる ◎あわせて読みたい: トータルバランスに優れた安定のヤリスクロスそんなライズ&ロッキーと比べサイズも価格もひとまわり拡大しますが、ベーシックグレードなら190万7000円とアンダー200万円で攻めてきたのがトヨタのヤリスクロス。意外に安いじゃないですか。ライズに対しては“少しお兄さん”といったところですね。 ただ、車体が大きくなっている分だけライズに対して後席や荷室が広いかといえば、そうでもないのが面白いところ。ほかのライバルに対しても「広い」とは言えず、ここはマイナスポイントでしょう。 ただ、上位グレードだとリヤシートが4:2:4分割だったり、荷室床のボードが6:4分割だったりと妙に凝っていますね。 一方でライズ&ロッキーと比べインテリアの仕立てが良かったリ、操縦安定性が向上していたり、ハイブリッドだと抜群に燃費がいいのもアドバンテージ。上位グレードになると電動調整式の運転席や電動テールゲートを設定するなど、装備面でもライバルを抜きにかかっている印象です。「X」グレードを除きスマホのナビが使えるディスプレイオーディオが標準装備なのも見逃せないですね。 というわけでヤリスクロスのポイントは次の通りです。 〇ライバルよりも割安な価格 車両価格:190万7000円~315万6000円 コスパと装備や仕立てのバランスにこだわる人とのマッチングは良好。後席や荷室の広さよりもトータルバランスを重視する人と相性がいいでしょう。 >>人気コンパクトSUV6選を写真で見比べる ◎あわせて読みたい: 極端に購買層を選ぶキックス次は日産キックスにいきましょう。 パッケージングをみると後席も荷室も広くて使い勝手はいい(本当に広い!)のですが、価格面を見るとボトムの価格が他より高いのが気になるところです(まさかの300万円オーバー)。 その理由はパワートレイン。何を隠そう一般的なガソリン車の設定はなく、日本においてはハイブリッド専用モデルなのでした。最初からハイブリッド狙いの人には問題ないですが、価格重視でガソリン車狙いだとちょっと購入対象から外れてしまうかもしれませんね。 ただ、エンジンを発電機として使いモーターがすべての駆動力を生み出す日産のハイブリッド「e-POWER」は加速が気持ちいい! だからついつい虜になってしまう可能性があるので、試乗は心してかかってくださいね。デビュー当初は4WDの設定がありませんでしたが、いまは追加されているので降雪地域の人も安心です。 ただ、インテリアなど細かい部分でちょっとチープな感じが否めないのは正直にお伝えしておきましょう。購入時は要実車確認ですね。 というわけでキックスのポイントは次の通りです。 〇とっても加速が気持ちいいハイブリッド 車両価格:308万3300円~370万400円 実用的なパッケージングの“ハイブリッド車狙い”であればいい選択肢となるでしょう。しかし、純粋に「リーズナブルなコンパクトSUV」を探しているのであれば対象外になってしまうかもしれません。ただ、ライバルより爽快なe-POWERの加速を求めてキックスを買うというのもいい選択だと思います。 >>人気コンパクトSUV6選を写真で見比べる ◎あわせて読みたい: コスパ重視のWR-Vと仕立ての良いヴェゼルそれではホンダのニューカマーであるWR-Vはどうか? ホンダにはほぼ同じサイズのコンパクトSUV「ヴェゼル」もありますが、WR-Vがヴェゼルと異なるのはデザインだけではありません。後席空間はより広く、また荷室も拡大しています。後席と荷室の広さはクラストップレベルですね。 いっぽうでWR-Vはハイブリッドや4WDがなく、ヴェゼルと比べ車両価格がリーズナブルなのもポイント。ヴェゼルとWR-Vの2台で、より広い顧客をターゲットにしていると考えればいいでしょう。 そんなWR-Vのポイントは次の通りです。 〇ヴェゼルに比べると割安な車両価格 車両価格:209万8800円~248万9300円 4WDやハイブリッドはいらないから、とにかく実用性を重視してできるだけ安く購入したい……なんていう人にWR-Vは最適です。後席と荷室の広さを軸に考えれば、これだけの広さを持つコンパクトSUVのなかではもっとも手ごろな価格設定です。 あと、このクラスでは珍しくボンネットに厚みがある力強いデザインなので、そういうデザインが好みの人にもオススメですね。 ◎あわせて読みたい: では同じくホンダの人気車種ヴェゼルはどうでしょうか? これはWR-Vとの対比で考えるのがもっともキャラクターをとらえやすいでしょう。WR-Vにはないハイブリッドや4WDの設定があり、いっぽうで価格レンジは高め。実用性に関しては十分な広さの後席やラゲッジルームと言えるものの、絶対的な広さではWR-Vに譲ります。 また、内装の仕立ての上質さではWR-Vに比べ明らかに「車両価格の違い」が出ていますね。言うなれば「一つ上のクラス」という感じです。 というわけでヴェゼルのポイントです。 〇クラストップレベルではないが後席や荷室は広い 車両価格:264万8800円~377万6300円 サイズはコンパクトながら、仕立てのいいSUVが欲しい人にとってはいい選択となるでしょう。ただ、ガソリン車は4WDしか選択肢がなく車両価格は高めです。 >>人気コンパクトSUV6選を写真で見比べる ◎あわせて読みたい: スズキの新型フロンクスは台風の目になりそう最後は、もうすぐ発売予定のスズキ「フロンクス」。ちなみに筆者は実質的に市販モデルと変わらない“プロトタイプ”の実車確認と試乗を済ませたところです。 車体は小さいですね。全長4mに満たないから運転はしやすい。いっぽうでコンパクトかつクーペスタイル風ながら後席や荷室は十分に広くて実用的。パッケージングの秀逸さはちょっと驚くレベルです。 このあたりはライズ&ロッキー同様に、軽自動車作りで培ったスズキの“パッケージング力”が生かされていることを実感します。インテリアの仕立ても上質で、こだわりがヒシヒシ伝わってきますね。 パワートレインはマイルドハイブリッドのみで、ストロングハイブリッドのような燃費の良さはありませんが、スズキだけに一般的なガソリン車と比べると良好な燃費です。4WDも選べますよ。 問題は価格。FFで250万円強と価格は高いようにも感じられますよね。でも、ナビまで装備する最上級グレードのみの設定で、フル装備車の価格と考えれば納得です。何気に強力な刺客です。 というわけでフロンクスのポイントは次の通り。 〇車体が小さく運転しやすい 車両価格:250万円強~275万円程度(※筆者予測) そんなフロンクスは「小さくて上質でコスパのいいコンパクトSUVが欲しい」という欲張りな人と最高にマッチングがいいでしょう。台風の目となりそうな予感です。 ◎あわせて読みたい: こうしてコンパクトSUVを並べてみて思うのは、同じように見えてやっぱり各車それぞれ違いがあるということ。 後席や荷室の広さに考え方の違いがあるし、4WDやハイブリッドを用意するのも考え方次第。インテリアが多少チープでも車両価格を下げるのか、それとも質感を高めて価格も少し上げるのかというのも開発陣の判断が分かれるところでしょう。 面白いのは、「割安」を謳うWR-Vと比べてもライズ&ロッキー、そしてヤリスクロスといったトヨタ(&ダイハツ)勢には価格的アドバンテージがあること。トヨタ凄いなぁ。 いっぽうでWR-V同様にインドからの輸入車として「割安感」をイメージさせるフロンクスですが、予想される車両価格だけを見るとそんなに安くない。でも最上級グレードのみの導入で、オプションだと20万円以上するナビも標準装備と考えれば納得の価格です。これもある意味凄い。 というわけで百花繚乱のコンパクトSUVマーケット。あなたはどれを選びますか? (終わり) >>人気コンパクトSUV6選を写真で見比べる ◎あわせて読みたい: |
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