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ポルシェ マカン試乗、完璧への飽くなき挑戦

2015-3-2 15:25| post: biteme| view: 904| コメント: 0|著者: 文:岡崎 五朗/写真:篠原 晃一

摘要: カイエンの弟分と考えるのは大間違い 発売前には「ベイビーカイエン」という異名をとっていたマカン。事実、カイエンよりボディサイズはひとまわり小さいし、価格もグッと抑えられている。けれど、のっけから核心的 ...

ポルシェ マカン試乗、完璧への飽くなき挑戦

カイエンの弟分と考えるのは大間違い

発売前には「ベイビーカイエン」という異名をとっていたマカン。事実、カイエンよりボディサイズはひとまわり小さいし、価格もグッと抑えられている。けれど、のっけから核心的なことを言ってしまえば、カイエンの弟分とか、ましてやカイエンより格下のモデルと考えるのは大間違いである。ケイマン/ボクスターが911にはない魅力を備えているのと同じように、マカンにもまたカイエンにはない魅力がぎっしりと詰まっているからだ。

それをもっとも端的に示しているのが「ポルシェの情熱とDNAが脈打つSUVのスポーツカー」というキャッチフレーズである。たとえSUVであっても、そこには脈々と受け継がれてきたスポーツカーメーカーの雄たるポルシェの思想が濃密に反映されているということだ。

スペックからも同じことが読み取れる。全長4680×全幅1925×全高1625mmというボディサイズは、カイエンと比べると165mm短く、15mm狭く、85mm低い。と書いてもピンとこないので表現を変えると、全長が3.5%短くなったのに対し、全幅減少は1%未満、全高にいたっては5%以上低くなっている。つまり、単にカイエンより小さいのではなく、よりワイドに、より低いフォルムをもっているのがマカンというわけだ。

重量にしても、2.1トン超えのカイエンに対し、マカンは1830kg~1980kgと全車2トン切り。スポーツカーにとって重量と重心高と縦横比(厳密にはホイールベース/トレッド比)は命のようなもの。ポルシェがマカンを「SUVのスポーツカー」と謳うのには、こんな背景がある。

911へのオマージュがあるルックス

マカンのルックスは、うっとりするとか、ドキドキさせてくれるような魅惑的なものではない、と思う。たとえばレンジローバー・イヴォークのような強烈なインパクトはない。それでも強く心惹かれるのは、そこにポルシェ一族の血脈を強く感じられるからだ。

丸みを帯びたフロントエンド、特徴的なヘッドライトから続くフロントフェンダーの峰、グッと張った肩、後端にいくにしたがって落ち込んでいくルーフライン、豊かなリアフェンダー、そしてもちろん全体的な低さなど、あちこちに911へのオマージュがある。ポルシェらしさ、あるいは911的という観点から眺めれば、カイエンよりはるかに上。だからカッコよく見えるというのも変な話だが、それがブランド力というものである。

ポルシェ共通の美点を受け継ぐインテリア

インテリアもポルシェらしさ全開だ。多くのスイッチが並んだセンターコンソールや、液晶を巧みに組み合わせた視認性の高いメーターパネル、抜群の操舵フィールをもつステアリングホイールなど、他のポルシェに共通する特徴や美点をきっちり受け継いでいる。

それにも増して魅力を感じたのが全体の質感だ。ダッシュボードやドアトリム、シート、エアコン吹き出し口等々、細かい部分から大きなパーツに至るまで目を皿のようにしてチェックしても、安っぽい部分を見つけることはできなかった。カイエンより上質だと思う。唯一残念なのは後付け感たっぷりの純正ナビ。本国仕様のようにきれいにビルトインされれば完璧だ。

キャビンスペースは大人4人にとって十分。ラゲッジスペース(500~1500L)も広い。家族4人で気合いの入ったお泊まりキャンプとなるとさすがに不足感も出てくるだろうが、スキー等を含めた日常ユースプラスαの用途にはしっかりと対応してくれる。

魅力的なプライシング ラインナップは3種類

2L 直4ターボ(237ps/350Nm)を積む「マカン」に加え、3L V6ターボ(340ps/460Nm)の「マカンS」、そして3.6L V6ターボ(400ps/500Nm)の「マカンターボ」を用意する。

価格はそれぞれ616万円、719万円、997万円。616万円~というプライシングはちょっと考えられないぐらいに魅力的だ。600万円台でお買い得だって? と反論したくなる人もいるだろう。が、コンポーネントの一部を共有するアウディQ5のスターティングプライスが627万円と言えば、おっ? と思うのではないだろうか。

直4はアウディ製だが、V6はポルシェ製。後述するが直4にもポルシェの手が入っている。加えて、4WDシステムは電子制御式油圧多板クラッチを使ったポルシェ独自のPTM(ポルシェ・トラクション・マネージメントシステム)に、トランスミッションはトルコンATではなく7速PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)へと換装。その他、ボディやサスペンション、ステアリングなど、ありとあらゆる部分に「ポルシェ基準」を満たすための改良が施されている。

ポルシェ基準=らしさとは?

ではその「ポルシェ基準」とはなんなのか? 百聞は一見にしかず。走り出すと、わずか10メートルで、ああなるほどねと思った。とにかく足がスムースに動くのだ。目指したのがSUVのスポーツカーだけに、バネもダンパーも決してソフトではない。にもかかわらず、歩くような速度でも路面のわずかな凹凸やうねりに対してサスペンションがしなやかに動いていることが手に取るように伝わってくる。駐車場から車道に出る小さな段差をトンッと降りたときの滑らかな感触などはもう鳥肌モノである。

スポーツカー並みの走りを目指して磨き上げた足回りだが、その課程で得た精度の高いサスペンションと高剛性ボディは、街中でも乗る者を感動させる質の高い乗り味を生みだした。そしてこの部分こそが、911やケイマン/ボクスターにも共通するポルシェ基準=らしさなのだ。

日常と非日常を高い次元で両立

もちろん、速度を上げれば上げるほど路面にピタリと吸い付く直進安定性や、ワインディングロードでの正確無比なフットワークなど、パフォーマンスを解き放てば解き放つほどに畏敬の念を抱かせるのがポルシェだ。僕はマカンでサーキットも走ったが、その走りはまさにスポーツカーそのものだった。

けれど、ほとんどのユーザーにとって重要なのは日常域での気持ちよさや楽しさ。そこで非凡な実力を示しつつ、非日常域でのパフォーマンスにも一切の妥協がない。そんな日常と非日常の高い次元での両立に、僕はポルシェの「クルマはかくあるべし」という強い意思を感じる。

スポーティーにしたら街中での乗り心地が悪くなってしまいましたとか、街中での乗り心地を重視したら高速でヘロヘロになってしまいました、などという「言い訳」は一切なし。そこにあるのは完璧への飽くなき挑戦。そんなクルマが616万円で手に入るのだ。金額の絶対値はともかく、コストパフォーマンスの高さは抜群である。

モデル選びが悩ましい

ここまで読んでマカンのことが気になりはじめた人がいたら、僕にとってそれは光栄なことだ。というのも、自分自身、マカンが欲しくて欲しくてたまらない状態だから。誰かに気持ちが伝わり、それを共有してもらえるのはとても嬉しいことである。

さて、マカンを買うとして、いちばん悩むのがモデル選びだろう。ただし、値段が飛び抜けて高いマカンターボは、カネには糸目を付けず高いパフォーマンスを手に入れたいという少数派のための特別なモデルであり、普通はマカンかマカンSで悩むと思う。

両車の価格差は103万円。標準装備品の違いを考えると、実質的な価格差は100万円を切る。それでいて片やアウディ製の2L 直4、片やポルシェ製の3L V6とくれば、どうせならマカンSがいいなと考える人が多いのは頷ける。売るとき(値落ちが少ないのもポルシェの魅力だ)の価格差まで考慮に入れれば、マカンSの優位性はさらに高くなる。事実、販売台数がもっとも多いのもマカンSだという。

日本で乗ることを考えれば……結論

とはいえ、マカンに乗ってみて抱いたのは、2L 直4でも十分だな、という意外な感想だった。スムースさ、サウンド、実用域でのトルクの厚み、トップエンドの伸びきり感、絶対的な動力性能といった多くの点で、僕がマカンに期待する水準をきっちりとクリアしていた。優れた基本を作ったアウディにも拍手を送りたいが、それをベースにここまで仕上げてきたチューニング技術はさすがポルシェ。アウディQ5のエンジンとは別物、とまでは言わないが、より緻密で芯の通ったフィーリングは、ポルシェのバッジに相応しいものだった。つづら折りのワインディングでは4気筒ならではの鼻先の軽さもプラス要素になる。

マカンSに乗り換えると、当然ながら全体的なトルクに厚みがあるし、エンジンの回転フィールもより硬質になる。フルスロットルを与えたときのダッシュ力も明らかに上だ。しかし、マカンの4気筒の出来がいいだけに、ざっと100万円差に見合うが差があるかと問われると、うーんと唸ってしまう。ドイツに住んでいてアウトバーンを日常的に走るのならエンジンに投資をする価値は大いにあるが、少なくとも日本で乗る分には、マカンでも十分満足できるというのが僕の結論だ。

欠点らしい欠点と言えば納車待ちの長さ(約1年間)だったが、本社との間で日本への割り当て台数の積み増し交渉に成功し、現在は3~4ヶ月で手に入るという。誰かに背中を押されたらハンコを押しちゃいそうな気分である。

主要スペック

【 マカン 】
全長×全幅×全高=4680×1925×1625mm
ホイールベース=2805mm
駆動方式=4WD
車両重量=1830kg
エンジン=2.0リッター直列4気筒DOHC・ターボ
最高出力=237ps/5000-6800rpm
最大トルク=350Nm/1500-4500rpm
トランスミッション=7速PDK
0-100km/h加速=6.9秒(6.8秒・スポーツクロノパッケージ装着時)
タイヤサイズ=前:235/60R18/後:255/55R18
車両本体価格=616万円

【 マカン S 】
全長×全幅×全高=4680×1925×1625mm
ホイールベース=2805mm
駆動方式=4WD
車両重量=1920kg
エンジン=3.0リッターV型6気筒DOHC・ツインターボ
最高出力=340ps/5500-6500rpm
最大トルク=460Nm/1450-5000rpm
トランスミッション=7速PDK
0-100km/h加速=5.4秒(5.2秒・スポーツクロノパッケージ装着時)
タイヤサイズ=前:235/60R18/後:255/55R18
車両本体価格=719万円


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