フロンクスとWR-Vを比べてみたスズキが7月1日にサイト上で先行公開したコンパクトSUVの「フロンクス」。今年4月のインドでの発売を皮切りに、中南米や中近東、アフリカなどにも展開されるスズキ渾身のグローバルカーです。 クローズドコースではあるもののすでに試乗会も開催されており、ジャーナリストやメディアからの評価は上々のご様子。激戦のコンパクトSUVに投入される新型モデルということもあり、読者諸兄も気になる存在ではないでしょうか? フロンクスの日本での発売は今秋なのでまだ情報は限られますが、今回は今年3月に発売となった同じくインド生まれの高コスパSUV、ホンダ「WR-V」とフロンクスを色々と比べてみようと思います。 >>フロンクスとWR-Vを写真で見比べる ◎あわせて読みたい: 使い勝手はWR-Vの方が上かまずはボディサイズから。フロンクスの日本仕様のスペックはまだ非公開のためインド仕様のサイズと比較してみます。 <全長×全幅×全高> WR-Vの方が一回り大きいものの、どちらも取り回しに困るサイズではありません。しかし、注目は全高です。フロンクスは機械式パーキングに収まる1550mmなのがポイント。グローバルカーでありながらこの数値に収めてきたあたりにスズキの良心を感じます。 この低い全高はフロンクスのスタイリングにも現れており、ボクシーでSUVらしさを強調するWR-Vに対し、都会にもマッチしそうな流麗なクーペルックのフロンクス、という棲み分けになっています。 >>フロンクスとWR-Vを写真で見比べる 一方、低い全高は車内空間に少なからず影響を及ぼしており、コンパクトSUVとは思えないほど広々とした車内のWR-Vに対し、フロンクスの後席はやや圧迫感を感じそう。2人で乗ることが多ければあまり気にならないですが、後席に人を乗せる機会が多いユーザーは購入前にチェックした方が良さそうです。 また、WR-Vはクラストップレベルの大容量ラゲッジ(458L)を謳っており、ラゲッジスペースはWR-Vに軍配が上がります。大は小を兼ねるという意味で、車内の使い勝手はWR-Vの方が勝りそうです。 デザインは好みなのでどちらが良い悪いはありませんが、筆者的には、フロンクスのややクセがあるデザインは、見慣れてくるとどこか“おフランス”の香りも感じられなかなか絶妙ではないかと思いはじめました。一方WR-Vのタフ感溢れるスクエアなスタイリングも非常に良くまとまっており、どちらもチープ感は感じなさそうです。 ◎あわせて読みたい: フロンクスは全車Mハイブリッド&四駆も続いてパワートレインです。フロンクスのスペックはまだ非公開ながら、どちらも1.5Lエンジンを搭載しており、パワーに関して大差はなさそうです。 <パワートレイン> 猫も杓子も電動化の時代にあって、WR-Vには電動化の“での字”もありません。潔いとも言えますが、おかげで後述する低価格を実現できているのかも。同じ排気量ながらマイルドハイブリッドを搭載するフロンクスが、どれだけ燃費で上回れるかにも注目です。 またフロンクスは、このクラスとしては珍しくCVTではなく6速ATを採用しているのもポイント。スズキはフロンクスで運転する楽しさも追求しているとのことで、CVTの“ラバーバンドフィール”が苦手な御仁には朗報ですが、WR-Vはステップシフト制御が入っているので、フィーリングの面で大差はなさそうです。 >>フロンクスとWR-Vを写真で見比べる 走りの面で両者最大の違いとなるのが、フロンクスには4WDがラインアップされる点です。 舗装路が全国津々浦々まで整備されている日本とて、雪国など4WDが必需品である地域は一定数あります。日本向けにわざわざ4WDをラインアップしてくるあたりに、田舎(失礼!)に強力な販売網を築く“スズキらしさ”を感じます。 いずれにせよ、パワーや燃費などに結論を出すのは、正式スペックが発表されるまで様子を見た方がいいでしょう。 ◎あわせて読みたい: フロンクスの予想価格は? 装備を鑑みると差は小さい?最後に装備と価格です。 フロンクスは、「デュアルセンサーブレーキサポートII」や電動パーキングブレーキの採用により、全車速追従式&停止保持機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)を搭載し、車線維持支援機能(LKA)も装備するなど、スズキの先進安全装備の最新スペックを余すことなく載せてきた印象です。 一方でWR-Vは「Honda SENSING」を搭載するものの、30km/h以上ではACCがキャンセルされる旧世代のものです。筆者的には、高速道路での渋滞時など「ACCが欲しい!」と思う時に使えないもどかしさを感じてしまうので、装備に関してはフロンクスが一歩リードといったところでしょうか。 また、フロンクスは9インチナビが標準装備なのに対し、WR-Vはナビレス仕様なので必要なユーザーはオプションで装着する必要があります。「ナビはスマホで十分!」と割り切ればコストを抑えられますが、ナビは必須と考えるならこの辺りも予算に組み込んでおく必要があります。 >>フロンクスとWR-Vを写真で見比べる フロンクスの正式価格はまだオープンになっていませんが、各所の情報を総合しつつ期待感を込めて見積もると、FFモデルで250万円前後、4WDモデルで280万円前後といったところでしょうか。 一方のWR-Vの各グレードの価格は以下の通り。 <WR-V> 「コスパ、コスパ」と言われていますが、WR-Vも「これで十分」という最低限の装備は付いていますし、クルマの値段がどんどんと上がる中、色々と割り切ることで200万円前半という価格を実現してきた点は賞賛に値します。むしろ高機能化・高価格化が進む現代車へのアンチテーゼと言ってもいいかもしれません。 しかしながらフロンクスも、(前述の予想価格通りになれば)WR-Vの売れ筋「Zグレード」にナビを付けるとそこまで大きな価格差は見られなくなるのは、スズキの面目躍如と言ったところでしょう。 いかがだったでしょうか? 最後は「何を重視するか」に尽きてしまいますが、フロンクスというまた1つ気になる存在が現れたという点で、激戦のコンパクトSUVマーケットがますますの盛り上がりを見せそうです。 (終わり) ◎あわせて読みたい: |
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