6つの次世代パワーユニット2024年5月、「SUBARU・マツダ・トヨタ、脱炭素へエンジンで"共創"と"競争"」というワークショップが開催されました。 すでに多くのメディアで報じられているように、このワークショップではトヨタから3種類の4気筒エンジン、マツダから次世代ロータリーEVシステム、そしてスバルからボクサーエンジンのシリーズ・パラレルハイブリッドが発表されています。 >>話題の三者三様パワートレーンが搭載されそうなモデルを見る BEV一辺倒の流れが減速している中で、まだまだ内燃機関(エンジン)がカーボンニュートラルへ貢献できるという強い意思表示を感じたという方も多いのではないでしょうか。 あらためて各社の発表したテクノロジーを箇条書きにすると、以下のようになります。 トヨタ マツダ スバル 筆者の個人的な印象でいえば、もっとも意外性があったのはトヨタの1.5L“4気筒”エンジンでした。 逆に、もっとも想定内だったのはスバルの次世代e-BOXERです。 >>【600万円超え】久々の高級ワゴン「クラウンエステート」が北米価格発表。新画像と日本発売情報も >>【マツダが明言】本当だった次期「CX-5」計画! ハイブリッドはTHSのマツダチューン版が濃厚 >>気なるところ多少あれど…スバルの頂点「レガシィ アウトバック」はとにかく快適だった スバルの次世代HV第1号は新型フォレスターに期待“ボクサーエンジン”の愛称で知られる水平対向エンジンは、国内向けにはマイルドハイブリッド仕様しか存在していません。 しかし、北米ではエンジンを発電と駆動の両方に利用するシリーズ・パラレルハイブリッドのプラグインハイブリッドカーが販売されたこともあります。 実験的な販売でしたが、シリーズ・パラレルハイブリッドの知見を深めていたスバルとしては、満を持して世に問うことになります。 ちなみに、このハイブリッドシステムの駆動ユニットの生産は埼玉県にある北本工場で今秋に始めることもあわせて発表されています。 生産開始のタイミングを考えると年内にはスバルからシリーズ・パラレルハイブリッドを搭載したニューモデルが登場することでしょう。 同タイミングでのフルモデルチェンジが予想されている「フォレスター」への搭載が期待されますが、スバルのパワーユニットは水平展開が進む印象がありますので、比較的早い段階で「クロストレック」や「レガシィアウトバック」などのSUVモデルが次世代e-BOXERを搭載するかもしれません。 >>話題の三者三様パワートレーンが搭載されそうなモデルを見る いずれにしても、カーボンニュートラル云々の前に現行のマイルドハイブリッドでは経済性(燃費性能)において他社に差をつけられている印象がありますから、すばやく次世代e-BOXERを展開することでスバルに省燃費なブランドイメージを確立することが期待されます。 >>モデル末期のスバル「フォレスター STIスポーツ」 買うなら新型を待つべき? 【スバル フォレスター】>【クルクル動かせる!】360ビューはこちら >【クルクル動かせる!】360ビューはこちら マツダのロータリーEVはCX-30や60も有望マツダのロータリーEVシステムに横置きと縦置きの2パターンが用意されていることは、フルラインナップへの拡大を期待させます。 現時点では、クーペSUVモデル「MX-30」に横置きの1ローター・ロータリーエンジンを積んだプラグインハイブリッドを用意しているのみですが、より進化した1ローター・ロータリーEVが生産性やコスト面、そして燃費性能という最大の課題をクリアしているのであれば、「CX-30」や「マツダ3」など横置きプラットフォームのモデル群への展開が想像できるからです。 縦置きプラットフォームに対応する2ローター・ロータリーEVシステムは既存モデルであれば「CX-60」などマツダがいうところのラージ商品群に搭載することが可能でしょう。 もちろん、その先には2023年のジャパンモビリティショーにて大いに話題を集めた「アイコニックSP」が示したロータリースポーツカーの復活につがなることを期待したいものです。 >>話題の三者三様パワートレーンが搭載されそうなモデルを見る >>マツダがMX-30で11年ぶりにロータリーエンジンを復活させたワケ 【マツダ MX-30 EVモデル】>価格やスペックはこちら >【クルクル動かせる!】360ビューはこちら トヨタの1.5L 4気筒HVはノアヴォクにも有望トヨタが発表した3種類の4気筒エンジンは非常にチャレンジングです。 そもそも1.5Lを4気筒にするという判断からして“レスシリンダー(気筒数を減らしてエネルギー効率を高める)”というトレンドに逆行しているようにも思えます。 もっとも、トヨタの発表によれば既存エンジンに対して体積・全高とも10%減にできるそうで、たとえば前面投影面積の減少による燃費性能向上が期待できるというメリットが想像できます。 展示された1.5L自然吸気エンジンにはハイブリッドユニットが組み合わされているようでしたから、こちらは次世代のハイブリッドカー・プラグインハイブリッドカーに搭載されるのでしょう。 たとえば、現行で1.8L 4気筒ハイブリッドシステムを積んでいる「ノア」/「ヴォクシー」のパワートレインをダウンサイジングすることで、さらなる経済性を実現するとなれば、商品力アップにつながりそうです。 >>話題の三者三様パワートレーンが搭載されそうなモデルを見る >>【267万円】売れてるミドルサイズミニバン「ノア」の最安グレード“ガソリンのX”はアリかナシか? 【トヨタ ノア】>【クルクル動かせる!】360ビューはこちら >【クルクル動かせる!】360ビューはこちら アルヴェルの1.5Lターボも夢じゃない1.5L 4気筒ターボエンジンは、2.5L自然吸気エンジンのダウンサイジング過給ユニットという位置づけで、2.5Lエンジン比で体積が20%減、全高が15%減になるといいます。 ターボ過給によるトルクで、重量物をけん引するような車両にも対応できるというセールスポイントからすると、東南アジア向けの商用モデルへの搭載がイメージされます。 また、国内でいうと「アルファード」/「ヴェルファイア」の2.5L自然吸気エンジンを置き換えるエンジンとなるかもしれません。 >>話題の三者三様パワートレーンが搭載されそうなモデルを見る >>アルファードにお手頃グレード、ヴェルファイアに最上級PHEV追加の噂。5~6月発売が濃厚 【アルファード】>【クルクル動かせる!】360ビューはこちら >【クルクル動かせる!】360ビューはこちら 2.0Lターボはハイラックス~スープラまでカバー最後に紹介するのは2.4Lターボエンジンのダウンサイジングとなる新開発2.0Lターボエンジン。 こちらも体積・全高とも10%減が期待できる新骨格エンジンということで、よりエンジンベイをコンパクトにしてキャビンを広くしたり、衝突安全性を高めたりすることが期待できます。 トラックからスポーツカーまで幅広いモデルに対応できる2.0Lターボエンジンというアピールがありましたが、その文言は「ハイラックス」から「スープラまで」ということを意味しているのでしょうか。 「クラウン」などに積まれる2.4Lターボのハイパフォーマンス系ハイブリッドのエンジンとしても期待が高まるといえそうです。 >>話題の三者三様パワートレーンが搭載されそうなモデルを見る もっとも、どんなに燃焼効率を高めたとしても化石燃料を燃やすエンジンである限り二酸化炭素は排出します。 水素や人工ガソリンなどの代替燃料を使わない限り完全なカーボンニュートラルにはなり得ません。 はたして、次世代エンジンによるハイブリッドシステムは電気自動車などゼロエミッション車が普及するまでの“つなぎ”になるのか、それとも代替燃料の開発を同時進行することでカーボンニュートラル社会の切り札になるのか、今後の展開に注目です。 <終わり> >>ニッチだけど激アツ対決。新型「トライトン」と「ハイラックス」を比較、最適解はどっちだ? 【トヨタ スープラ】>【クルクル動かせる!】360ビューはこちら >価格やスペックはこちら <写真:トヨタ、マツダ、スバル> 終わり> |
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