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レースなんて誰も見てないじゃん! 大量のビール、お化け屋敷、フェス…ル・マン24hは楽しければ何でもアリなお祭りだった ...

2024-7-7 08:00| post: biteme| view: 568| コメント: 0|著者: 文:工藤 貴宏/写真:工藤 貴宏

摘要: 骨髄反射レベルで「行きます!」と即答 世界三大レースといえばアメリカの「インディ500」にモナコで開催される「モナコGP」、そしてフランスの「ル・マン24時間レース」というのがモータースポーツ界の一般常識と言 ...

レースなんて誰も見てないじゃん! 大量のビール、お化け屋敷、フェス…ル・マン24hは楽しければ何でもアリなお祭りだった

骨髄反射レベルで「行きます!」と即答

世界三大レースといえばアメリカの「インディ500」にモナコで開催される「モナコGP」、そしてフランスの「ル・マン24時間レース」というのがモータースポーツ界の一般常識と言われている。

自慢じゃないが、筆者はインディアナポリスまではるばるインディ500(の予選)を見に行ったことがあるし、一般公道であるモナコGPのコースを(レースとは全然関係ない日に)クルマで走ったこともある。ついでに言えばドイツの「ニュルブルクリンク24時間レース」だって現地で観戦した(こちらはリアルに観戦)。にわかレースファンながらも、ちょっとした海外レース通を気取っているのはここだけの話。

しかし、そんな筆者もこれまで「ル・マン」は未体験。そんな筆者に「ル・マンへ行ってみない?」という嬉しいお誘いが。迷う間もなく骨髄反射レベルで「行きます!」と返事をし、ついに先日、人生初のル・マン観戦に行ってまいりました。

出発の1週間くらい前から、遠足の前の小学生状態で夜もよく眠れなかったことをまず告白しておこう(なんとか現地へ仕事を持ち込まずに済むようにと寝る間も惜しんでブラックに働いていたのは内緒)。

というわけで、北極の上を回るフライトで到着したフランスの玄関口、シャルルドゴール空港。そこからル・マン24時間レースの舞台となるサルト・サーキットまではクルマでだいたい3時間くらいだ。

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レースというよりもお祭りな件

天気予報をチェックしていたので知っていたけど、現地は意外に寒い。日本の4月初めくらいの感覚だろうか。

それにしてもル・マンのレースは長い。決勝スタートは6月15日(土)の16時(現地時間)で、ゴールはその24時間後となる16日(日)の16時。だけど公式日程の最初となる公開車検は6月7日(金)から。なんとレース日程は一週間以上もあるのだ。

なぜそんなに長いのか? その答えは24時間レースが壮大なお祭りだからに尽きる。古今東西、伝統的で盛大なお祭りは開催期間が長いのが世の常だ。

しかもそのお祭りは、サーキット内だけに留まらない。

車検が行われるのはサーキットから離れたル・マン市街地の広場だし、予選後の金曜日はサーキット走行はお休みで、代わりに街中でのパレードがある(一方この日のサーキットはコースが開放され観客が自由に歩ける)。サーキットにとどまらず街をあげてのお祭りなのだ。

普通のレースの公式プログラムはF1だって金曜日、土曜日、そして日曜日の3日間。なのにル・マンは10日間もあるのだから普通じゃない。

だけど、時にはそんなレースもいいと思う。だってお祭りなのだから。散々盛り上がって長くたくさん楽しんだ者勝ちだ。戦うチームは大変だと思うけど……。

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ル・マン24時間博物館はマストでチェックしたい

大変といえば、ル・マンで面白いのは決勝だけでなくフリー走行も夜10時とか11時までの夜間走行枠があったり、「ハイパーポール」と呼ばれる予選上位車が出走してスターティンググリッドを決めるタイムアタックも夜8時から始まること。

そんなの日本国内レースではちょっとないから超新鮮だ。決勝だけでなく予選日だって夜中まで観客を休ませてくれないレースなのである(そのかわり朝の走行開始はゆっくり目)。

ちなみに、この時期のフランスは日本とは違って21時過ぎでも空は明るかったりする。というわけで、時差ボケの上に時間感覚までわからなくなるから要注意だ。

要注意といえば、サルト・サーキットは見るものが盛沢山。

まず欠かせないのは「ル・マン24時間博物館」で、101年の歴史をさかのぼって活躍した車両とかドライバーをたたえる施設。

「かつてはこんな貧相なクルマでレースしていたのか。絶対に乗りたくないな」なんて驚くもよし、テレビ中継で大活躍を目に焼き付けたレースカー(筆者ならポルシェ「959」とかマツダ「787B」あたり)の実車を見て感激するもよし、「最多優勝ドライバーは日本でも走っていたトム・クリステンセンなのか」なんて新たな知識を得るのもいいだろう。とにかく必見だ。そして、じっくり見ようと思えば1時間や2時間なんて簡単に奪われてしまうからご注意を。

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アルピーヌは新型ホットハッチA290を初公開

メーカーの出展も凄い。

フェラーリをはじめポルシェにBMWにランボルギーニ、そして地元プジョーやアルピーヌ。それぞれ24時間レースのためだけに立派なプレハブ施設を作り、ブランドをアピールするショールームに加え、ウェアを中心に魅力的な商品を売っている。サーキットのオフィシャルグッズもかなり人気だ。

注意しないといけないのは、決勝日になるとズラズラズラっと人が並んで店に入るだけでも相当な時間がかかるってこと。あと……円安がなんとも恨めしい。

今年のル・マン24時間レースでは予選日に、アルピーヌ「A290」という新型車のプレス発表会が大々的に行われたけれど、その後同社の仮設ショールームにはさっそくA290の展示が。ちなみにアルピーヌはショールームとは別に、「A110」の試乗のための巨大な建物も構えていた。最新のクルマに触れられるのもこういったお祭り……いやレースの楽しさだ。

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ちなみに今年は「水素ビレッジ」として水素に関する各メーカーのブースも並んでいた。ル・マンと水素にどんな関係が? と思う人もいるかもしれないけれど、実はル・マン24時間レースのトップカテゴリーは2028年から水素で走ることが決定済み。「水素はオワコン」なんて物知り顔で言う人もいるけれど、実は欧州における水素はレースも含めてこれからジワジワと広がりそうな気配だったりするのだ。

アルピーヌは決勝前にサーキットでデモランした水素エンジンのレースカー「アルペングロー」を飾り、トヨタも開発中の水素レーシングカー(のモックアップ)や「燃料電池のハイラックス」を展示していた。

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レースなんて誰も見てないじゃん!

そうそう、ル・マン24時間レースといえば定番の遊園地だってある。

大観覧車にお化け屋敷、そして水平にぐるぐる回って遠心力に弄ばれるアトラクションなどがあるんだけど、何を隠そう常設ではなく仮設式。あの大観覧車が仮設式なんてちょっと怖いなあ……なんて思わなくもないのは、たぶん日本人特有の心配性のせいだと思う。訪れている人は、みんな楽しそうに乗っていたので。

そんなサルト・サーキットだけど、なんだかんだ言ってもスタートはとても盛り上がる。

軍がヘリで優勝トロフィーを運んできたスタート前のセレモニーも面白かったし、グリッドウォークも信じられないくらいの人の数だった。だけどその後は……言葉を選ばずに言うと「レースなんて誰も見てないじゃん!」という感じ。レースが始まって1時間もすると、明らかにグランドスタンド周辺の観客が少なくなっている。

じゃあ何をやってるのか? メーカーの出展を見に行っている人もいるし、観覧車に乗って楽しんでいる人もいるけれど、驚くほどたくさんいるのが“飲んでる人”。サーキット内は、あちこちにオープンカフェみたいなビアバーがあり、お酒を楽しんでいるのだ。

しかも、飲む場所にレース中継をしているモニターがあればカワイイもので、大爆音のDJブースなんかも普通にある。おいおい、もはやレース関係ないじゃん!

でも「あれ?レースを見に来たんじゃないの?」なんて野暮なことを言ってはいけない。これはお祭り。楽しければ何でもアリなのだ。

そういえば予選日の帰り、シャトルバスに乗ろうとしたら、乗り場脇に夏フェスみたいな巨大なステージがあり、メチャメチャ多くの人(パッと見、数百人レベルどころじゃない)が集まって熱狂しているのを見かけた(時間は夜8時過ぎ)。サーキット内でフェスをやっているんだね……と思ったらそうじゃなかった。24時間レースに付随するイベントのひとつだったのだ。まだ予選日だよ!(ってそこか?)

このフェスは、連日夜まで大盛り上がり。っていうか、決勝レースをやっているときだって大勢の人人人で大盛況。おいみんな? レースを見に来たんじゃないのかい?

突然話は変わるけど、筆者が生まれ育ったのは田舎。だからお祭りになると親戚が家に遊びに来て宴会をするのがごく当たり前だった。なかには家の中で飲んでいるだけの大人もいて、子供心に「お祭り見ないの?」と思ったけれど、今ならその気持ちはわかる。お祭りはただの名目で、みんなで集まって飲んで盛り上がって楽しければそれでいいいのだ。

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レースを中心にイベントを楽しむ欧州の文化

ル・マン24時間レースだって同じこと。レースは集まるための名目に過ぎない。それぞれが楽しい時間を過ごせればそれでいんじゃないかと思う。たとえレースを真剣に見ていなくたって。

というかドイツのニュル24耐だってそうだもんね。スタート後はみんな酒を飲んで盛り上がっていて、多くの観客はレース展開なんて見てやいない。でもそれでいいんじゃないかと思う。楽しければ。

そんな欧州のレースを見て思うのは、日本でもレースに集中するだけでなく「レースを中心にイベントを楽しむ」という文化ができれば面白いんじゃないかってこと。素直にそう思う。肩ひじ張らないで、もっと気楽に楽しめばいいんじゃないだろうか。そんな雰囲気にもっとも近いのは、富士スピードウェイで行われるスーパー耐久の24時間レースだろうか。

話を戻すと、そんな誰もレースを真剣に見ていないル・マンだけど、ゴールはやっぱりグランドスタンドに人が戻ってきて勝者をたたえている。途中は見ていなくたって、結果はやっぱり大切みたいだ。

今年は残り3時間を切ってもトップ9台が同一周回という接戦となり、最初にチェッカーを受けたのは雨が降ったり止んだりの天気を味方につけたフェラーリだった。ゴール時の燃料残量はわずか2%。最後の1時間は運に味方されてのゴールで、雨でペースダウンして燃費が良くなるとともに走行距離が減ったのが効いた。

もしも「あと1周」があれば、燃料切れ(もしくは給油のためのピットストップ)でトヨタに抜かれていただろう。最後までトップ争いをしていたトヨタも速さと実力はあったものの、天候が味方してくれなかったり、他車に当てられたせいで遅れたりと運に恵まれなかったように思えた。最後の表彰式の紙吹雪も凄かったなあ。こういうのは日本ではちょっと見られないよね。

そして帰り道は、さっきまで閉鎖してサーキットの一部となりレーシングカーがオーバー300km/hで走っていた“公道”を通って(しかも逆走で!)サーキットを後にしたのもいい思い出。

さて、次はどの海外レースを見に行こうか。“25時間”と世界一走行時間が長いと自称している「サンダーヒル25時間レース」なんかを見に行くのも楽しいかも。

(終わり)

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