先行するサクラやeKよりバッテリー周りは高機能6月にホンダから登場した軽商用EV「N-VAN e:(エヌバン イー)」は、シングルシーター仕様やタンデム2シーター仕様を設定するなど、宅配業務に特化した商品企画が特徴です。 また、ビジネスシーンで真に“使える”性能を確保するために29.6kWhという大きな総電力量を持つバッテリーを積み、WLTCモードでの一充電航続距離は245kmを実現するなど軽EVでトップクラスの性能をもつことから、一般ユーザーからの注目も集めています。 6.0kWの普通充電に対応、急速充電も50kWクラスを受け入れるなど、「サクラ」や「eKクロスEV」などの軽乗用EVオーナーが羨む充電性能を備えていることも高評価の要因でしょう。 そして軽商用車でありながらレジャー・ホビー向け仕様の「FUN」グレードを用意していることも、一般ユーザーに注目されるポイントです。 ではN-VAN e:は、本当に一般ユーザーが使っても満足できるのでしょうか。 ここでは、ガソリンエンジン車の「N-VAN」と比べてみようと思います。 比較するのはN-VAN e:、N-VANともに「FUN」グレード。N-VAN e:のモーター最高出力が軽自動車自主規制値の64psに達していることを鑑み、エンジン車はガソリンターボ(同じく64ps)搭載グレードのスペックを参考にします。 >>日本の街に“EVバン”が大発生の予感! Nシリーズ初のEV「N-VAN e:」が発表される 【ホンダ N-VAN e:】>価格やスペックはこちら エンジン車との実質価格差は50万円以下まずは価格から比べてみましょう。 ・N-VAN e:FUN:291万9400円(FF) 価格差は103万6200円となっていますから、こまかく比較しなくともガソリンターボのほうがコスパに優れる…と思ってしまうかもしれませんが、N-VAN e:には最大55万円のCEV補助金が期待できます。 補助金を前提に考えると、価格差は48万6200円となります。レジャーユースの趣味クルマとしては許容範囲に入ってくるという検討層もいるかもしれません。 とはいえ、EVで気になるのは航続距離です。いくらN-VAN e:が軽EVとしては最長クラスといえる一充電航続距離245kmを達成しているといっても、エンジン車の航続距離はもっとありそうです。 エンジン車のN-VANターボの満タン航続距離を計算してみましょう。FFターボのWLTCモード燃費は18.8km/Lで、燃料タンク容量は27Lですから、単純計算で507.6kmという満タン航続距離が導けます。 軽自動車のなかでもN-VANは燃料タンクが小さめなこともあって、筆者はそれほど大きな差がついたという印象はなかったりしますが、それでも倍以上の差があり、検討ユーザーの判断は分かれそうです。 >>スズキ・ダイハツ・トヨタがBEV商用軽バンを発表。航続距離200km、発売は年度内 >>2024年は軽商用EVバン元年に。トヨタ連合vsホンダ、使いやすそうなのはどっち? 走りは低重心&大径タイヤのN-VAN e:が有利パフォーマンスに関わるスペックを整理してみましょう。 最高出力は前述したように両モデルとも47kWで共通ですが、最大トルクはN-VAN e:の162Nmに対してN-VANターボは104Nmとかなり劣ります。 ただし車両重量は、N-VANターボが970kgでN-VAN e:が1140kgとなっていますから、ガソリンエンジン車のほうが軽いぶんだけ、有利な面もありそうです。 もちろんN-VAN e:は車重増に対して、タイヤをインチアップすることでブレーキ性能アップを図るなど“止まる”性能についてネガが出ないようしっかり設計されています。 N-VAN e:の発売日は10月10日とまだ先の話で、乗り比べることができないのでスペックから想像するしかありませんが、一般論でいえばタイヤサイズが大きいほうがハンドリングに有利でしょう。 ましてN-VAN e:は床下に大容量バッテリーを積んでいることで重心も下がっていますからなおさらです。 なお、タイヤをサイズアップすると小回り性能に影響が出ることが多いのですが、N-VAN e:の最小回転半径は4.6mとN-VANと同じ値になっていますから、そうした点でも安心です。 >>【一人乗りもあります】配送からアウトドアまで ホンダの新商用バン「N-VAN e:」10月10日発売 【ホンダ N-VAN】>価格やスペックはこちら 軽乗用モデルと比べても充実した安全装備ところで、N-VAN e:は、外観イメージからガソリンエンジン車をEVにコンバージョンしただけのクルマと思われがちですが、インテリアは完全に別物といった雰囲気。 ドライバーの目前には7インチフル液晶メーター(N-VANはアナログ式)が確認できますし、シフト操作もホンダの上級ハイブリッドカーでおなじみのボタンで操作するタイプとなっています。 ドア内張りやラゲッジ壁面のトリムもコンテナをモチーフにしたオリジナルデザインで、BEVモデルとして差別化されています。 そして先進安全機能も注目です。N-VAN e:は軽商用車として初めてサイドカーテンエアバッグを標準装備しているほか、軽自動車として初めて「衝突後ブレーキシステム」を採用しています。 SRSエアバッグに連動してブレーキを作動させることで、ドライバーが意識を失うなど運転操作ができない状況での二次被害を軽減する効果が期待できる安全機能です。 また、N-VANは近距離の障害物を検知する超音波ソナーをリアに4個を備えるのみですが、N-VAN e:はリアに加えてフロントにも4個のソナーを備えています。 N-VAN e:は急速充電ポートを利用したV2H(緊急時などにEVのバッテリー電力を家庭に供給)機器に対応するなど、BEVならではのメリットも活かせるため、こうした運用に魅力を感じるユーザーもいるでしょう。 というわけで、N-VAN e:のBEVならではメリットが活かせるユーザーであれば、デジタルメーターや安全装備の充実といった装備差まで考慮すると、補助金適用後の50万円弱という価格差は吸収できるとも言えそうです。 <終わり> >>N-VANにアウトドア風「スタイルプラス ネイチャー」登場。商用バンのお洒落ホビー化が加速! 【ホンダ N-VAN+スタイル】>価格やスペックはこちら <写真:ホンダ> 終わり> |
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