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“想定外”が頻発する耐久の現場。技術開発に留まらない、トヨタが水素で挑戦するワケ【S耐富士24hレース】 ...

2024-6-2 08:00| post: biteme| view: 789| コメント: 0|著者: 文:編集部/写真:トヨタ、編集部

摘要: トヨタがS耐に水素で挑戦するワケ 5月24日から26日に「ENEOS スーパー耐久シリーズ 2024 Empowered by BRIDGESTONE 第2戦 NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース(以下、富士24時間レース)」が行われた。S耐は近年、日本 ...

“想定外”が頻発する耐久の現場。技術開発に留まらない、トヨタが水素で挑戦するワケ【S耐富士24hレース】

トヨタがS耐に水素で挑戦するワケ

5月24日から26日に「ENEOS スーパー耐久シリーズ 2024 Empowered by BRIDGESTONE 第2戦 NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース(以下、富士24時間レース)」が行われた。

S耐は近年、日本伝統の耐久レースとして、アマチュアの最高峰であるコンペティションという側面だけでなく、レースという極限の領域でクルマを開発する「走る実験室」の側面を強めている。

その走る実験室の最たる挑戦が、スーパー耐久機構が認めた開発車両で争われる「ST-Qクラス」の「液体水素カローラ(32号車)」だろう。

トヨタは2021年の富士24時間レースより「水素カローラ」を投入し、昨年は燃料を“気体”から“液体”へと変更した液体水素カローラで耐久レースを戦ってきた。

トヨタがこのカテゴリーに水素カローラを投入する目的は、同社が「仲間作り」と呼ぶように、水素技術の開発を聴衆の前でアピールすることが1つ。もう1つは、レースという極限状況の中で短期間かつスピーディ(=アジャイル)に開発を行うためだ。

当然ながらレースは開催日程が決まっており、クルマをレースまでに仕上げなければならない。しかも、長いスパンではなく約2ヶ月という短い期間で次のレースがやってくるため、否応なくスピードが要求される。

さらに、“想定外”が頻発するレース本番において、突発的なトラブルに素早く対処するためにエンジニアの“対応力”も鍛えられる。

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24年の進化のポイントは?

今回トヨタが行ってきたアップデートは主に3つ。水素に関連する技術は主に(1)と(2)。

(1)液体ポンプの耐久性の向上
(2)異形タンク採用による航続距離の向上
(3)CO2回収装置 工程切り替えの自動化

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(1)は、-253℃以下に冷やされた液体水素をエンジンへと送る燃料ポンプの改良だ。昨年の富士24時間レースでは、燃料ポンプの耐久性が足りず、レースにおいて計画的に2回ポンプを交換して戦い抜いた。

今回開発陣は「デュアル・ドライブ」という機構を採用。クランクに2つのギアを搭載することで負荷を分散し耐久性を向上させた。24時間無交換で走り切れる想定だが、様々な負荷がかかるレースにおいては未知数となる。

また、長年航続距離が課題だった水素カローラ。1充填あたりの平均周回数は21年10周、22年は12周、23年は15周(最終戦富士は20周)まで高めてきたが、実用レベルまではまだまだ先が遠いというのが現状だ。そこで今回は(2)の異形タンク採用することでタンク容量をアップ。容量を220L(+70L)へと向上させてきた。

前述の通り-253℃という極低温の液体水素を、真空二重層(いわゆる魔法瓶構造)にすることで断熱性を高め液体状態をキープするこのタンク。制作は新光産業(山口県)が行ったそうだが、円形から楕円形にするには高い溶接精度が求められ、レースまでの短い納期に間に合わせるなど、開発には苦労も多かったそうだ。

また、タンクサイズを変更したため、システム配置を再検討する必要があるなど、走る状態に仕上げるために短い期間の中でエンジニアは昼夜を徹して作業を行なったという。

目論見通りの結果にはならず

今回の富士24時間レースでは、“マッチ”こと近藤真彦氏がレーサーとして復帰し、液体水素カローラをドライブすることも話題となった。連日その活動がメディアに取り上げられ、スタート前のグリッドウォークでは人だかりができるなど、今まで馴染みのなかった層にも水素技術への挑戦が広まったことだろう。

技術があるだけでもダメ。カーボンニュートラル社会の実現に向け、メーカーだけでなくユーザーという「仲間作り」も欠かせないのである。

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肝心のレースは、残念ながら目論見通りとはいかなかった。

事前テストで発覚し、対策を施してきた燃料の”カラ打ち(燃料が汲み上げられない状態)”が、レース開始からおよそ1時間、近藤真彦氏のドライブ中に発生した。

制御を変更しすぐに走り出したものの、ナイトセッションに差し掛かった18時過ぎにさらなるトラブルが襲う。事前のテストでは問題にならなかったABS系のトラブルで再度ピットインを余儀なくされた。

ABSはドライバーの安全に関わる重要なシステム。原因究明に万全を期すためにここで5時間の停止。その後走り出すも、再度問題が発生し修復で2時間をロス。合計で7時間以上もピットで過ごすことになった。

ABSという想定外のトラブルによって、結果的には当初の目的であるポンプの24時間連続駆動は叶わなかったが、もう一つの目標である「連続走行周回数:30周」は無事達成することができ、1スティントあたり最長で31周を記録。

GRカンパニーのプレジデントを務める高橋智也氏も「(周回数は)ガソリンで走っているクルマと遜色ないところまできている」と胸を張った。

速さに関しても昨年を上回るペースで走行ができ、水素関連で大きなトラブルも発生せず、一歩ずつではあるが確実に昨年からの進化を感じられるレースとなったようだ。

挑戦がトヨタの未来を創っていく

レース後に関係者は「耐久レースは鍛える現場というところ(を再認識した)。今までほとんど起こったことのないトラブルで、水素とはほとんど関係のない現象でのストップだった」と話したが、現場のエンジニア達の表情には悔しい中にも充実感が漂っていた。

水素社会への挑戦はまだ始まったばかり。宝があるかもわからない地面を掘り続けるような、苦難の道でもある。

しかし、この挑戦で磨いた技術や現場でかいた汗は決して無駄にはならないだろう。ここで身に付けた“対応力”はどんな局面でも通用するもの。ひいてはその力がトヨタの未来を創っていく。

「“もっといいクルマづくり”のための開発現場が、24時間レースなんだということを痛感した。僕らがいま挑戦していることではないところでこういうトラブルが起こる。トラブルを1個1個潰していくことが“もっといいクルマ”につながっていくと思うので、開発現場としてST-Qクラスで走らさせて頂いているのは本当にありがたい(高橋プレジデント)」

GRが掲げる「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」への終わりなき挑戦は、これからも続いていく。

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(終わり)


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