充電インフラや整備人材も評価対象に!バッテリー電気自動車(BEV)を購入する際、無視できないのが補助金の額。そしてその補助金は、新たに車種ごとに額が異なる新制度へと切り替わる。そこで4月以降に適用される、国による新たな補助金制度について詳しくみていきたい。 まずBEVを対象とする補助金には国が実施しているもの(CEV補助金)と、各自治体が実施しているものの2種類がある。このうち今年4月以降の補助額が明らかになったのは国による補助金だ。 具体的に4月以降、大きく変化するのが車種ごとの補助額の決め方。 これまでは外部給電機能の有無などでざっくり金額が決まっていたが、4月以降は「車両性能」「充電インフラ整備の状況」「整備人材の育成」に加え、「サイバーセキュリティーへの対応状況」なども勘案して項目ごとに点数が付けられる。 その合計点で85万円(軽BEVは55万円)から15万円まで細かく補助額が設定されることになった。 なお、3月までと同様、車両価格が税抜840万円以上となる高額車は補助金が減額される。 (次のページへ) >>フォトギャラリーをチェックする 【日産 サクラ】>【クルクル動かせる!】360ビューはこちら >価格やスペックはこちら >【クルクル動かせる!】360ビューはこちら ATTO3は半額、IONIQ5も大幅減額この結果、トヨタ「bZ4X」や日産「リーフ」「アリア」など国産BEVの多くがこれまでどおり85万円の補助を受けられる。 軽自動車の「サクラ」や「eKクロスEV」の補助額が55万円なのも今まで通りだ。これに対し、輸入BEVへの補助は相当な減額となる。 特に目立つのが中韓メーカーのモデルに対する減額の大きさで、例えばこれまで最大85万円の補助金受給が可能だったBYD「ATTO3(アットスリー)」は一律35万へと半額以下に減額する。 ヒョンデの「IONIQ5(アイオニック ファイブ)」も一律65万円から35万円~45万円へと大幅な減額となっている。 >>ATTO3やIONIQ5をフォトギャラリーdでチェックする これは、国内市場への進出から間もないことによる整備拠点の少なさや充電インフラ整備への取り組み等が勘案された結果と思われる。 サイバーセキュリティーへの対応状況では「車両から取得される車両・走行データについての取り扱い」も審査項目に入っているから、この点で不利に働いたメーカーもあるだろう。 もっとも、既に欧州では自国メーカーを守るため、圧倒的に安い中国製BEVのこれ以上の普及を防ぐ制度変更を実施しているから、日本もこうした世界的潮流に乗ったと見ることもできる。 という話は一旦脇に置いて、結局のところ補助金により結果的にトータルの出費がどう変化するか。次にこの点を見ていこう。 (次のページへ) 【日産 アリア】>【クルクル動かせる!】360ビューはこちら >【クルクル動かせる!】360ビューはこちら >価格やスペックはこちら 国産BEVのお買い得感が一気に向上ここでは安さが売りのATTO3とトヨタのbZ4Xで、今回の補助金変更によりどのくらい値段の差が縮まったのか見てみたい。 まず最もリーズナブルなグレードの車両価格はATTO3が450万円、bZ4Xが550万円となっている。 ここからそれぞれ35万円、85万円の補助額を引くと、実質負担は415万円と465万円になり差は50万円となる。 3月までATTO3の実質負担は365万円(bZ4Xは465万円で変わらず)だったから確かに迷うユーザーもいたと思うが、今後は航続距離の差(ATTO3:470km、bZ4X:567km)やディーラーの数などを考えると、4月以降はbZ4Xを選ぶ人が増えそうだ。 >>フォトギャラリーをチェックする 欲を言えば、評価点数の低い車種への補助減額だけでなく、評価点数の高い車種には思い切った増額も講じてもらい、より国産BEVを買いやすくしてもらいたかったが、予算も限られている中で今回の措置がギリギリということなのだろう。 ほかにも、基本bZ4Xと同じ車種なのに、整備拠点数が勘案されてかスバル「ソルテラ」は補助が65万円に減額されるなど、今回の変更ではBEVのさらなる普及に向けてメリハリが付けられているのも興味深いところ。 今回の補助金制度の見直しを契機に、国内メーカーが世界を席巻しつつある中国製BEVに食らいついていく契機となると考えられる。 果たして勢力図は変化するのか。今後の状況を見守っていきたい。 <終わり> 【BYD ATTO3】 >価格やスペックはこちら >価格やスペックはこちら <写真:トヨタ、日産、スバル、三菱、BYD、ヒョンデ> 終わり> |
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