高級ピックアップというジャンル自体がユニークここ最近は新型SUVが続々と登場して目移りしている検討ユーザーも多いはず。中でもいわゆる高級SUVの賑わいぶりは数年前には考えられないほどで、国産でも500万円を超えるモデルが珍しくなくなりつつあるのは驚きです。 そんな中、今年2月に日本に再上陸を果たした三菱の1トンピックアップトラック、新型「トライトン」の試乗会に行ってきたので簡単にご報告を。まずはいきなり感想ですが、随所で感じる「非日常」にこそ、この車の本質がありそうです。 まずはトライトンの大まかな特徴をざっくり挙げてみると… ・トヨタ「ハイラックス」に続く、今日本で買える稀少なピックアップトラック …などなど、やはりいろいろユニークなポイントが多数。 >>フォトギャラリーでトライトンをチェック 試乗ステージは富士山麓の本格オフロードコースと周辺のワインディングロード。本来なら春を待つ高原で痛快なオフロード体験ができたハズですが…3月某日のバケツをひっくり返したような大雨の中、担当とカメラマンはスニーカーを泥だらけにしつつ、涙目で臨んだのでありました。 次のページからは、いったいどのへんで非日常を感じたのかを、(なるべく)ごくふつうのドライバー視線でご報告していきますよ! >>「トライトン」の悪路走破力がパジェロ級。SUVの洗練か、ピックアップの可能性か、そこが問題だ! オーバースペックなオフロード性能が「非日常」最初は泥と岩の本格オフロードコースへ。幸運なことに三菱の誇るパリダカ2連覇のレジェンド・増岡浩(現・チーム三菱ラリーアート総監督)“師匠”が助手席で指南してくれたのですが、もちろんこの体験によってトライトンに非日常のイメージをもったわけではありません。 そのへんのフツーのSUVならアゴを打ちそうな岩場や、下手にブレーキを踏んだらズルリとバランスを崩しそうな激坂、前後のタイヤが完全に浮いてしまうモーグル路でも、師匠の指示通りに4HLC(直結4WD)か4HLC(ローギア直結4WD)を選び、マッドやロックといったドライブモードを使い分けるだけで、ゲームのようにトライトンは突き進みます。 >>フォトギャラリーでトライトンをチェック その際のガチッとしたボディの歪まなさ具合などは、プラットフォームや足回りを9年ぶりに全面刷新した最新世代のクロカンモデルならではの世界。オフロードでドライブモードを選ぶ大型のセレクトダイヤルには、もう少し重厚感が欲しい気もしました。 ゴツゴツの岩場でもミシリという軋み音は一切なく、体に伝わる衝撃は不思議なほど角が丸められマイルドで、空調が効いた快適な運転席に座った担当の脳裏にはついつい「上質な乗り心地」などという場違いな台詞が浮かびます。 ツルツルの岩やぬかるんだ轍がうねる坂道で、増岡師匠がニコニコしながら「タイヤはただのオールシーズンなんだけどまだ余裕だね」とか「傾斜角は45度まで大丈夫だから」などと恐ろしくも頼もしい解説を加えると、後席に陣取った開発エンジニア氏もウンウンと相槌を打ちます。大雨にも関わらず、キャビンは常に平和が保たれていたのでした。 普通のSUVでは味わえない重厚感も「非日常」担当とカメラマンの2人で向かった富士の裾野に伸びるワインディングロードでは、モノコックボディの乗用車SUVとはやや趣の異なる独特のフィールが印象に残りました。快適な乗り心地は高級SUVに通じるものの、ドシッとした独特の重厚感はやはりフレームボディならではの世界です。 そしてハンドルを切り込んでいくときのフィールやディーゼルエンジンのビート、パジェロ譲りの技術であるパートタイム式なのにフルタイム4WDを実現するスーパーセレクト4WD-IIの走行感などは、骨太なメカっぽさというか、五感にビシビシ伝わって来る刺激が濃密です。 ・・・というわけで本格オフロード性能や硬派なフレームボディのクロカン車でしか味わえない非日常を、最新の先進安全機能やドライブシステムによって、上質感とともに味わえるという別世界感覚にこそ、トライトンの持ち味がありそうです。 さらに、乗用車SUVでは望めない最大積載量500kgの広大な荷台が備わるわけで、アウトドア趣味を極めたいユーザーにとっては、その無限とも言える使い勝手こそが最大の魅力でもあるでしょう。 >>フォトギャラリーでトライトンをチェック 乗用車としてより洗練されたモノコックボディの高級SUVを志向するユーザーとは好みが分かれそうですが、この車に匹敵する非日常や別世界感覚を味わうためには、国産なら「ランドクルーザー」シリーズ、欧州車なら「ディフェンダー」やさらに上級の「Gクラス」などの高額モデルが比較相手となり、ある意味コスパは高いとも言えます。 あとはやや煩雑な車検対応や、日本では取り回しに苦労しそうなボディサイズ、そしてライバルのハイラックス現行モデルと比べても100万円近く高い価格帯をどう考えるかですが…すべてのメカが最新世代であることや、周囲を釘付けにしそうなド派手な存在感などに惹かれるユーザーは少なくないはず。 2月時点ですでに月販目標200台の6倍を超える1300台の先行予約が入るなど、好調なスタートを切ったトライトン。その販売状況やピックアップ市場の今後にも引き続き注目です! (終わり) 写真:小林俊樹、三菱、トヨタ >>「トライトン」の悪路走破力がパジェロ級。SUVの洗練か、ピックアップの可能性か、そこが問題だ! |
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