レヴォーグでグランドツーリングへ2013年末の東京モーターショーでお披露目されたレヴォーグ。スバル久々のブランニューモデルは14年初めの発売直後から話題を呼び、販売面で上々の立ち上がりを記録、現在もランキング上位をキープしている。「2014-2015日本カー・オブ・ザ・イヤー」の10ベストカー、「2015年次RJCカーオブザイヤー」の6ベスト、日本デザイン振興会の2014年度グッドデザイン賞など、数々の賞を受賞。さらに自動車事故対策機構が行う予防安全性能アセスメントにおいて最高評価の「JNCAP 先進安全車プラス(ASV+)」に選定された。早くからEyeSightで自動車の予防安全に取り組んできたスバルにとっては最高の栄誉だろう。 そのレヴォーグ1.6GT-S EyeSightでワンデイツーリングに出かけた。ワンデイ、つまり日帰りなのだが、東京を出て埼玉、山梨の各地を巡ってまた東京へ戻ってくるという全ルート300km超のグランドツーリングだ。 >>スバル レヴォーグ スペシャルサイトへ EyeSight Ver.3でクルコン機能が向上朝の関越自動車道。行程は長い。早速、全車速追従機能付クルーズコントロールとアクティブレーンキープをオンにする。昨今、追従機能付クルコンが備わるクルマが増えたが、先行車との車間調整のスムーズさにおいてレヴォーグはトップクラスの性能を誇る。スバル自慢の運転支援システムであるEyeSightは、レヴォーグからバージョン3が搭載されている。この世代からステレオカメラによる画像がカラー化され、先行車のブレーキランプを認識することができるようになった。実際、レヴォーグの追従機能は先行車の減速の認識が早く、車間が詰まってから急減速するのではなく、早くからじわりと減速してくれるために快適だ。 加えて、バージョン3からは、65km/h以上で走行中、車両が車線中央を維持するようにドライバーのステアリング操作をアシストしてくれるほか、車両が車線をはみ出しそうな時に車線逸脱を抑制すべくステアリング操作をアシストしてくれる。それらの機能は自動運転ではなく、あくまで運転支援のため、ドライバーがステアリングに手を添えていなければキャンセルされるが、自動車専用道路での長時間の単調な運転時にはこの上なく心強い。 日本の路地でジャストサイズ最初の目的地である川越は、小江戸と呼ばれる蔵の街並みとシンボルの時の鐘が有名。こうした観光地の狭い路地を走らせた時、レヴォーグのジャストサイズをありがたく思う。全長4.7m、全幅1.78mは日本の道路にぴったりで、これ以上大きいと取り回しに気を使うし、これ以上小さいとユーテリティーの面で物足りない場面が出てくる。全幅1.8m未満でありながらラゲッジにゴルフバッグを真横に積載できるのはレヴォーグの優れたポイントのひとつだ。もちろんゴルフバッグに限らず、スーツケース、キャンプ道具、自転車、スキー、スノーボードなど、ほとんどのアクティビティーに対応するだけのスペースが確保されている。 川越からライン下りで有名な秩父・長瀞を経て山梨県の西沢渓谷へ。この時通った国道140号は、国道でありながら1998年までは一部自動車の往来が不可能な峠区間があり、“開かずの国道”などと呼ばれていたが、現在は有料の雁坂トンネルで繋がっている。一帯は秩父多摩甲斐国立公園に指定されており、大自然に囲まれたワインディングロードが続く。 バランス重視の1.6L直噴ターボ1.6GT-S EyeSightには、スバルが「“インテリジェント”DIT」と呼ぶ1.6リッター水平対向4気筒ターボエンジンが搭載されている。最高出力170ps/4800-5600rpm、最大トルク25.5kgm/1800-4800rpmを発揮しながらも、JC08モード燃費16.0km/L(1.6GT-S EyeSightの場合)と、パワーと燃費を高次元でバランスさせている。さらにレギュラーガソリン仕様で財布に優しい。 ワインディングにアップダウンも加わった三次元ドライブコースの国道140号を走らせると、低回転からじわりとターボ過給されているのを感じる。踏めばどこからでもパワーを得られるので扱いやすい。エンジンのマッピングを変えられるSI-DRIVEをスポーツモードにするとアクセルレスポンスが向上するのだが、インテリジェントモードのままでも十分にスポーティーに走らせることができたので、バランス重視の1.6リッターDIT搭載モデルはいっそ潔くモード切り替えをなくしてインテリジェントモード一本にしたほうがすっきりするかもしれない。なおこのエンジンは平成26年度日本燃焼学会「技術賞」を受賞したが、十分納得できる。 グランドツアラーに必要な性能とは?クルマを駐めてしばし渓谷を歩く。この時点ですでに200km近くを走らせたが、レヴォーグのシートは形状、硬さともに適切で、ホールド性も高いため、長時間座っていても疲れにくい。ステアリングホイールの調整量は十分で、ペダルレイアウトも適切。十分なエンジンパワーや4WDによるトラクション及びスタビリティー性能の高さなどがレヴォーグをグランドツアラーたらしめているのは事実だが、それ以外にも、シートの性能が優れ、適切なドライビングポジションを得られることも、地味だが重要なグランドツアラーの要件だと思う。 加えて、グランドツアラーには航続距離の長さも求められる。ドライブの前にきちんと計画を立てることは大事だが、長く走れば走るほど、寄り道したくなるポイントが見つかる可能性も高まるというもの。盛り上がった気分をガソリンスタンド探しで邪魔されるのは興ざめだ。ドライブ好きはクルマ選びの際に燃費性能と燃料タンク容量を掛けあわせて決まる航続距離の長さをチェックしたい。その点、60リッターのタンク容量をもち、一度の給油で最大1000km近くも走行可能なレヴォーグは真のグランドツアラーだ。 ステーションワゴンはブランドになったところで、我々も当初のルートから少し足をのばしたところに素敵な立ち寄り温泉があるのを見つけ、寄り道を決定。これぞレヴォーグで走るわが未知(道)じゃないか! というわけで、山梨市の笛吹川フルーツ公園の奥に位置するほったらかし温泉へ向かった。日の出や星空を見ながら楽しめる温泉として有名で、特に日没の時間帯には大勢の客でにぎわうそうだ。 撮影の合間に星空を眺めながら、一日を共にしたレヴォーグについて考えた。 ユーテリティーを優先する人、多人数乗車を求める人、走りを追求する人、環境性能や経済性を重視する人……多様化する人々のライフスタイルに合わせ、クルマも多様なコンセプト、さまざまなスタイルで登場するようになった。1989年に登場し、日本に本格的なツーリングワゴンブームをもたらしたレガシィ・ツーリングワゴンの跡を継ぐレヴォーグは、ワゴンブームが完全に過ぎ去り、ミニバンやSUVが幅を利かせている現代に登場する巡り合わせとなったが、ブームなど必要とせず、人気を集めている。 ブームの終了とともにワゴンづくりをやめたメーカーとは異なり、一貫してグランドツーリング性能を備えたステーションワゴンづくりを続けてきたスバルの実績こそが、人気の理由であり、信頼と期待が寄せられている証拠だろう。 特別仕様車の「S-Style」も登場今回、我々がたどった埼玉~山梨1Dayグランドツーリングルートは、スバルのスペシャルサイト「レヴォーグでわが未知を走ろう DRIVE ROUTE COLLECTION」(http://www.subaru.jp/levorg/sp/route/collection.html)に追加される予定。いくつものまだ知らぬ(未知)のドライブルート(道)が紹介されていて、どれも魅力的で、レヴォーグでそのすべてを制覇したい衝動に駆られる。 また、レヴォーグ1.6GT EyeSightに18インチアルミホイール&タイヤ、運転席8ウェイパワーシートなどの装備が備わる特別仕様車「S-Style」が発表された。1.6リッターDIT搭載のレヴォーグはこれで事実上4グレードに増え、より自分好みのグレードを選びやすくなった。次の未知を走るグランドツーリングは、S-Styleで行くことにしようか。 スペック【 1.6GT-S アイサイト 】 |
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