これは間違いなく売れる!おいしい物を最初に食べる人、最後に食べる人…人それぞれですけど、今回ばかりは待っててよかった! 完璧に後者向きですな。そう、ミニ5ドアだ。 最初の“長男”3ドアハッチバックに始まり、遊びの上手い“次男”コンバーチブル、カッコ付け“三男”“四男”のクーペ&ロードスター、実用派“五男”“六男”のクロスオーバー&ペースマン、一時はクラブドア付きの「クラブマン」と商用の「クラブバン」までいた増え続けるミニファミリーの現7番目(9番目)だが、乗ってビックリ。こりゃ相当な実力者だなと。 どの兄弟も他にない個性を持ち、どれもがミニ一家らしいが中でも末っ子は特別。他兄弟が併せ持てなかった美味しい要素を、すべてバランス良く兼ね備えているのだ。 まずは第1にミニらしいネオクラシカルスタイルで、クロスオーバー&ペースマンよりシンプルでカッコいいし、第2にデカ過ぎないサイズでこれまたクロスオーバーより扱い易く、第3はなにより基本3ドアイメージの強いミニシリーズでありながら、最も自然なカタチで2枚のリアドアをモノにしている。 「ハッチバックは5ドアじゃないと売れない」と言われる日本において、最初に出なかったのが不思議なくらいだが、それも偉大なるミニの歴史あるがゆえ。 1950年末に出た初代ミニはその名の通り、小さくて俊敏をモットーとするため3ドアボディが基本。そのためオーソドックスな5ドアハッチ導入が遅くなった。しかし、今の技術ではある程度デカいボディに、それなりの俊敏さを備えることも可能。結果、実においしいとこ取りな末っ子が誕生したのであーる! 長さはちょっとあるがミニっぽいまず気になるのはサイズだが、全長×全幅×全高は4000×1725×1445mmと意外と小さい。特に長さは3ドアより165mmも長いクセして、4m内にちょうど収まる。(※クーパーSの全長は4015mm)全幅は3ドアと全く同じで全高は15mm高いがそれでも日本の立体駐車場でもOKな1550mm内に楽勝で収まる。 なにより一番デカい五男のクロスオーバーより105mm短く、55mm狭く、105mmも低い。コッチの方が5ドアでも断然ミニっぽいだろう。 見た目的に細かく3ドアハッチとどこが違うかってやっぱりリアだ。フロントフェンダーより前は3ドアと同じだが以後は新作。ホイールベースが70mm増えて、リアの張り出しも95mm増えているが、見た目に意外とダックスフンド感はない。そこには秘密があって、全長が伸びた割にルーフは伸ばしておらず、リアハッチをより寝かせて微妙にクーペっぽくなっている。 一方、室内分の延長はさすがでホイールベースが伸びた分、リアの足元が40mm増えて座りやすくなってるし、ラゲッジも67L増えて278L。それでも5ドアのVWゴルフほどに広くはないし、ラゲッジも同様にゴルフの380Lにはほど遠いが、相当に家族向けとなった使い勝手。この当たりはかなり悩ましい選択となるだろう。 握った最初のタッチは「やっぱりミニ!」いよいよ肝心の走りだ。全長は押さえられてるもののホイールベースが70mm伸びて、車重も同じクーパー比で約50-60kg増えている。 一体どう変わったかって、ネガティブ要素からいうとハンドリング全体のクイックさだ。曲がり角での切り始めレスポンスは3ドアの方が上だし、高速でのレーンチェンジのクイックさもやはり3ドアの方が上。 だが、なによりシートに座り、最初にステアリングを操作した時の剛性感、充実したフィーリングはまごう事なきBMWミニ。ここはボディ素性を同じとする3ドアにより近く、車高の高いクロスオーバー系よりミニらしく骨太なテイストだと言える。 それから加速性能だ。これまた一足先にデビューした3ドア譲りの新作1.5L直3ターボと、新作2.0L直4ターボ+6ATに準ずるが本当に素晴らしい。今回はよりパワーの小さい100kWの1.5Lのクーパーに乗ったが、多少重くなったにも関わらず力強さは変わらず。1000rpmのアイドリング付近からディーゼルエンジン並みの力を発揮し、2000~3000rpmあたりのトルク感は最高。本当に気持ちよく走れる。 またこれで日本のモード燃費で17.9km/Lを発揮するからエコ性能も十分。実燃費は今後調べてみたいところだが、エコカー減税も適用されるし、文句無いレベルだろう。 また新しい客を獲ってしまうはず!というわけでカッコ良さ、使い勝手、ミニならではのダイレクトな走りと文句の付けようのない5ドアだが、今の充実しまくってるプレミアム実用5ドアハッチ全体で見ると、ベストバイがどれかはやっぱり悩ましい。 広さや上質感でいうと同じドイツ系のVW系やBMW系も素晴らしいし、独特の走り、スタイルの良さではプジョーやフィアット、アルファロメオも魅力的。ボルボもいい。だが、ミニの骨太さ、ネオクラシカルさはやっぱり他にない。 細かく言うと、フロントシートはVW系ほど広くはなく、乗り降りの時に不肖オザワはシートの出っ張りに多少身体をぶつけたし、リアもメチャクチャ広くは無い。だが、リアのサイドガラスをこの手のコンパクトでは珍しく全開にできるなど用意周到に作られ、スキはない。 冒頭の如く、ミニらしさや実用性をほどよく取り揃えた今だかつてないいいとこ取りなのだ。もちろん最新BMWのハイテク安全、「ドライビング・アシスト」等も設定されている。 これでお値段税込ほぼ300万円ジャストから。ミニシリーズ全体の約半分を占めることも予想され、再びこの業界を賑わすこと必至の衝撃的モデルなのであーる! 主要スペック【 ミニ クーパー 5ドア 】 【 ミニ クーパー S 5ドア 】 |
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