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トヨタFCVミライ試乗、HVやEVとドコが違う?

2014-11-19 09:45| post: biteme| view: 991| コメント: 0|著者: 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之

摘要: 20年に一度のクルマの革命が起きる 20年に一度のクルマ社会における革新が起きた。トヨタから世界初の燃料電池車の「ミライ」が発表、発売されたのだ。その乗り味は今までの価値観をガラッと変えそうなほど魅力的で ...

トヨタFCVミライ試乗、HVやEVとドコが違う?

20年に一度のクルマの革命が起きる

20年に一度のクルマ社会における革新が起きた。トヨタから世界初の燃料電池車の「ミライ」が発表、発売されたのだ。その乗り味は今までの価値観をガラッと変えそうなほど魅力的で、試乗中は目の前で今という時代が音を立てて崩れて行く感覚すらあった。

20年に一度とは大袈裟な…と思う方も大勢いるだろう。1997年に初代プリウスが登場したときのことを思い返してもらいたい。登場当初はバッテリー電力が無くなりかけると亀マークが出て坂を登らなくなるクルマに、様々な罵声が浴びせられていたはずだ。だが年々シェアを伸ばし、今ではハイブリッドは市民権を得たばかりか、次世代車筆頭というポジションを確保している。

話を燃料電池車に戻そう。2020年には数万台、20年後にはハイブリッドに変わる存在にまで上り詰めることも視野に入っているのが、今回の燃料電池車だ。まさに自動車社会の未来、日本の未来の一端を担うモデルとして、まずはひとりでも多くの方に、その存在を知ってもらいたい。

ミライの価格は消費税込で723万6000円。政府からのクリーンエネルギー自動車等導入促進の補助金はほぼ200万円と予想されるため、実質は約520万円前後になりそうだ。一回のエネルギー充填でカタログ値の航続距離は約650km。

得体の知れないクルマに500万円は高い! そんな声が聞こえてきそうだが、まずはそれで良い。大規模実証実験の通例で、2015年度導入予定台数の400台はほぼ出払ってしまい、欲しくても手に入れられないはずだからだ。

それに、水素ステーションの設置など国家プロジェクト規模のインフラ整備は今ようやく始まったばかり。だからこそ“燃料電池車=得体の知れない乗り物”で片づけるのではなく、ディーラーで触れてみるなど、クルマ好きなら時代に乗り遅れないようにしたいもの。日本の未来を左右する象徴的なクルマなだけに、ふだんとは異なるテイストのレポートになりつつあるが、キーワードは元素記号で一番目の「H」水素だ。

燃料電池車はどうやって走るのか?

燃料電池車(FCV=Fuel Cell Vehicle)はガソリンの代わりに水素(H)を使い、エンジンの代わりにモーターが駆動力を発生する。ただし、水素で直接モーターは動かせないので、燃料電池(FCスタックとも呼ばれる)で、燃料の水素(H)と空気中の酸素(O)を化合させ、その時に発生する電気でモーターを回す仕組みだ。水素から電気を取り出すエネルギー変換率が理論上83%と高いのも魅力的だ。

要は、水素をエネルギー源にしたクリーンな発電所が燃料電池の正体。それを積んだクルマを燃料電池車と言うだけで、駆動原理は電気自動車と変わらない。

燃料電池そのものは無音だ。強いて挙げれば、空気(酸素)を燃料電池に押し込むためのコンプレッサーの音がかすかにする程度。その大きさも、開発初期段階のものからは大幅に小型化され、さらにトヨタは、燃料電池内部の電解質膜に必要な湿気を、発電で生じる水を循環させることで補う、世界初の加湿器レス構造も実現した。ミライに搭載される燃料電池スタックは、既存のガソリン車の燃料タンク程度になっている。

注目はその乗り味で、抜群の未来感がある。まず車内は電気自動車並みに静かで、エンジン稼動音などは無く、「キュイーン」「キーン」といった独特の作動音のみがかすかに響く。アクセルの踏み込み量に応じて変化するが、フル加速しても基本的には静かで、そのレベルはタイヤの転がる音やクルマの風切り音のほうが気になる、一般道なら外の音が気になる程度のものだ。

ちなみに「キーン」と「キュイーン」は、各駆動系の金属音とモーターへの電力供給の調整機構の稼動音が入り混ざったもので、耳をすませると聞こえる新幹線の加速時の音や、ハイブリッド車に乗っている人はモーターだけで走る際の音をイメージしてほしい。

これだけなら、電気自動車と同じと言われそうだが、ある特性が加わることで、高級車的な味が出ているのが燃料電池車だ。

これなら気兼ねなくアクセルを踏める!

デザインの上手さなのか、比較対象物が無いと小さいクルマに見えてくるが、実際は3サイズが4890×1815×1535mmなので中型セダン並みだ。特に後席は広く、落ち着き感のある内装の造りこみと相まって、後席に座ってもいいと思わせる高級感が備わる。

これだけで高級車的というわけではない。要は乗り味。水素タンクや回生エネルギーを蓄えるバッテリーがあり、車両重量が高級サルーン並みの1850kgもある。ドッシリ感をベースに、しっとりと上質に走る高級車的な乗り味があるのだ。しかもそれでいて、鈍重な感覚は抑えられている。

モーターは前だが水素タンクやバッテリーは後方にあり、スポーツカーもこだわる前後重量配分がとても良い。そこに高級車的乗り味を高めるボディ補強と、燃料電池スタックを守る為の補強が組み合わさって高いボディ剛性を実現。その結果、背が高く、重量もあり、スポーツカーのように走るなんてことは出来ないが、ハンドリングは素直で、気持ちよく曲がることができるのだ。

何よりも、気兼ねなくアクセルを踏めるのが嬉しい。実は電気自動車もガンガンにアクセルを踏める状況だと、加速は鋭いし、アクセル操作に対する反応がダイレクトで、走りがとても楽しい。しかし実際は、残りの航続距離を絶えず気にしつつ、踏み込むほどにバッテリーが速く減っていくのを見ると、踏むことに罪悪感が生じてしまう。心のブレーキが電気自動車で走りを楽しめない最大の要因なのだ。

燃料電池車はそこから解放される。もちろん水素を積める量には限りがあるが、満タンなら航続距離は600-700km弱。実走行をしてみないと未知数だが、少なくてもガソリン車などと同様に、踏みたいときにアクセルを踏める気軽さがあるのは間違いない。さらに、燃料電池からの電力供給量は潤沢で、電気エネルギーを大量に必要とするフル加速や高速走行も気兼ねなくできるのだ。

トヨタ流の徹底した安全対策

こうした魅力の背景には、水素を大量に積めるようになって航続距離が伸びたという理由が挙げられるだろう。

水素タンクは後席の下と斜め後ろに合計2つあり、共に70MPaという高圧で水素を充填する。70MPaは700気圧のことで(ちなみに地上は1気圧だ)、水素運搬トラックでも35MPaで運んでいることを考えると、相当な圧力に違いない。これだけの圧力の水素を乗用車に搭載することを危険視する声も上がっているが、だからこそトヨタの安全対策は万全だ。

水素タンクは完全にトヨタ内製である。燃料電池自動車用の水素タンクの製造と自主検査が可能となる高圧ガスの登録容器製造業者の認可をとり、製造責任もトヨタが請け負う。その狙いは、製造から全てを一括管理することで安全を徹底できることと、スタートしたばかりの燃料電池産業において、規制やその緩和に素早く柔軟に対応するためだ。

例えば、今は70MPaまで約3分で充填できるとされているが、水素充填時はタンク内が過熱し圧力が上がってしまうため、常温に冷えると70MPaを下回るのが現状で、できれば常温時に70Mpaになるようにオーバーチャージしたい。将来はこのオーバーチャージが規制緩和される見込みで、実はタンクの充填対応圧力は85Mpaに即座に対応できる。

クルマに搭載する上での補強も徹底して施されている。水素タンク自体はカーボンファイバーで補強して、150MPaの外圧にまで耐えられるように作られている。これは例えば、クルマが潰れるほどの事故でもタンクは涼しい顔で原型を留めているほど強固な設計。ちなみにタンク内が過熱した時は安全弁が開いて水素を大気放出し、水素漏れに対してはセンサーで絶えず監視している。そもそも水素は最も軽い気体であり、空気中に拡散し易く、爆発する濃度に留めておく方が難しいともいわれるが、それでもあらゆるリスクへのトヨタ基準の対処が行われているわけだ。

いまなぜ水素なのか?

水素は地球に豊富にあり、何かと結合しやすいので、化合物として身の回りに存在している。様々な物質から水素を取り出すことが可能で、代表的なのは水(H2O)だろう。ということは、風や太陽光などの自然エネルギーを使えば、理論的に将来は水から環境負荷ゼロで水素を作ることができる。ちなみに現在の日本では、鉄(コークス)などを作る際の副生ガスや、化石燃料を改質して製造されている。

もう解ってきたと思うが、島国である日本にとって、エネルギー自給率の低さは永遠の課題だ。そこに水素は“自然エネルギー+水 → 水素(エネルギー) → 自動車が走る(モノが動く) → 水に排出”という奇跡の様な環境負荷ゼロのエネルギーサイクルを実現させるポテンシャルがある。

ただし、水素を供給するインフラもなければ、水素を使って走るクルマやモノも無い状態では、一向に事が進まない。そこで国が動き、世界最大の自動車メーカー・トヨタもハイブリッドに変わる将来の動力源としての見通しから“動いた”訳だ。ちなみに11月17日にFCVコンセプトを発表したホンダは2015年、日産ルノー連合は2017年にも燃料電池車を市販するとアナウンスしている。

今年4月、“水素社会の実現”が盛り込まれたエネルギー基本計画が閣議決定された。結果として、インフラ設備や水素事業関連や研究、さらには水素自動車(燃料電池車)購入時の補助金などに、2015年は総額約700億円もの予算がつく。そしてトヨタが動いたからか、国が動いたからかは定かでないが、将来の事業展望が見えてきたことで、水素に関わる製造、運搬、供給にも国家規模での動きが出始めているのが現状だ。

今後どのように展開するかは予想が難しい。すでに水素ステーションの設置計画には若干の遅れが出ているという話もある。しかし、環境にやさしく化石燃料に頼らないクルマ社会を実現する夢のテクノロジーに期待したいし、走りの楽しさや魅力も感じられた。そして自分の中に、微力ながらその認知活動含めて応援したい気持ちが湧いてきている。

スペック

【 ミライ 】
全長×全幅×全高=4890mm×1815mm×1535mm
ホイールベース=2780mm
駆動方式=FF
車両重量=1850kg
FCスタック=固体高分子形
FCスタック最高出力=114kW(155ps)
モーター最高出力=113kW(154ps)
モーター最大トルク=335Nm(34.2kgm)
高圧水素タンク=前:60.0L/後:62.4L(公称使用圧力=70MPa)
タイヤサイズ=215/55R17(前後)
最高速度=175km/h
車両本体価格=723万6000円
発売予定日=2014年12月15日


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