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改良版ワゴンRに試乗。S-エネチャージの真価とは

2014-9-1 11:40| post: biteme| view: 524| コメント: 0|著者: 文:塩見 智/写真:小林 俊樹

摘要: 2年で3.6km/Lの燃費向上 スズキ ワゴンRがマイナーチェンジした。一瞬「え、ワゴンRって出たばかりなのにもうマイチェン?」と思ったがそれは勘違いで、現行型登場は2012年秋。きっちり丸2年たっている。ただ、ワゴ ...

改良版ワゴンRに試乗。S-エネチャージの真価とは

2年で3.6km/Lの燃費向上

スズキ ワゴンRがマイナーチェンジした。一瞬「え、ワゴンRって出たばかりなのにもうマイチェン?」と思ったがそれは勘違いで、現行型登場は2012年秋。きっちり丸2年たっている。ただ、ワゴンRは登場からわずか1年の昨年秋にもマイチェンして燃費を向上させている。毎年マイチェンなんてメーカーは大変だし、ユーザーはいつ買うべきかわからないんじゃないかと思ってしまうが、よそがやってきたら対抗しないわけにはいかないのだろう。

今回のマイナーチェンジでは、外観デザインが多少変わり、安全装備の充実も図られたが、キモはなんといってもさらなる燃費向上だ。現行型はJC08モード燃費28.8km/Lで登場し、翌年のマイチェンで30.0km/Lへと進化した……にもかかわらず、今度は一気に8%アップの32.4km/Lに到達した(いずれもNAエンジンのFF)。

すでにやれることはほぼやっている

少々細かい話になるが、ワゴンRが属する(というか、かつてワゴンRが確立した)ハイトワゴン・ジャンルには、現在、ダイハツ ムーヴ、三菱 eKワゴン<日産 デイズ>、ホンダ Nワゴンというライバルが存在する。これらは、いずれも現行型ワゴンRが登場した後に登場もしくはマイチェンして、ムーヴが29.0km/L、eKワゴン<デイズ>が30.0km/L、Nワゴンが29.2km/Lと、現行型ワゴンR登場時の28.8km/Lを上回る数値をマークしている。

これらライバルに対し、老舗ハイトワゴンのワゴンRも負けるわけにはいかない。軽自動車はどこも規格いっぱいのサイズでつくられ、動力性能もそろっているので、差別化するにはデザインを除けば、燃費性能か安全性能、あとは抗菌とかUVカットくらいしかない。こうした軽自動車ならではの事情によって、頻繁なマイチェンによる燃費競争が繰り広げられるのだろう。

とはいえ、現行型登場時の28.8km/Lという数値だって、ほんの数年前にはハイブリッドなしには考えられなかった数値だ。つまり、かけられるコストのなか、すでにやれることはほぼやっている。前回の28.8km/Lから30.0km/Lへの進化は、エンジンのタイミングチェーンの幅を細めたり、エンジンの下にカバーを加えて空気抵抗を減らしたりと、もはや乾いた雑巾を絞るような努力の結果だった。

S-エネチャージで小さなブレイクスルー

JC08モード燃費30.0km/Lからさらに進化させるのに際して、スズキはS-エネチャージという少々大掛かりな仕組みを、ワゴンRとワゴンRスティングレーのNAエンジン搭載車に導入した。従来からスズキが各モデルに幅広く採用してきたエネチャージは、減速時にブレーキングで捨てていたエネルギーで、オルタネーターを回して発電してリチウムイオン・バッテリーに貯め込み(ブレーキ回生)、電装品の電力として使うことでエンジンの負荷を減らして燃費を稼ぐシステム。

これに対して、S-エネチャージは、オルタネーターに代えてモーター機能付き発電機のISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を用い、オルタネーターよりも約30%効率よくブレーキ回生させることに加え、アイドリングストップから再始動させる際のスターターとして用い、さらに加速時にモーターとしてエンジンをアシストさせる機能をもたせたものだ。

ハイブリッド車と呼んでも差し支えないが

加速時にモーターアシストするということは、もはやハイブリッド・システムじゃないかと言われるかもしれないが、その通りで、別にこのクルマをハイブリッド車と呼んでも差し支えない。ただ、一般ユーザーはハイブリッド車というと、発進時などにエンジンが止まっていて、モーターだけで駆動する場面があるクルマを想像しがち。その点、S-エネチャージ付きワゴンRは、ISGだけで駆動する瞬間はなく、駆動時には必ずエンジンが動いていて、ISGはベルトでエンジンのクランクを回して駆動をアシストするのみ。

しかも、リチウムイオン・バッテリーをはじめとする機構の発熱を抑えるため、ISGがエンジンをアシストするのは、連続6秒間までと決まっていて、一度アシストすると3秒間はアシストしない。さらに、S-エネチャージはあくまで燃費向上が目的であって、パワーを増強する意図はないため、アシスト中はエンジンの出力が絞られる。結果として、最高出力52ps/6000rpm、最大トルク6.4kgm/4000rpmというスペックも、体感的な力強さも、通常のNAエンジン搭載車と同じだ。その代わり、JC08モード燃費は32.4km/Lと、現時点でハイトワゴンとしては最も優秀。

S-エネチャージについてもう少し詳しく紹介すると、ISGがエンジンをアシストするのは、スピードが15~85km/hの間。本来はエンジンの効率が最も悪いゼロ発進時からアシストするほうが効率がよいのだが、15km/h未満のゾーンはCVTがロックアップしておらず、エンジンとISGを協調させるのが難しい。このため15km/hからのアシストとなった。

「ブルルン」から「ブン」へ進化

何はともあれ、試乗会の拠点となった千葉・幕張の街中を走ってみた。スターターボタンを押すと「ブルルン」という振動と音とともにエンジンが始動する。Dレンジに入れて走り始め、交通の流れに乗る。赤信号で減速し、車速が13km/h未満になったところでアイドリングストップする。信号が青に。ブレーキを緩めるとエンジンが再始動する。さっきの「ブルルン」がない。表現が難しいが「ブルン」か「ブン」くらいか。

再始動時の振動が少なく静かなのは、再始動を担うISGがベルトでエンジンを回すから。ちなみに、再始動ではなくスターターを回す最初の始動はセルモーターを使うので、これまで同様「ブルルン」を発生させる。

燃費向上のためとはいえ、アイドリングストップの度に乗員に「ブルルン」という興ざめな音を聞かせることになるため、これまでスズキは一定の条件を満たした場合しかアイドリングストップしないよう設定していたが、ISGによってエンジンが頻繁に始動しても音と振動が気にならなくなったため、S-エネチャージ採用車のみ、アイドリングストップする条件を緩和した。一例としては、従来は一度エンジンが再始動したら、車速が5km/h以上に達しないと再びアイドリングストップしない設定だったのを、1km/h以上に達すれば(つまり事実上少しでも走行すれば)再びアイドリングストップするようにした。

より賢くなったペダルセンサー

また、S-エネチャージとは直接関係ないが、従来は、停車中にドライバーが少しでもブレーキ圧を緩めてしまうと、たとえクルマが動いていなくてもエンジンが再始動してしまっていたが、今回のマイチェンで、ある程度ブレーキ圧を緩めてもアイドリングストップが維持されるようになった。何らかのきっかけで少しブレーキ圧を緩めてしまい、意図しないのにエンジンが再始動してしまうのは、なんとももったいない感じがしてイヤなものだったので、改善されたのは実に喜ばしい。

15~85km/hのゾーンでのS-エネチャージによるモーターアシストの様子をなんとか体感できないものかと気をつけて走行してみたが、まったくわからなかった。元々このクルマはCVTで、アクセル操作とエンジン回転数が完全にはリンクしないこともあって、今の加速がエンジンの回転上昇によるものなのか、モーターアシストによるものなのか、はたまたCVTの変速によるものなのかをはっきりと感じ取ることはできない。が、スポーツカーじゃあるまいし、それで何か不都合があるわけではない。結果として燃費がよければそれでよい。

NAならS-エネチャージ仕様がオススメ

ワゴンRの場合、S-エネチャージが採用されるのは「FZ」グレードのみ。これは従来のFXリミテッドというNAの最上級グレードに代えて新設されたグレードで、FXリミテッドとFZの価格を比較すると、S-エネチャージ分の価格上昇は約4万円ということになる。4万円アップで燃費8%向上が経済的なのかどうか即座には判断がつかない。S-エネチャージ採用車じゃなくても燃費性能が十分に高いのでその辺りは悩ましい。ただし、S-エネチャージ採用によってアイドリングストップからの再始動が静かで振動が少なくなり、それだけで他のアイドリングストップ機能付き軽自動車よりも一段上質になったような気がする。だからNAエンジンを選ぶなら、ぜひともS-エネチャージ採用車をオススメしたい。

なお、技術的にはターボエンジンとSーエネチャージを組み合わせられないわけではないようだが、NAとの組み合わせほどの効果は見込めないため、あわてて採用ということはなさそうだ。一方でJC08モード35.0km/Lを誇るアルトエコにも採用できないわけではないが、車重が軽いクルマの場合にもワゴンRに採用するほどの効果が見込めないそうで、こちらも現状のままのS-エネチャージが採用されることはなさそう。同じような条件のスペーシアやハスラーにはそのうち採用されるんじゃないだろうか。

常に潔く、かつユーザー寄りの“割り切り”

S-エネチャージばかりに目がいきがちになるが、今回のマイチェンでは、ワゴンRのスマホ連携ナビ装着車に、後退時左右確認サポートと自動俯瞰機能付きバックアイカメラがオプション設定された。後退時左右確認サポートとは、駐車枠やガレージからバックでクルマを出す場合などに、車両の左右から何かが接近してくるとそれを検知し、バックモニターの上部左右の一部が点滅するとともにブザー音が鳴る機能。試しに広報スタッフに人柱になってもらい、接近してもらったらきちんと検知した。うまくできていて、同じような場所にいても、立ち止まっていたり遠ざかっていたりすると警告しない。

また、自動俯瞰機能付きバックアイカメラは、駐車場の白線枠にバックで駐車する際、クルマが両側の白線とだいたい平行になって、白線の後端付近まで近づくと、モニター画像が俯瞰映像に切り替わるもの。よく似た機能として、車両を真上から見ているような映像を表示できる日産のアラウンドビューモニターがあるが、あれとは違ってスズキ版はリア周辺に限った俯瞰映像を表示する。どちらも画像処理によるバーチャル映像だが、ワゴンRはカメラが1個のため、表示できる範囲がリア周辺に限定されるのだ。

軽自動車の場合、車両価格もオプション価格も高価になりすぎるとだれも買わないので意味がないということが、この辺りからもみてとれる。俯瞰映像がリア周辺だけであっても、ないよりあったほうが便利なのは間違いないわけで、こうしたスズキの割り切りは常に潔く、かつユーザー寄り。このブレない姿勢こそがスズキらしさ。変わらないでほしい。というわけで、ワゴンRは相変わらずスズキイズムが盛り込まれて正常進化していた。最新が最良のワゴンRだといって間違いない。ただし、燃費競争はエンドレス。そのうち他社から32.4km/L超えのモデルが出てくるはずだ。

主要スペック

【 ワゴンR FZ(S-エネチャージ搭載) 】
全長×全幅×全高=3395mm×1475mm×1640mm
ホイールベース=2425mm
駆動方式=FF
車両重量=780kg
エンジン=660cc 直列3気筒DOHC
最高出力=38kW(52ps)/6000rpm
最大トルク=63Nm(6.4kgm)/4000rpm
トランスミッション=CVT
JC08モード燃費=32.4km/L
車両本体価格=137万2680円

【 ワゴンR スティングレー X(S-エネチャージ搭載) 】
全長×全幅×全高=3395mm×1475mm×1660mm
ホイールベース=2425mm
駆動方式=FF
車両重量=800kg
エンジン=660cc 直列3気筒DOHC
最高出力=38kW(52ps)/6000rpm
最大トルク=63Nm(6.4kgm)/4000rpm
トランスミッション=CVT
JC08モード燃費=32.4km/L
車両本体価格=146万1240円


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