ウラカンに大興奮!いや不肖小沢、まさか40代半ばも過ぎてこんなにスーパーカー&サーキットで興奮するとは思いもよらなかったぜ。ランボルギーニの最新フルタイム4WDスーパーカー、ウラカンLP610-4だ。 ご存じベビーランボとして約10年間君臨、手を変え品を変えて全世界で1万4022台も売り切った大成功モデル、ガヤルドの後継であり、未来へとつなぐもの。それだけにどれだけ最近のエコ時代に習い、ダウンサイジングしてくるかと思ったらそこはあえてまったく無視(笑)。 加速だけならGT500より速いよ!エンジン形式&排気量は従来通りの5.2リッターV10DOHCノンターボ。だが、新設計で直噴システムの「イニエツィオーネ・ディレッタ・ストラティフィカータ(IDS)」やアイドルストップ機能を導入し、欧州複合モード燃費は12.5L/100km(8.0km/L)で、CO2排出量も290g/kmとガヤルドより優秀。しかもそれでいて最高出力は610hp! 最大トルク560Nm! と伸びているから恐ろしい。やるだろうなとは思ったがホントにパワーを上げつつ、エコ度も向上させているのだ。 さらに恐ろしいのはボディの軽量化で、アルミボディのガヤルドを刷新してまったく新しくカーボンプラスティックとアルミによるハイブリッドシャシーを採用。結果、乾燥重量で1422kg、ホワイトボディ単体では200kgを切るとも言われ、な、なんとパワーウェイトレシオはレーシングカー並みの2.33kg/hpという恐ろしさ。 「加速だけなら今のGT500より速いよ」と旧知のレーサー、中谷明彦さんがボソっと教えてくれた驚異の真実。今日の試乗舞台は富士スピードウェイ。しかも小雨交じりなのだ。試乗前に誓約書は書かされるし、ったくもう勘弁してくれよ……って気分だぜ! 徹底的に未来志向のデザインってなわけで久々にドキドキの富士スピードウェイだが、初めて外で見るウラカンはステキにシンプルだ。兄貴分のアヴェンタドールの影響を色濃く受け、ヘッドライトは小ぶりのLEDタイプ。なにより全体の一体感というか、塊感というか、メッセージ性は増していて、より宇宙船っぽい。 最近、国産車でもワザと毒づいた妙なディテールを纏うモデルがあるが、新世代ランボはなにげに素直に美しくてカッコいい! それでいてリアの層状に重なったギザギザフォルムは、ランボ独自の“魔物”っぽさを表現し、あっという間に悪魔界に浸れる。 乗り込むと着座位置は相変わらず本格派らしく超低いが、それ以上にインテリア全体のロボットっぽさに驚く。アヴェンタドールもそうだったが、意外なほど分かり易い上質さが排除され、あくまでも未来志向。インパネにはスイッチがズラリと並び、全体にエヴァンゲリオンチックな網目模様が刻まれ、センターのイグニッションも八角形の何とも言えないフタを開けて初めてON! が可能になる。 メーターも、もはやコイツはパソコンか? と思うような12.3インチTFT液晶パネルでカラーもハデ目。フェラーリともアストンとも違う世界観で、なにかを捨てきった感じすら漂わせる。 ビックリするほど乗りやすい!まず驚くのはエンジン音だ。真っ赤なイグニッションを押すと5.2L V10がうなりを上げるが、意外にも音は過度なチューニングがなされていない。最近、これって“走るF1舞台装置?” と思えるほどいきなり♪ファーン! と叫び始めるスーパーカーが多いが、ウラカンは意外なほど本格的。そこの演出はチト違う。 走り出してもそれはすぐ感じる。パワーと迫力はハンパなかったが、正直、繊細でセンシティブか? と言われると少々疑問が残った先代ガヤルドに比べ、ウラカンはいきなりステアリングフィールが繊細。パワステは電気式だけに鈍感になりがちだが、今までよりナチュラル。得られる安心感が最初っから違うのだ。 そこは富士スピードウェイを徐々に攻めこむほどに確信に変わる。当初は610hp&小雨にビビリまくっていた小沢だが、まずそのステアリングのしっとり&しっかりにひと安心。地面を握りしめている感じが圧倒的に濃厚なのだ。ギアボックスも初採用のデュアルクラッチ式7速で、トルク変動が少ないから、コーナリング中に安心してシフトチェンジもラクチン。 根本から変わった4WDシステムさらにフルタイム4WDのクセしてビックリするくらいに鋭く良く曲がる。「ミッドシップだから当然だろう」と言われそうだが、これが違う。もちろんミッドシップは良く曲がるが、4WDは基本アンダーステアで、アクセルコントロールによっても左右されるのが本当。しかしウラカンはどんな状態でも確実に安定してしかも切れが良い。 というのも、実は4WDシステムが簡易的なビスカスカップリングから本格的な電子制御多板クラッチ方式になっていて、根本から違うのだ。 またイタリア語で「魂」を意味するモード切り替えシステム「ANIMA」がステアリングに備わっており、「ストラーダ」「スポーツ」「コルサ」の3つから選べる。これが徐々にパワー特性やステアリング特性、過渡特性を激しくしてくれ、これまたビックリするほど振り回せる。まさしくウラカンはリアルセンシティブスーパーカーになったのだ。 圧倒的な加速、超良く効くブレーキだからロクにレース経験のない不肖小沢でも、攻めこめば攻めこむほどに楽しくなる。まず驚くのはコーナリングで、最初はおっかなビックリ攻めていたが、基本は良く舵が効くアンダーステアで、そこから徐々にスピードを上げていくと、コーナリング最後のアクセルオフでテールが自然に流れ始める。それもビックリするようなハイスピードでだ。 さらに圧倒的なのは加速性能で、富士の1475mもあるホームストレートでは、さほど丁寧に最終コーナーを立ち上がらずとも中盤のメーター読みで275km/hに到達! 中谷さん曰く「もうちょっと踏んでいくと300km/hは行く。これまたGTカー並みだよ」。 もう一つビックリなのはブレーキ性能で、試乗車に付いていたカーボンブレーキが効くこと効くこと。正直、怖くて限界はまるで探れなかったが、ストレートで300km/h近くに達しても、踏み始めれば1コーナー手前でスピード落としすぎに陥る始末。とにかく超良く効くブレーキなのだ。 ランボのアジア統括マネージャー曰く……しかしこれほどのハイパフォーマンスをこれほど扱いやすくしてどうするのか? アジア統括マネージャーのエジナルド・ベルトリ氏を直撃したところ、「ランボルギーニはこのウラカンでスーパースポーツを再定義したのです。“インスティンクティブ テクノロジー”と呼ぶ、理屈ではなく本能で運転できる技術を投入し、最高のパフォーマンスを持ちながら、今までにないイージードライブが可能。それでいてサーキットでも信じられないほど速く走れます。あり得ないほどの可能性の広さを提示した、これからのスーパースポーツ。それがウラカンです」 まさに免許取り立ての初心者から、手練れのレーサーまで満足させるという点で、いまだかつてない存在のスーパースポーツ。今回はまだまだその序の口という感じのステージであり、今後の末恐ろしい未来を感じて想いを馳せた、不肖小沢なのでありました。 主要スペック【 ウラカンLP 610-4 】 |
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