自動車の維持費は1年にいくらかかるのか?自動車を維持するには、燃料代や駐車場代のほか、各種税金や保険料などさまざまな費用がかかります。費用を抑えるには、費用項目や節約術など、正しい知識を身に付けることが大切です。 そこで、この記事では、車の維持費と1年間でどのくらいかかるのかをご紹介します。維持費が高くなる要因も紹介しているため、維持費を抑えたい方はぜひ参考にしてみてください。
車の維持費の項目を把握しよう車を維持するには「燃料代」「駐車場代」「自動車税・重量税」「自賠責保険・任意保険」のほか、洗車や消耗品などの「メンテナンス費用」と、3年または2年ごとの「車検費用」、故障時の「修理費用」など多岐にわたります。 正確な金額は車の燃費や状態・使用用途・ライフスタイルによって異なりますが、それぞれの費用項目が年間どの程度かかるのか見ていきましょう。 燃料代燃料代は、車の走行に必須となるガソリンや軽油の費用です。電気自動車の場合は充電するための電気代を指します。街乗り、週末のレジャー利用、商用利用など、用途や走行距離によっても変動します。 例えば、ガソリンが1L150円、燃費が22km/L、年間8,000km走行した場合、1年間の燃料代は約54,500円(8,000÷22×150)です。 駐車場代車を取得する際には車庫証明が必要になるため、「駐車場代」も車を維持する上で考慮すべき費用です。自宅に駐車スペースが確保できれば負担ゼロですが、確保できない場合は毎月一定金額の費用負担が発生します。 ちなみに、駐車場代の全国平均は8,300円前後です。東京都の平均は3万円、23区の中心部だと5万を超えるケースもあります。 税金(自動車税や重量税)車を所有すると、「自動車税・軽自動車税」と「自動車重量税」が課されます。自動車税と軽自動車税は毎年課税される税金です。自動車税は用途と総排気量によって税額が変わり、自家用乗用車は25,000~110,000円となっています。軽自動車税は一律10,800円です。 また、自動車重量税は自動車の重量に応じて課税される税金で、車検を受ける際に有効期間分の税金をまとめて支払います。これらに加え、以前は自動車取得時に「自動車取得税」が課税されていましたが、2019年9月30日で廃止となり、2019年10月1日から「環境性能割」が導入されました。これは、購入した車の環境性能に応じて課税額が変わる税金です。 保険料(自賠責保険や任意保険)車に乗る上で、自動車保険への加入は必須です。自動車保険は「自賠責保険」と「任意保険」に分かれます。自賠責保険は、すべての車に加入が義務付けられている強制保険です。未加入で公道を走った場合は自動車損害賠償保障法第5条違反として、以下のような罰則があります。 ・刑事処分:50万円以下の罰金または1年以下の懲役 一方、任意保険は車の所有者が任意で加入する保険です。自賠責保険でカバーしきれない損害を補填します。保険料は保険内容や補償範囲・年齢・車種・年式によって異なり、特に被保険者の年齢によって差がある保険です。 メンテナンス費用(洗車や消耗品)車を維持する上で、メンテナンス費用は欠かせません。タイヤやバッテリー、エンジンオイルだけでなく、日々の洗車代などもメンテナンス費用に当たります。 タイヤは走行距離によっても変わりますが、4~5年での交換が推奨されており、その際の費用は8,000~50,000円ほどです。バッテリーは2~3年程度での交換が必要とされており、車種によって費用は異なりますが、おおよそ5,000~40,000円程度です。 なお、エンジンオイルは7,500~15,000kmごとの交換が推奨されており、費用は3,000円~10,000円ほどかかります。 整備・修理費用(車検時や故障時)新車購入から3年後、その後は2年おきに発生する「車検費用」、故障や不具合が生じた際に発生する「修理費用」も車を維持する上では必須です。 車検は法律で定められた法定点検のため、車を所有すると必ず発生します。費用にはさまざまな種類があり、固定で発生する「法定諸費用」と、車検を行う場所や車の状態に応じて変動する「車検基本料」「整備料金」などです。 法定諸費用は自動車重量税や自賠責保険料、印紙代などが含まれ、3~5万円程度かかります。 車の1年間の維持費はどの程度?前述した費用項目をふまえて、1年間の維持費を予想してみましょう。普通自動車と軽自動車の年間の維持費を具体的に見ていきます。 普通自動車ここではトヨタのプリウスを例に、普通自動車を維持するために必要な年間費用をご紹介します。プリウスの主要諸元は「車両総重量1,635kg」「燃費30.8km/L」「総排気量1797cc」です。 車種:トヨタ プリウス(A“ツーリングセクション”2WD) ※1 2019年10月1日以降に新車登録した金額。グリーン化特例は適用していません。 軽自動車スズキのハスラーを例に、軽自動車の維持に必要な年間費用をご紹介します。ハスラーの主要諸元は「車両総重量810kg」「燃費25.0km/L」「総排気量657cc」です。 車種:スズキ ハスラー(HYBRID G 2WD) ※1 グリーン化特例は適用していません。 車の維持費が高くなる要因普通自動車・軽自動車ともに、車を維持するにはかなりの費用がかかることが分かりました。車の維持費が高くなる要因としては、「金利を含むローンの返済費」「低年式車の税金重課」「輸入車の高額なメンテナンス費用」などが挙げられます。この章では、それぞれの要因を詳しくご紹介します。 ローンを組んだときの金利車をローンで購入した場合、毎月一定額の返済が発生します。月々の返済額には金利も含まれており、金利の種類に応じて「固定金利型」と「変動金利型」に分かれることが一般的です。 固定金利型とは、景気変動の影響を受けず完済まで一定の金利が維持される方式を指します。返済額が一定であるため家計管理が容易である半面、市場金利より割高に設定される場合が多いことが特徴です。 一方、変動金利型は景気変動によって利率が変わる方式を言います。景気状況によってはお得にローンが組める可能性がありますが、市場金利に応じて月々の返済額が変動するため家計管理が煩雑になりやすいことが特徴です。 年式が古い自動車は課税額が上がる車の年式が古くなると、自動車税・自動車重量税は課税額が値上げされます。自動車税・軽自動車税は新車登録から13年経過で値上げされ、ディーゼル車は11年で重課対象です。普通自動車の値上げ幅はおよそ15%、軽自動車は10,800円から12,900円への値上げとなります。 また、自動車重量税も同様に13年経過で課税額が上がります。自動車重量税の場合は18年以降でさらなる値上げがあり、新車登録時と比べると普通自動車でおよそ40%、軽自動車で20%です。 輸入車の多くはメンテナンス費用が高額輸入車は維持費が高額になるイメージがある方も多いでしょう。しかし、税金や保険についての条件は、国産車と同等です。燃料代については燃費に応じて異なりますが、一般的に輸入車は国産車より燃料代がかかります。 他にかかる費用として車検や修理・メンテナンス代がありますが、これは国産車と比較すると高額になりやすい傾向です。輸入車は、車体だけでなく修理・メンテナンスに用いる部品も輸入しなければならないためです。 車の維持費を節約する方法ここまで、車の維持に必要な費用項目と、維持費が高くなる要因をご説明しました。車の維持費は安くないため、なるべく抑えたいものです。ここからは、車の維持費を節約する方法を見ていきましょう。 定期的にメンテナンスを実施するメンテナンスを行うには一定の費用がかかります。なるべく維持費を抑えようとあまりメンテナンスをしない方もいますが、定期的なメンテナンスを怠ると重大な故障を引き起こすかもしれません。 重要な部品にダメージが及んだ場合、その修理費用は高額となるため、定期的にメンテナンスを実施した方が、結果として維持費を節約できる可能性があります。 自動車保険の補償内容を見直す任意保険の保険料は、補償内容や特約によって大きく異なります。必要のない補償を外すことで保険料の節約が可能です。 また、自動車保険には従来からの「代理店型」と通信販売のように利用できる「ダイレクト型」があります。代理店型に比べダイレクト型はかなり保険料が安価に設定されているため、乗り換えを検討するのも一つの方法です。 低金利のローンを選択する車をローンで購入する場合、金融機関やディーラーでマイカーローンを組むのが一般的です。金利は金融機関やディーラーによって異なる他、マイカーローンには固定金利型と変動金利型があるため、景気動向を加味してなるべくお得にローンを組むと良いでしょう。 定期的に低金利キャンペーンも実施されているため、これを利用するのも一つの方法です。 安い駐車場を選択する年間の維持費の中で、駐車場代は多くの割合を占めます。特に首都圏の場合はその比率が高くなりがちです。青空駐車か屋内駐車か、砂利敷きなのか舗装済みなのかなど、その条件によっても金額が変わってきます。 月極駐車場を利用する場合は、なるべく安価なエリアで条件を絞って選択すると良いでしょう。 低燃費の自動車を購入する低燃費のエコカーは購入時に優遇されるだけでなく、グリーン化特例やエコカー減税など、維持していく上でもさまざまな税制優遇を受けることができます。 また、日々の使用で必ず発生する燃料代も安価に抑えることができるため、なるべく低燃費の車を購入するように心がけましょう。 排気量や車体重量が小さい自動車を購入する普通自動車の場合、自動車税は排気量によって異なります。自動車重量税は車両総重量に応じて変わります。もちろんこれらが小さいほど税金額も安くなるため、なるべく低排気量で車体重量が小さい車を選択すると良いでしょう。 ただし、小さい車を選んで自分のライフスタイルに合わなければ意味がありません。現在では、小さくても収納スペースがたっぷりある車も多くあるため、用途にあわせて選ぶことも大切です。 車の購入や買い替えは「中古車」がおすすめ車の購入といえばディーラーでの新車購入を想像される方も多いかもしれませんが、中古車にもさまざまなメリットが存在します。中古車の場合、今まで発売された車種の中から選択することができます。 また、車両価格が安いこともメリットです。同じ予算で比較した場合、中古車なら新車よりワンランク上の車を購入することも可能です。このように、中古車には新車にはないさまざまな魅力があり、信頼できる中古車販売店で購入すればリスクも最小化できるでしょう。 |
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