最新のロンタクはマクラーレンのような工場で作られていた!?新年早々、黒船の如きクルマがタクシー界に到来しました。その名も1月に発表、2月から日本で予約注文を開始した新型ロンドンタクシー「TX」! ロンドンタクシー(以下ロンタク)と言えば、戦前から英国の首都で使われているタクシー専用車両で、中でも1958年に作られ、40年近く使われたオースチンFX4は背高ノッポのずんぐりむっくりフォルムで日本人にもお馴染みです。 かたや新型TXですが、一見アニキ分の進化版ですが、全然違います。言わば見た目は古めかしい戦艦だけど中身は宇宙船という「宇宙戦艦ヤマト」のような出来なのです。 外板は樹脂で、骨格はすべてアルミ素材のそれも溶接なしのリベット&接着剤留め。駆動は100%モーターで、搭載する1.5L直3エンジンはボルボ製で完全に発電用。なんと31kWhのピュアEV並みの巨大リチウムイオン電池を搭載し、フル充電から130kmもEV走行が可能な、イマドキのレンジエクステンダーEVです。 なぜならそもそもロンタクを作っていたLTI(London Taxi International)社はその後ボルボのオーナーでも有名な中国のジーリー・ホールディングスに買われて、2017年にLEVC社へ改名。London EV Companyの略であり、いきなりモダンでハイテクなEV専業の商用車メーカーへと生まれ変わったのです。 実は小沢もLEVCの英国コベントリー工場に行ったことがありますが、まるでマクラーレンのような製作工程にビックリ。臭い溶接マシンは一切なく、まさにスーパーカーのような高品質素材と工程で作られていました。 すべてにおいて今までのタクシーにないパフォーマンスを実現肝心の日本価格ですがビックリ税込1120万円! スーパーカー並みの作りと、大容量バッテリーから考えると頷けますし、政府と都の補助金で756万円から買えますがそれでもトヨタが作る「ジャパンタクシー」が333万8500万円で補助金が100万円レベルであることを考えるとほぼ3倍! 果たしてどのくらい勝算があるのかをLEVCジャパンの小原学代表に直撃すると、 「我々は真正面からジャパンタクシーさんに立ち向かおうなどとは考えておりません。新型TXは世界でも希なタクシー専用車であり、サイズ、使い勝手、容量、乗り心地、すべてにおいて今までにないパフォーマンスを実現しています。乗り心地、加速のスムーズさひとつとってもこれまでのタクシーとは違いますし、クルマ椅子のお客様のアクセス性も全然違います。是非ともかつてない移動の快適さを味わっていただきたいと考えています」 実はジャパンタクシーにせよ骨格は「トヨタ シエンタ」との共有だったり、世界に送迎用タクシー専用車というのはほぼ存在しません。アメリカのイエローキャブも量産車ベースですし、従って車内はもちろん、ドア等も量産車ならではの制約を受け、送迎専用車としての限界が存在します。 例えはプリウスタクシーに乗った人で、リアに座りやすいと思った人はいないでしょう? その点、新型TXは、ドアの開口面積、開け閉めひとつとっても素晴らしく、回転半径も全長4.9mの巨大ボディのクセに4mと驚異的短さ。乗客も最大6人乗せられるだけでなく、クルマ椅子プラス最大4人までOK。クルマ椅子用スロープも慣れれば1分で出すことができます。乗車拒否などあり得ないイージーアクセスさなのです。 バッテリー寿命は100万km想定など耐久性にも自信がありそうもちろんジャパンタクシーのように月数百台とは売れないはずです。しかし、冠婚葬祭用も含め年間100台程度ならあり得るはず。 また新型TXはロンドンはもちろん、既に世界13ヶ国に導入実績があり、3800台以上を生産。多少お値段が張ってもエコで安全なタクシーを求める関係筋はあるのです。なにせ日本でも高価なテスラEVを購入する地方自治体があるくらいなので。 最後にエンジニアに聞くと、気になるEVとしてのバッテリー寿命ですが「100万キロを想定している」とのこと。10万キロでへたる従来タイプのEVを考えるとビックリですが、既に世界で延べ1億5000万km以上を走行しているほか、バッテリー寿命に関わる冷却性、充電タイミングを恐ろしく綿密にコントロールしている模様。 いろんな意味でタクシー界の黒船たる新型TX。チャンスがあればぜひ日本の街角で捕まえてみたいものです。 |
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