続く中古車販売価格の高騰中古車を購入しようとしたときに、「中古車の価格が以前よりも高くなっている気がする」と思われた方もいるかもしれません。近年は新型コロナウイルス感染拡大の影響などで、中古車市場は高騰傾向にあります。 人気車種の一部では中古と新車の販売価格にほぼ差がないほど高騰するケースもあり、不安定な中古車市場は今後しばらく続く見込みです。さらに、国内では中古車の流通が減少しており、今後入手が困難になる車種も増えると予想されています。 この記事では、中古車価格の高騰に影響しているとされる4つの原因と、価格相場の変動に注目しておきたい車種について詳しくご紹介します。
中古車が高騰する背景1:新型コロナウイルス新型コロナウイルスの感染が広まり始めた2020年頃から中古車価格は高騰傾向でしたが、感染拡大の影響を受けて相場価格はさらに高騰しました。感染拡大の先行き不安感からか一時的な販売台数の落ち込みはあったものの、新しい生活様式に対応するかたちで中古車ニーズは上昇しています。 ここからは、新型コロナウイルスと中古車需要の増加の関係性を詳しくご紹介します。 感染対策として活用されている新型コロナウイルスによる車需要の増加は、中古車市場にも大きな影響を及ぼしました。厳密には、2020年4月の緊急事態宣言発令頃から、中古車の需要が増加しはじめたと言われています。 その背景には、新型コロナ感染リスクや三密を避けられるとして、移動手段に車を利用することが推奨されたことにあります。そのなかで新車供給の遅れが重なり、中古車需要が急増したのです。 一方、車の使用頻度が増加したことで車の売却を控える傾向があり、需要の増加に反比例して市場の中古車の流通台数は減少しました。そのため、中古車の相場価格は高騰し続けています。 マイカー人気が上昇している新型コロナウイルス感染拡大に伴い公共交通機関を利用する人が減少し、代わりに車を利用する人が増加しました。なかでも、自家用車の需要が高まっています。 そのため、今まで車を所持していなかった若年層の間でも自家用車の需要が高まっています。ウイルス感染拡大をきっかけに、自家用車の利便性や魅力が再認識されたということです。 しかし、自家用車は金銭的負担が大きいため、新車よりも安価ですぐに手に入りやすい中古車の人気が上昇していると考えられます。 富裕層で高級車需要がアップしている新型コロナウイルスの影響で、気軽に旅行やレジャーなどに出かけるのも難しくなった代わりに、高額な嗜好品を購入する富裕層が増加しています。そのなかでも、特に趣味性の高い高級車に人気が集まっているようです。 特に、新車は納期が長く手に入れるのに時間がかかることから、すぐに手に入れられるメーカー認定中古車の需要が高まっています。また、新車は、売却時に価格が下落しやすいのに対し、メーカー認定中古車は価格が下がりにくいため、投資目的や節税対策として中古車を購入する富裕層がいることも中古高級車需要の増加の一因として考えられます。 中古車が高騰する背景2:半導体不足半導体は、「電子機器の頭脳」とも呼ばれる現代社会に欠かせない部品です。しかし、半導体チップは世界的に不足している現状となっており、様々な業界が打撃を受けています。 自動車業界も例外ではなく、半導体不足により新車の生産が遅れたことで、中古車価格の高騰にもつながっています。ここからは、半導体不足の背景を詳しくご紹介します。 新たな半導体需要が拡大している情報家電やデジタルデバイスによって便利な世の中になったものの、そのほとんどの媒体が半導体を必要不可欠としています。そのため、半導体不足によって、あらゆる産業が打撃を受けています。 また、新型コロナウイルスによるリモートワークの増加や外出自粛の影響で、パソコンやスマートフォンの需要が拡大し、最先端のチップの生産が最優先にされたことも自動車業界を含む他業界の半導体不足に拍車をかけました。 コロナ後もデジタルデバイスの需要は減らないと予測されるため、半導体不足はコロナ禍の一時的なものではなく、しばらく続く可能性が高いでしょう。 サプライチェーンが混乱している先述したようにコロナ禍ではデジタルデバイスの需要が高く、半導体製造施設の多くは最先端のチップの生産に注力しています。しかし、自動車や家電製品などのデジタルデバイスとは異なる半導体チップを多用する製品の需要急増が起きたため、半導体の生産が追いつかない事態になっているのです。 また、新型コロナウイルス感染拡大による工場の閉鎖や対中制裁によって、注文が台湾勢に集中したこともあり、半導体の供給不足が引き起こされました。 その結果、自動車メーカーではサプライチェーンが混乱し、新車の製造の遅延や製造台数の削減が起こり打撃を受けています。 増産投資が不足している自動車用の半導体不足には、多くの自動車メーカーが半導体のオーダーをキャンセルしたことも理由に挙げられます。新型コロナウイルス感染初期に、自動車の需要が下がると予想されたため、メーカーは半導体のオーダー数を減らしました。 しかし、自動車の需要が回復した頃にはすでに自動車用の半導体の製造ラインが他の半導体の製造で埋まってしまっており、多くの自動車メーカーは予想外の半導体不足に対応することが不可能になってしまったのです。 こうした背景から製造ラインの遅れを回復させるために、各半導体メーカーは増産態勢を整えようとしています。しかし、半導体不足を解消するための増産態勢の強化には数年を要すると言われており、短期的な解決は難しいと考えられます。 中古車が高騰する背景3:原油高騰原油は、ガソリンや軽油といった車の燃料以外にも、ゴム製品やプラスチック製品の原料となるため自動車にとってもなくてはならない存在と言えます。そんな原油も新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、需給バランスの変動が起きています。 では、実際に、原油価格高騰が中古車市場にどのような影響を与えているのでしょうか。 原油の需要と供給のバランスが乱れている2021年半ば頃から世界的な経済回復で原油需要が増えているにもかかわらず、石油輸出国機構(OPEC)加盟国で形成するPOECプラスは、原油の産出量拡大に関して積極的ではありません。 加えて、国際エネルギー機関(IEA)によると、経済協力開発機構(OECD)加盟国が発表した2021年8月時点の石油在庫の平均値は、過去5年感の平均値を大幅に下回ると言われています。 このように原油供給不足が解消されることは難しいと考えられており、需要がひっ迫し原油価格の高騰につながっているのです。また、エネルギー価格以外にも、ゴムやプラスチックといった原料価格もしばらくの間高騰すると予想されています。 車業界にも影響は大きい原油の高騰により自動車の製造コストが上昇し、販売価格などにも影響しています。新車販売価格の高騰は、中古車販売価格の高騰に直結するため、車の購入価格は全体的に値上がりすると予想できるでしょう。 また、原油価格の高騰によって売れ筋にも変化が起きています。世界的なトレンドの1つだったSUVの市場が減少し、SUVと比べて燃費性能が優秀なセダンやコンパクトカーの需要が増加しています。 この流れで考えると、今後はハイブリッドカーやEV(電気自動車)のような燃費性能が優れた車の相場価格が高騰する可能性が高いでしょう。 中古車が高騰する背景4:日本車の海外需要中古車相場価格が高騰している理由の一つとして、中古日本車が海外市場へ流通していることも挙げられます。日本車の高い品質は以前から世界中で評価されていましたが、最近は今まで以上に海外への流通が増えている傾向にあります。 ここからは、日本車の海外需要について詳しく説明していきます。 25年ルールの影響により輸出量が増えているアメリカには右ハンドル車の輸入を制限する通称「25年ルール」という制度が存在しており、右ハンドルの日本車は製造から25年経過しなければ原則輸入ができません。しかし、今までアメリカが輸入できなかった日本車が次々と製造25年を超え、近年になって多くの日本製中古車がアメリカに輸出されています。 また、製造から10年以上経つ中古車であっても、海外では高額で取引されやすいことも、日本の中古車の海外への輸出が増えている一因と考えられるでしょう。 ネオクラシックカーの人気が高騰している現在海外では、映画やゲームの影響でネオクラシックカーとも呼ばれている1980~1990年代に製造された日本製のスポーツカーの人気が高騰しています。これらはすでに生産終了しているものも多く、中古車でありながら高額で取引される傾向があります。 今までは国内での流通が主でしたが、25年ルールの適用期間が終わり「日産 スカイラインGT-R」や「トヨタ スープラ」といった名車・傑作車が近年海外へ大量に輸出されるようになりました。この影響で国内の中古スポーツカー流通量は減少し、国内向けの相場価格の高騰が続いています。 価格高騰が気になる中古車の相場状況とはここまでご説明したような背景から、中古車価格の高騰はしばらく続くと考えられます。さらに、海外への輸出が増えていることもあり、今後国内に流通する中古車が減少する可能性もあるでしょう。 そのため、中古車の購入を検討しているのであれば、なるべく早めに購入することがおすすめです。ここからは、中古車市場で人気のある車種の相場状況をご紹介します。 軽自動車:ジムニー4代目モデルとなる現行ジムニーはスクエア基調でより骨太なイメージが魅力です。歴代モデルの伝統を受け継ぐ高い走行性能はもちろん、安全性能や環境性能もアップデートされています。 ミニバン:アルファード2022年2月17日現在のbty掲載情報では、トヨタ アルファードの平均価格は約435.6万円となっています。 スポーツカー:フェアレディZ200なお、2022年に新型フェアレディZの販売開始がアナウンスされているため、その直後は乗り換え需要で市場流通が活発になる可能性が期待できます。 セダン:クラウン2022年2月17日現在のbty掲載情報では、トヨタ クラウンの平均価格は約405.7万円となっています。 SUV:ランドクルーザープラド2022年2月17日現在のbty掲載情報では、ランドクルーザープラドの平均価格は約412.9万円となっています。 |
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