カローラもクラウンも面白いクルマになったがMIRAIは…50歳になったら、その時に販売しているトヨタの日本代表車種4C(カローラ、コロナ、クラウン、センチュリー)のどれかを購入しようと決めていました。いずれも運転して楽しいクルマという印象はなかったのですが、「カローラ スポーツ」と「クラウン」がデビューしたことでちょっと期待が膨らんできましたよね。 そんな折、カムリがマイナーチェンジしたということで試乗してみました。ガソリンエンジン車が追加されるかもという噂もあったのですが、追加されたのは見た目がスポーティーなグレードのみで、ハイブリッドしか選べないのは相変わらず。やはり乗ってみても特筆するような乗り味の持ち主ではないようです。ですが室内は広く快適で、デザインもかっこいい。400万前後くらいしますが、世界戦略車だけにクオリティは高いと感じましたし、あえて言うならクルマにそこまで思い入れがない人などには薦めやすいと思います。 カムリの横には「MIRAI(ミライ)」も置かれていました。奈良には水素ステーションがないので、よほどの粋人しか買わないと思われるこのMIRAIの試乗車を用意するその粋人なディーラーに感激です。 これは試乗するしかありません! しかし残念なことに、MIRAIにそれほど未来を感じることはできなかったのです。インテリアデザインが一昔前のものだし、今時パーキングブレーキも足踏み式です。走っても、加速がもっさりしていてモーター感が足りない。かすかに聞こえてくる音になんとなく発電所(燃料電池のこと)を背負ってる独特の感じがありますが、未来感はそれくらい。1997年に初代プリウスがデビューしたときの驚きや感激を思うと、あのクルマこそMIRAIという名がふさわしかったのかもしれませんね。 日本なら幅広い動力源のクルマから選べる!?国やメーカーどれだけ水素自動車を売りたいのかはわかりませんが、どうせなら新型センチュリーを水素自動車にすれば良かったんじゃないかと。開発者インタビューやディーラーで「センチュリーにはハイブリッドがないからLS600hLに買い換えた」とか、「旧型センチュリーでもVIPを待ってる間アイドリングストップしている人が意外にいる」という話を聞きました。だとしたら究極のニッポン代表車として、VIPに水素自動車というのはインパクトがあります。価格もそんなに問題にはならないでしょう。クルマの使い方や日常の行動範囲から察するに、水素ステーションの少なさもきっと問題ない。 ついでにこんなことも思いました。日本車と輸入車を合わせると、日本にはすべての動力源が揃っているな、と。各種パラレルハイブリッド、シリーズハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド、最新型Sクラスなどに搭載された直6+48Vシステム、バッテリーEV、水素自動車、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、気筒数も2気筒から12気筒まで、などなど、これだけの種類の動力源のクルマを今この世で量産車として普通に買える国は世界中探しても恐らく日本だけではないでしょうか。 運転して楽しいかとか、ブランドが好きかどうかということではなく、動力源に焦点を当てたクルマ選びができる。やっぱりガソリンエンジンでなければとか、何年もかかってようやく実用化したと言われる量産48Vシステムを試してみたいとか、そんな切り口でクルマを見てみる、買ってみるというのもいいんじゃないかと思います。そんな人いないか。 (ジャーナリストコラム 文:大田中秀一) |
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