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ロールス・ロイスより敷居が高いセンチュリー。その後席に乗れるVIPはどんな人々なのか? ...

2019-3-22 07:00| post: biteme| view: 821| コメント: 0|著者: 文:大田中 秀一/写真:大田中 秀一、編集部

摘要: 後席に座れる可能性はロールス・ロイスよりずっと低い 幸運にも新型トヨタ センチュリーに一日試乗する機会を得られたので、運転席、助手席、後席でそれなりの時間を過ごしてみました。後席に座り、走り始めてしばら ...

ロールス・ロイスより敷居が高いセンチュリー。その後席に乗れるVIPはどんな人々なのか?

後席に座れる可能性はロールス・ロイスよりずっと低い

幸運にも新型トヨタ センチュリーに一日試乗する機会を得られたので、運転席、助手席、後席でそれなりの時間を過ごしてみました。

後席に座り、走り始めてしばらくは、「高速道路の継ぎ目をコツコツ拾う乗り心地が…」とか、「ロードノイズが…」、「マッサージ機能が…」、「カーテンを少し開けて手を振ってみたくなりますね」などとはしゃいでいたのですが、落ち着いてふと外に目をやると、後席からフロントウィンドウにいたるまでの視界が良くて、実にいろんなものが目に入ることに気づきました。この、目の高さの視界が広いということがまず快適でした。

「ここに座るようなVIPは何を考えているのだろう?」
「どんなサラリーマン人生を送ってここにたどり着いたのだろう?」

考えてみれば、ここに座れる人は、皇族は別格として、民間人では大企業の社長や数人の役員、トップ級の高級官僚に大臣クラスの政治家といった本当に一握りの人たちでしょう。苦労してそれなりの学校に入り、それなりの成績で卒業し、入った会社や官庁でそれなりの苦労の上に実績を残して来た人の“上がり”の席。

それぞれの世界で何千分の一、何万分の一という狭き門をくぐり抜けてきた人だけが座ることができる席。実力だけでなく、周囲から認められ、運にも恵まれなければ通れない、自分の意思だけではどうにもならない部分が大きい門。

急に儲かっちゃった人も乗れないし、カネがあるからと言って座れる席でもない。そういう点では、引き合いに出されるロールス・ロイスよりも敷居が高く、座れる可能性はずっと低い、値打ちのある席だと言えましょう。

もちろん、ロールス・ロイスを買えるような起業家や親から引き継いだ資産がある人ならセンチュリーも買えるでしょうけど、きっと買わない。

そんな席に座って何を想う。

車窓に映る街の景色を見ながら、後を継ぐ者たちに何を残そうか、この席を卒業するまでにこの世界のためにあと何ができるか? なんて壮大なことを考えているのか。あるいは今晩こっそり会いに行く祇園の女将への手土産や次の旅行のことを考えてニヤニヤしているのか…。そんな、それぞれの物語があれこれ頭に浮かぶ後席。

そこにあるのは日本の社会や伝統の変わらぬ価値観

後席だけでなく、運転席でも助手席でもそれぞれの物語が感じられました。

どんなことを考えながら運転しているのか。後席の主は何やら急いでそうだから、モードをスポーツプラスに切り替えて、わかってますよ感を演出してみようか、とか、眠ったみたいだから起こさないように運転スタイルを変えようか、なんて考えているのだろうか。

助手席では、この主を支えるのが自分の天命だと思っている秘書が座っているのか、なんでこんなやつを守らなければならないんだと内心おもしろくないと思いながらも周囲に目を光らせているSPが座っているのか、とか。

どの席にいても物語が頭に浮かぶ、そんなクルマでした。

社長や役員がセンチュリーに乗っているような会社に勤めている人は、何かの機会にセンチュリーの後席を体験し、いつかはこの席に座るポジションに行くんだと野望を持って欲しい。そう思う人が増えれば会社ももっと発展するでしょう。

いま座るポジションにある人には、ちょっとでも日本が良くなるようなことを考え、実行してもらいたい。大企業のトップなら、関係する中小企業の社長がロールス・ロイスに乗れるような、共に発展するような世界を考えてもらいたい。そうすれば、いろんな人が夢を持てるようになる。

そして、センチュリーの後席を卒業するころには、日経の「私の履歴書」に連載されたり「交遊抄(こうゆうしょう)」に登場したりという若干の名誉も得ると。(※どちらも各界の著名人を特集する連載記事)

平成も終わろうというこのご時世でこんな昭和の価値観はと笑われそうですが、土台の価値観はそうそう変わらないものだと思います。

センチュリーの21年ぶりのフルモデルチェンジは、ものづくりのやものづくりの心を引き継ぐ「式年遷宮(※読みは“しきねんせんぐう”。神社の社殿を定められた周期で造り替え、永遠性を保つこと)」の意味合いも大きいと、発表会の時の言葉にもありました。センチュリーの後席に座る人には、日本人の心や日本人の生きる道は何かということを後継者に引きついでいってもらいたいと思います。

そんな柄にもないことを考えてしまう、不思議なクルマでした。

自身、センチュリーに乗れるチャンスのある大企業に22年間勤めていたのですが、「なんでセンチュリーの後席を目指すようなサラリーマン人生を送らなかったんだろう」と、強く思いました。

この歳になると、同期や年齢が近い先輩後輩の人事情報が新聞に載るようになります。新入社員当時からの社内での生き方や苦労を知っている身としては、それを目にするたびにいろいろ思うところがあります。

そんな自分のサラリーマン人生の後悔の念に襲われた一日でした。

(ジャーナリストコラム 文:大田中秀一)
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大田中秀一(おおたなか しゅういち):自動車エッセイスト
ジャカルタで過ごした少年時代、バジャイ(現地の名物三輪タクシー)を無免許で走らせクルマに目覚める。インドネシア語と英語を操るトリリンガルで、某電池系大手企業の国際営業部、父が経営するインドネシア企業を経て、現在複数のクルマメディアに寄稿中。語学力と押しの強さを武器に、世界のモーターショー巡りをライフワークとし、バスにまで及ぶ知識は仙人の域。

スペック

【 トヨタ センチュリー 】
全長×全幅×全高=5335×1930×1505mm
ホイールベース=3090mm
駆動方式=FR
車両重量=2370kg
エンジン=5.0L V型8気筒DOHC直噴ハイブリッド
最高出力=280kW(381ps)/6200rpm
最大トルク=510Nm(52.0kg-m)/4000rpm
モーター最高出力=165kW(224ps)
モーター最大トルク=300Nm(30.6kg-m)
バッテリー=ニッケル水素(6.5Ah)
トランスミッション=電気式CVT
サスペンション=前後:マルチリンク式
タイヤサイズ=前後225/55R18
使用燃料=プレミアムガソリン
価格=1960万円


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