今年は素晴らしい実用大衆車が続々登場した本稿の公開日が年末になるのか年始になるのかを筆者は知らないが、そのどちらかであることだけは確かであろう。ということで本稿では2019年を振り返るととともに、2020年を展望してみたい。 いきなりの結論としては「過ぎ去った2019年は、いち自動車愛好家として非常にいい1年であったし、来たる2020年もたぶんいい1年になるだろう」ということだ。 そう考える理由その1は「このところ素晴らしい実用大衆車が続々登場しているから」である。 日産「デイズ」やホンダ「N-WGN」、あるいはスズキ「スペーシア ギア」あたりに代表される新世代の軽自動車は確実に何らかの“ブレイクスルー”を果たした感があり、一部の軽自動車はもはや「なかなか素晴らしい乗り物」へと進化を果たした。そして今後も同様の、あるいは前述の3モデルを上回るほどの出来栄えの新型軽自動車が続々登場するだろうことは想像に難くない。なんとも素晴らしい時代ではないか。 また登録車に目を転じてみても、大いに期待できるモデルの登場が目立つ。 筆者は国内試乗会にすら呼ばれないモグリの闇業者であるため未試乗なのだが、正規ジャーナリスト各位の話を聞く限りでは、今度の「ヴィッツ」改め「ヤリス」はかなりのモノであるとのこと。またこれまた闇業者的には未試乗のダイハツ「ロッキー」、トヨタ「ライズ」も“なかなかやりよる”と聞いている。比較的安価ながら「いい車」が市場に多数出てくるというのは、本当に慶事である。 特に、「トヨタの躍進」というのか「トヨタの逆襲」というべきかは不明だが、あのトヨタが「自動車愛好家にも激しく刺さるニューモデルを連発し始めた」というのは圧倒的な慶事と言えよう。 なんだかんだの毀誉褒貶(きよほうへん)はありつつも「日本を代表する自動車メーカー」であることは間違いないトヨタが素敵な車を作ってくれないことには、そもそも話が始まらない。まぁトヨタに本気を出されると他メーカーはシャレにならないのかもしれないが、それはそれとして、「トヨタのニューモデルにも大いに期待できる!」という事態は、ニッポンの自動車愛好家としては予想だにしなかった(?)超絶慶事と言うほかない。 ドライバーのマナーは確実に向上した、と思うそして「過ぎ去った2019年は、いち自動車愛好家として非常にいい1年であったし、来たる2020年もたぶんいい1年になるだろう」と考える理由その2は「ドライバー各位のマナーは確実に向上しているように思えるから」だ。 「ドライバーのマナーは向上している」と言ってしまうと、もちろん異論反論はあるだろう。 「何言ってんだテメーバカコノヤロー! JAFの調査でも信号機のない横断歩道でちゃんと停止するドライバーの数はあんまり増えてないって言ってたし、そのへんのおっさんドライバーは相変わらずウインカー出さないし!」というような反論だ。 確かにそのとおりではある。 実際筆者も本日、ウインカーを出さないまま下品な車線変更を繰り返す「ランチア デルタ HFインテグラーレ」に閉口し、信号機のない横断歩道でお母さんと子供が渡りたがってるっちゅうのに、無視して走行を続けた「ブルーバード シルフィ」に激怒した。 そういった輩がいまだ多いことを、筆者は否定しない。 だがそれでも「昔と比べたら、ここ最近はマシになりかけてるんじゃない?」とも感じている。もちろん「まだまだ」ではあるのだが、長期のトレンドとしては「良い方向」に向かっているような微妙な風とアトモスフィアを感じているのだ。 それがいつになるかはわからないが、いつかは必ず「信号機のない横断歩道で止まらないドライバー」も「ウインカーを出さずに車線変更を繰り返すバカ」も、昭和の時代にあった「駅の痰ツボ」的存在になるはずだ。 「え? ……ああ、痰ツボ! そういえばそんなモノもあったね、懐かしいね」というような感じで、前述のような不逞のドライバーのことが語られる日は近いと筆者は確信している。大丈夫、きっと良くなる。 以上、かなりの希望的観測というか「願望」によるバイアスがかかった認識であることは百も承知だ。しかしこのような「良いイメージ」を持って2020年に臨むことが、長期的には「良き交通社会」ならびに「良き自動車趣味世界」を作ることにつながるのではないかと思い、あえて書かせていただいた。 年末もしくは年始にあたり、各位のご多幸と交通安全を祈ります。 (ジャーナリストコラム 文:伊達軍曹) |
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