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ル・マン直前。トヨタチームの中心=TMGに参戦の意義を聞いた

2018-6-14 16:30| post: biteme| view: 829| コメント: 0|著者: 文:島下 泰久/写真:トヨタ自動車

摘要: TMGはWRCやWECを戦うトヨタ チームの核心部 先日、ヨーロッパでの取材の合間を縫って時間を作り、ドイツ ケルンにある「TMG(トヨタ モータースポーツ有限会社)」を訪問してきた。トヨタのヨーロッパに於けるモータ ...

ル・マン直前。トヨタチームの中心=TMGに参戦の意義を聞いた

TMGはWRCやWECを戦うトヨタ チームの核心部

先日、ヨーロッパでの取材の合間を縫って時間を作り、ドイツ ケルンにある「TMG(トヨタ モータースポーツ有限会社)」を訪問してきた。トヨタのヨーロッパに於けるモータースポーツ活動を担う同社は、元々はWRCの前線基地であったTTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)が起源。これまでグループA時代までのWRCにF1、WECなどをトヨタ チームとして戦ってきた会社である。

施設内を見学し、またTMGの副社長/テクニカルダイレクターのパスカル・バセロン氏、そしてここで開発される「GRスーパースポーツ コンセプト」の市販版の開発責任者である古場博之氏などに話をうかがうことができた今回の訪問。せっかくなので、意外や知られざる? TMGとはどんな会社なのかをここで紹介できたらと思う。

「現在のTMGの業務の一番大きな部分を占めるのは言うまでもなくWECでのレース活動です。続いてはWRC用のエンジン開発。その他に86などを使ったカスタマーモータースポーツの支援、そして古場さんが手掛けているGRスーパースポーツもあります。実に60以上のプロジェクトが同時に動いているんです。スタッフは正規メンバーだけだと300人ほどですが、色々合わせれば400~500人にはなります。国籍は20以上、40歳以下の若いエンジニアがとても多いですね」

バセロン氏は、まず会社の規模をこう紹介してくれた。ちょうどレースウィークだったこの週、工場内ピットではWECのマシンを整備中。また、カスタマーラリー用の「86」の製造、そしてこの時、目前に迫っていたニュルブルクリンク24時間用の「レクサスLC」も、やはりここの一角でトヨタ自動車のスタッフ達によって整備が進められていたという具合で、とにかく規模は非常に大きい。

「各プロジェクトは、それぞれがひとつの小さな会社のようなものです。独自の予算を持ち、リスクと利益があります。こうすることでエンジニアの経験が高まり、仕事の効率も向上するんです」

GRスーパースポーツの開発や生産もTMGが担当

面白いところではF1やDTMのチームへの協力も行なわれている。TMGには世界最高峰の性能、精度を誇る風洞実験施設があり、ここを中心に実は世界の多くのチームがTMGの施設を開発に利用しているのだ。

「もちろん、トヨタやレクサスと競合しないところに限りますけどね。以前のF1のチャンピオンチームもここを使っていましたよ」

しかも活動はレースだけには留まらない。TMGはエンジン開発、シャシー開発、素材技術、風洞など自動車関連技術に於いて、最先端の設備とノウハウを擁している。また、これらを活かしてトヨタ自動車のR&Dセンターとして、最先端テクノロジーの開発にも力を注いでいるのだ。この日も、自動運転関連のシステム開発などを行なっているところを見ることができた。

「F1から撤退した後、トヨタ自動車と共同でモデルベース開発のベースを構築してきました。これは様々な開発業務に役立っています。先行開発を手掛けることも多いですね。TMGは小ロットの開発、生産を迅速に行なうのが得意ですし、トヨタ自動車は量産技術や、ロードカーの認証プロセスなどに長けている。互いのメリットをうまく活かし合うかたちですね」

開発業務に関しては、TMGはトヨタの中でもGRカンパニーに組み入れられている。よって開発案件も、GRのラインナップに関わるもので占められているはずだ。また、人材交流も盛んで、常にトヨタ自動車から様々な分野で常時10名以上のスタッフが送り込まれているという。

「GRカンパニー的な視点で言えば、私達はもっとキャパシティを広げていく必要があります。TMGのパフォーマンスはとても重要で、それをうまく活用していかなければなりません。TMGには幅広い範囲の知識と技術、そして開発スピードの速さがあります。これはトヨタ自動車のそれより、はるかに速いと言っていい。一方で私は、量産車の経験はありますが、レースはできない。お互いのノウハウをうまく噛み合わせることができたら、まさにWin-Winのシチュエーションが生まれるでしょう」

古場氏はこう言う。GRスーパースポーツの開発、生産を行なうのは、まさにここしかあり得なかったということだろう。そんなスピード感で行なわれるに違いない今後の開発、大いに期待したい。

ポルシェが去ったル・マンを戦う意義はなにか?

さて、もちろんWEC、そしてル・マン24時間にも触れないわけにはいかない。アウディに続いてポルシェも撤退した中で、トヨタが最高峰カテゴリーを戦い続ける理由は、果たして何なのか。それにはバセロン氏が即答した。

「ターゲットは簡単で、チャンピオンシップを争うことです。もちろん、これまでのように同じカテゴリーに競合が居れば、彼らを打ち負かすことがターゲットになりますが、今年は状況が変わりました。正直、我々のハイブリッドマシンが使える燃料は本当に少ないですから、(簡単に勝てると考える人も多いが)レースを予想するのは難しいです」

今年のToyota Gazoo Racingのトピックとしては、現役F1ドライバーであるフェルナンド・アロンソ選手の加入も挙げられる。このことはチームにどんな影響を及ぼしているのか。

「何か大きく変わったということはありません。もちろんチームは彼と働けることに歓びを感じていますよ。フェルナンドは決してプリマドンナになろうとはせず、誰とでも気軽に挨拶をして、チームに溶け込んでいる。レースを戦いたいという純粋なパッションがあります。ピュアなレーサーなんです」

注目のル・マン24時間レースはもうすぐ幕を開ける。悲願の初優勝、ぜひ実現してほしい。

更に言えば、その技術をベースに開発されるGRスーパースポーツ コンセプトの市販版にも、やはり期待が募る。ここまでの話に出てきたように、トヨタ自動車とTMGのそれぞれの美点を活かし合うことができれば、他のメーカーには決して出来ない崇高な1台が生まれるに違いない。

TMGという会社のこと、少しは伝わっただろうか。私としては今後も、その動向にはこれまで以上に注目していくつもりだ。


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