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相次ぐフォーミュラEへの参戦表明。ドライバーとファン目線でこの状況を考える

2017-8-2 10:20| post: biteme| view: 923| コメント: 0|著者: 文:島下 泰久

摘要: EV重視の流れに沿った理解しやすい選択 7月末、ドイツから相次いでモータースポーツ界を大きく揺るがせるニュースが舞い込んできた。メルセデス・ベンツとポルシェによるフォーミュラE参戦の発表だ。元々、シーズン5 ...

相次ぐフォーミュラEへの参戦表明。ドライバーとファン目線でこの状況を考える

EV重視の流れに沿った理解しやすい選択

7月末、ドイツから相次いでモータースポーツ界を大きく揺るがせるニュースが舞い込んできた。メルセデス・ベンツとポルシェによるフォーミュラE参戦の発表だ。

元々、シーズン5(2018/2019)からのワークス参戦を表明していたメルセデス・ベンツは、結局1年遅れでのエントリーとなった。驚いたのは、それが何とDTM(ドイツ ツーリングカー選手権)からの2018年限りでの撤退と引き換えに行なわれるということである。

更に大きな驚きをもって迎えられたのが、ポルシェのフォーミュラE参戦だ。彼らは今年限りでWEC(世界耐久選手権)の最高峰LMP1-Hクラスでの活動を終了し、同じくフォーミュラE シーズン5より参戦を開始するという。

いずれのブランドも今後、EV(電気自動車)を製品ラインアップの重要な軸にしていくことを表明している。メルセデス・ベンツは「EQ」ブランドを2018年より展開する予定だし、ポルシェはミッションEと呼ばれるEVスポーツカーの開発が急ピッチで進められているところだ。そのプロモーションとしてEVによるレースに参入することが理解しやすい選択であることは間違いない。

今後ドライバーの実力に合った場所は確保できるのか?

しかし、理由はそれだけではないだろう。たとえばコスト。DTMは費用高騰などを理由に今年、参戦する3メーカーが申し合わせてエントリー台数を減らしたばかりだ。またWECも特にLMP1-Hクラスは競争激化もあり開発に多額の費用がかかっていると言われる。フォーミュラEはシャシーやバッテリーがワンメイクであり、それらに較べれば相当に低コストで戦うことができるとされる。

しかも、シーズン5になればフォーミュラEにはルノー、DS、ジャガーにアウディ、BMWまでライバルが出揃う。メルセデス・ベンツにとっては、あくまで国内レースでしかないDTMよりも、ポルシェにとっては、もはや証明するものの無いWECよりも、激しい競争があり、先進イメージのあるレースはアピールの舞台として相応しいと考えたとしても不思議ではないだろう。但し、それはあくまでメーカー目線での話である。ドライバーにとっては、そして何より大切なはずのファンにとっては、この話はどんな影響を及ぼすだろうか。

まずドライバーにとってみれば、F1をリタイアした後の、あるいはF1に乗れなかったとして次の選択肢としてのカテゴリーが一気に魅力を無くす、もしくは消滅の危機に瀕するということになる。WECもDTMも同様にそうした役割を果たしていたはずだし、特にDTMはF3やF2とF1の間の架け橋にもなっていた。フォーミュラEのマシン性能や市街地を中心としたコースでは、その役割を引き継ぐのは難しい。

今後メルセデス・ベンツは、AMG GT3を使用するGT3マシンでのレースに、ウェイトを移すのだろうか。ポルシェは現状のドライバーラインナップをすべて保持すると表明しているが、LMP1-HのドライバーでフォーミュラEにフィットしそうなのは、ブレンダン・ハートレーくらいでは? あとは世界各国のGTプログラムに送り込むしかないように考えられるが、それで彼らは満たされるだろうか…?

もちろん、もっとも深刻なのはファンの気持ちだ。DTMは国内レースとは言え、国内では根強い人気を誇ってきた。そしてWECにはル・マンという重要なコンテンツがある。そこから離れて、フォーミュラEという現時点ではまだ多くの支持を集めているとは言い難いカテゴリーに移るのは、ファン不在の決断では? という感が否定できない。少なくとも、ル・マンのようなスペクタクルをフォーミュラEが提供できるようになるまでには、まだ相当な時間が必要なはず。さて、どうなるのか……。

ワールドクラスのドライバーは日本を目指す!?

さて、我らが日本メーカーの動向はどうだろう。ドイツの主要メーカーがこぞってフォーミュラE参戦を決める中、取り残されたように感じている人も、あるいは居るかもしれない。しかし、そもそもハイブリッドと燃料電池を推すトヨタにフォーミュラEは馴染まないし、ホンダの状況もそれに近い。やはりフィットはしなさそうだ。

実際、筆者も以前は、もっと早い段階で1社くらいフォーミュラE参戦を決めてくれたら……と思っていたのだが、そんなメーカーの哲学はもちろん、現時点でのレースとしての魅力という意味でも、性急になる必要は無いかもしれないと今はちょっと考えが変わってきている。

それこそドライバー目線、ファン目線で見たらどうか。スーパーGTのGT500クラスは今、マシンのスピード、そしてプロフェッショナリズムなどで世界中のドライバー達から注目されており、実際に今月末の鈴鹿1000kmにはジェンソン・バトン、小林可夢偉といったF1経験のある人気ドライバーが参戦する。

スーパーフォーミュラだって、観客動員には問題を抱えているとは言え、たとえばアンドレ・ロッテラー選手のようなポルシェ所属の世界的ビッグネームが今も継続参戦しているのは、やはりドライバーにとって魅力あるカテゴリーだからだろう。これからは案外、戦い甲斐を求めるワールドクラスのドライバーは日本を目指すという状況が生まれるかもしれない、なんて考えるのは甘いだろうか?

市販車のパワートレインを取り巻く状況がここ数年で一変したように、モータースポーツの周辺環境も激変している。特にメーカーが関係する大規模なものは……あるいは、そうした事情に振り回されるトップカテゴリーと、純粋なレース界はこれから徐々に距離を空けていくことだって考えられそうだ。いずれにしても、ファンを置き去りにするようなことはあってほしくないというのが、何より筆者が訴えたいことである。


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