それホント？　EVで世界に遅れ始めているニッポンのウラ事情

日本は世界に逆行している!?

この間、とあるEV協会の方と雑談してたらこう言われちゃいました。

「ハワイ州は2045年、遂に100％EV（電気自動車）にすると決めました。韓国の済州島も既に2030年までにはカーボンフリーな島にすると宣言してます。比べるとどうですか？　日本は三菱がEVの販売をやめるっていうじゃないですか。世界はPHV（プラグインハイブリッド）をはじめ、EV化の方向にますます進んでるのにですよ。ヤバいです。日本は世界に逆行してます。完全に遅れ始めてますよ」

確かに今の世界のEV化の波はハンパじゃないです。目立つところでは半分EVたるPHVですけど、日本は2012年にいち早く初代プリウスPHVと世界初の4WD＆SUVタイプの三菱アウトランダーPHEVを発売。大幅性能アップの2代目プリウスPHVが鳴り物入りでデビュー。だが実はよく考えるとそれくらいしかないんですな。

ドイツ勢はビックリするほどの増殖ぶり

比べるとドイツプレミアム勢はいま異様な勢いで、去年9月にVWがゴルフGTEを日本上陸させたのを皮切りに、アウディがA3スポーツバックｅ-tron、ポルシェがカイエンS EハイブリッドとパナメーラS Eハイブリッド、今年に入りメルセデス・ベンツがC350e、BMWが330eと225xeアクティブツアラーとX5 xDrive 40e、VWがパサートGTEと次々にPHVを発売。それ以前にあったメルセデスS 550eロングやBMW i8などと合わせると、その数10車種以上。ビックリするほどの増殖ぶり。

もちろんPHVやEVはいうほど普及が簡単ではなく、ズバリ大抵はベース車より100万円以上はお高い。車種出せば売れるってわけじゃないので、楽観視は禁物でしょう。でも、ハワイじゃEVが高速の優先レーンを走れたり、公共パーキングをタダで使えたり、税金が安かったりしてる上、遂に先日ドイツも総額10億ユーロ！（約1150億円!!）の大型補助金制度をスタート。マジも大マジでEV、PHV、FCの普及活動に取り組んでます。

ウラにあるのは原発問題？

そこにきて我が国ニッポンですけど、一時期EV1台に対して80万円以上の補助金まで出してましたが今じゃ全然。一時の熱が冷めちゃってる状況。そこで再びEV関係者ですけど彼はこうウラを読みます。

「確かに今、日本でEV推進が難しいのはわかるんです。なにしろ福島原発の問題がありますから。EV普及＝原発推進か！　と短絡的に言われちゃうから燃料電池推進に偏らざるを得ない。つらいところですよ」と。

そう、日本がトヨタ、ホンダだけじゃなく国をあげて燃料電池車普及にのめり混むそのウラには例の原発問題があるんだとね。うーむ、なるほど。でもガンガンEV推進派のドイツなんかは実は日本以上の脱原発国で、CO2を出しつつ、もっと自然エネルギーにも注力してるんですけど。ホント難しいです、エネルギー問題。いろんな考え方があるし、正義が見えにくい。誰かが明確にイニシアチブを握って強烈にリードしてくれないとねぇ。