G7の交通大臣が自動運転技術について会合9月末にG7の交通大臣が軽井沢に集まり、これからの自動車や道路について話し合う閣僚会議が開催された。気になる自動運転だが、報道によると日米欧の政府首脳は自動運転技術の安全かつ効果的な運用について、各国で情報を共有することになったようだ。 会場となった軽井沢では、日本メーカーの技術をPRする絶好のチャンスということで、自動運転車の体験試乗会も開催された。コースはプリンスホテルの敷地を使い、米国運輸省のアンソニー・フォックス長官らが「レクサスGS」の自動運転車の助手席に乗って自動走行を体験したのだ。このデモ走行を実施するために、敷地内の道路を新しく舗装したり、白線を引きなおしたりと準備に余念はなかったようで、日本側は半年前から準備を進めていたという。デモは無事に終わったが、事務方レベルでは色々な課題も議論されたという。 G7が始まる前の9月20日、米運輸省は自動運転に関するガイドラインを発表した。約110ページに及ぶ内容だが、要点は2つある。 ========== テスラ モデルSの事故から生まれたガイドラインこのタイミングで米国政府がガイドラインを提示した背景には「テスラ モデルS」の死亡事故がある。事故が報道されたときモデルSの死亡事故の原因が自動走行機能の問題なのか、あるいはドライバーの過信なのか、よく分からない報道が世界中を駆け巡った。事故原因はともかく、モデルSの運転支援の性能が明らかにされなかったことには私も驚いた。日本や欧州なら政府が許認可権を持っているので、クルマの安全に関わる技術情報は把握しているが、自己認証制度を採用している米国ではモデルSの運転支援に関わる技術情報を政府は持っていなかったのだ。これではまずいと思ったのか、今回はガイドラインを策定したのである。 道路交通に関する各種手続きや取り締まりも、今までは各州政府の担当で、その取り扱いは州によってバラバラであった。ガイドラインが発効すれば、自動運転の公道実験をするときは全米共通の手続きとなり、混乱を避けることができるようになるだろう。 年代や地域で自動運転への期待は大きく異なる先日、自動運転についてNHKラジオの生番組で30分ほど話したが、リスナーから色々な意見を聞くことができた。年代や住む地域の違いで自動運転に対する期待は大きく異なるようだ。 過疎地では自動運転でお年寄りや身体の不自由な人が自由に移動できると考えているし、都会の若い人はウーバーのようなロボットタクシーがあれば深夜まで遊んでも家に帰ることができると期待する。老若男女問わず、快適で安全で、お財布に優しい自動運転は大歓迎なのだ。 しかし、その一方で自動運転車による事故の心配も尽きない。システムの信頼性はもちろんのこと、もし事故が起きたときの責任が明確になっていないことも数多くあるのだ。 自動運転というと無人ロボットカーを想像してしまうが、現実は様々なレベルがある。レベル1の自動緊急ブレーキだけでも、歩行者をしっかり検知できれば、歩行者死亡事故を大幅に減らすことが可能だ。レベル2になれば、お年寄りなどが安全に運転できるようになってくる。レベル3以上だけが自動運転なのではなく、レベル1~2も技術はまだまだ進化する余地があるのだ。また、自動運転が独り歩きしないように、安全性は入念に検証する必要があるだろう。 <自動運転レベルについて> |
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