プリウスが“良いクルマ”になるということ振り返ると、日本車の印象が強い1年だったな…というのが、2016年のクルマ界である。“日本人のクルマ観”を変えることにすら繋がる、本物の実力を持ったモデルの数々に思わず目を見張ったのだ。 年頭にまず衝撃をもたらしたのは、新型トヨタ プリウス。燃費最優先だったこれまでとは一転、リッターあたり40kmという期待に応える燃費もしっかり達成しながら、基本性能を磨き上げ、普通に気持ちの良い走りのクルマに仕立ててきた。このことに、とても嬉しい気持ちにさせられたのである。 何しろ数多くの、しかも特にクルマ好きというわけではない人も乗るクルマだけに、プリウスが“良いクルマ”になることの効果、影響は大きい。まあ、デザインだけはブッ飛び過ぎという感があるけれど、ともあれトヨタの走りの質がここまで上がれば、それは間違いなく日本車全体の底上げに繋がるはずだ。 秋に登場した新型スバル インプレッサも、特にそのフットワークの良さは、いよいよヨーロッパと真っ向から戦えるクルマが出てきたと感心させられた。「スバルのフルモデルチェンジ」という開発者の言葉には大いに納得。新しいプラットフォームがここから進化していけば、スゴいクルマに出会えるだろう。 ホンダNSXも挙げておこう。デザイン、価格、アメリカ製という事実に、走り。色々な声は上がっているけれど、潜在能力はものすごいものを秘めている。“ニッポンブランド”のスーパースポーツを個人的には応援し、大切に育てていきたいという気持ちなのである。 軽自動車の先にある新しいモビリティを待っている一方で残念だったのは軽自動車だ。販売は全体に落ち込み、三菱・ニッサン、そしてスズキも燃費不正問題で揺れて、とても新型車なんて状況ではなかったとも言える。完全な新型車はダイハツ ムーヴ キャンバスだけと、明るい話題はほとんど無かったと言っていい。 結果的に燃費不正問題は軽自動車に限った話ではなかったのだが、決められた寸法と排気量の中で繰り広げられる軽自動車の開発競争が、どこかいびつなものになってしまっているのも、やはり事実だろう。軽自動車の将来を改めて考える、いい機会になったと、のちのち言えるようにしていかなければならないだろう。 そんなわけで2017年には、軽自動車の奮起に期待したい。電動化、電脳化という最先端のテクノロジーにも大いに期待しているけれど、一方で日本のモビリティの土台を支える軽自動車の新しい未来を、そしてその先の新しいモビリティの世界を指し示すような提案が出て来ることを、2017年の楽しみにしたいと思っているのだ。 |
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