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トヨタの自動運転ドリームチームを率いるギル・プラットにインタビュー

2017-2-13 17:10| post: biteme| view: 176| コメント: 0|著者: 文:清水 和夫/写真:トヨタ自動車

摘要: 自動運転の「レベル3」実現のハードルは高い 自動運転をめぐる動きが急速に進展してきている。アメリカではグーグルなどIT企業が一気に完全自動運転を目指しており、市民社会の期待も大きい。一方、トヨタやGMなどの ...

トヨタの自動運転ドリームチームを率いるギル・プラットにインタビュー

自動運転の「レベル3」実現のハードルは高い

自動運転をめぐる動きが急速に進展してきている。アメリカではグーグルなどIT企業が一気に完全自動運転を目指しており、市民社会の期待も大きい。一方、トヨタやGMなどの大手自動車メーカーも自動運転に積極的だが、こちらは従来から取り組んできた運転支援(ドライバー・アシスト)を進化させながら、自動運転の世界を切り開こうとしている。

どちらのアプローチにしても、人に代わってコンピュータが操作する自動運転車は、事故軽減や渋滞緩和など、現代社会が抱える問題を解決する大きなイノベーションとなるが、実現への課題は山積している。その課題の一つとして、コンピュータ・システムと人との関係が悩ましい。自動運転の事故責任はどうなるのか、また半自動運転(レベル3)の段階では、人とシステムの間で運転の権限と責任が行き来するが、実際に事故が起きた時の責任問題が悩ましい。

編集部注:SAE(アメリカ自動車技術会)による最新の運転レベルの定義はレベル0~5までの6段階。現在実用化している自動運転は「レベル2」までで、加減速やハンドル操作の一部をシステムが行なうが、ドライバーは常に監視する義務がある。早ければ2017年に市販モデルが登場するという話も出ている「レベル3」では、限定された場所ではシステムが全ての運転を行なうが、システムが要請したときはドライバーが対応する必要がある。ただし、受け渡し時の権限や責任の所在があいまいになる可能性がある。

自動運転=AI技術と安全装備の両輪で研究する

責任問題以外にも、各種センサーから得られたデータをどう判断するのか、従来のコンピュータのアルゴリズムでは人と同じことができないだろう。従来のアルゴリズムとは違う、自分で考えて判断する人工知能ことAIが必要となる。将棋や囲碁の世界ではAIが名人を負かしたことが話題となっているが、自動運転でも各種センサーから得られる膨大なデータをどう読み解くのか、AIが鍵を握っている。そしてこの領域の技術は、日本よりもアメリカが進んでいる。

そのためにトヨタはアメリカに新会社「TRI」(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)を設立し、AIの専門家として知られるギル・プラット氏をCEOに迎えた。プラット氏は世界的にも有名なAI研究の第一人者であり、DARPA(アメリカ国防高等研究計画局)では自動運転のAIを担当していた。

そのプラット氏に、1月のデトロイトショーでインタビューすることができた。インタビューにはプラット氏がグーグルから引き抜いたジェームス・カフナーCTOも同席した。プラットCEOの右腕であるカフナーCTOはクラウドコンピューティングの専門家であり、元グーグルのロボティクスの責任者だった。さらにカーネギーメロン大学の教授も努めていたので、プラット氏とは旧知の仲である。

自動車運転=AI技術と安全装備の両輪で研究する

インタビューの冒頭で私はプラット氏に、実際にモノ(クルマという製品)を作るメーカーに入社して、自動運転に関する考え方に変化があったかどうか聞いてみた。彼はトヨタに入る前はMITで教授として研究活動していたが、手掛けたのは製品にならないものや実際の生活に使われないものばかりだったので、モノ作りに責任を持つメーカーに入ってから考え方が変わってきたという。さらに研究者の仕事とは異なり、メーカーではもう少し早いフェーズで人のためになる製品作りが求められるので、その責任を感じるようになったそうだ。以下、インタビューを続けていこう。

清水:自動運転についてはCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)でも賑わいましたが、IT関係者が夢物語を語っている部分が多いなど、技術的にはまだハードルが高い印象があります。

プラット氏(以下、敬称略):自動走行へ向けたAIの研究がTRIの目標ですが、自動車メーカーの活動の一環としては、短期的には一部の研究成果を安全装備の改善として導入する可能性もあります。グーグルなどのIT企業は完全自動走行(レベル4、5)を目指していますが、自動車メーカーは現在の安全性を向上させる必要もあるんです。従って、TRIは自動運転だけでなく安全装備の研究も行っており、運転する際の安全性を高めることが使命なのです。

清水:自動運転で使われるAIは個性を持つのでしょうか?

カフナー氏(以下、敬称略):AIも、ドライバー個々人の運転スキルに合わせて学習する可能性があります。

プラット:それに、あるクルマで学習できたことを、コネクト技術によって別のクルマで共有することもできます。

カフナー:システム全体で考えると、ハードウェア、ソフトウェア、データという3つの要素がありますが、これからはそれぞれのクルマが経験した交通渋滞などのデータを集めて、クラウドで共有することが可能になる、ここがポイントではないでしょうか。それから、ディープラーニングの方法として、実際の世界で経験したことだけでなく、強力なシミュレーションソフトで経験したことを生かして、システムをレベルアップできるようにも取り組んでいます。

AIが判断するべきは国際社会共通の価値観

清水:国や人種、年齢などに起因する、人間ならば誰に言われるでもなく育まれる様々な倫理観や価値観は、社会のぼんやりとしたルールから世の中の価値観にまでなっていくものですね。数値や公式にできない倫理的な基準が社会を覆っていませんか?

プラット:おっしゃるとおりですね。倫理観や価値観はそれぞれの社会や、個人個人でも違います。先日、AIの作り方についての会議でも話題になりましたが、数値で表すのが難しい世界というのはあると思います。ただし、世界中の人々に共通の原理もある。まずはそこからスタートします。たとえば、他の人に被害を与えないこと。データのアクセスを制限することでプライバシーを保護すること。そして、AIのシステムが何をしたか、きちんと記録を取ることなどでしょう。

清水:なるほど、記録しておけば、事故が起きたときの分析調査に使うことが出来るわけですね。

プラット:TRIの研究は、世界共通の価値観を踏まえて研究を進めています。安全の向上、生活の質を高めること、モビリティによるアクセスの向上、データのプライバシーを守ること。そして、AIシステムがどうしてその判断に至ったのかを説明できるようにするための研究を行っています。

清水:クラウドを使ってデータをシェアするとなると、クラウドにつながらないと意味がないですね。

カフナー:ディーラーで整備点検するときなど、コネクティビティを使わずにデータの更新をする方法もあります。でも本当は、クルマと無線通信によって更新するのが望ましい。それはケータイと同じで、データがより簡単に扱えれば便利になりますね。

世界一のスピードで自動運転を導入できるのか?

清水:TRIから見て日米欧各国の政府に協調領域としてやってほしいことは?

カフナー:コネクティッドカーのことを言えば、通信の安全性、セキュリティ、プライバシーは保たれなければなりません。その国によって法規が違うため、各国政府にお願いしたい。

清水:ありがとうございました。

・・・自動運転に対するトヨタの発言は、同業他社と比べて慎重に見えると言われているが、個人的にはトヨタの慎重さは大切だと思う。だが、自動運転が競争の道具になってきたとき、今のトヨタの取組み姿勢や開発環境に不満や焦りはないのだろうか? この点に関して、トヨタの先進技術の総責任者である伊勢清貴専務(安全の最高執行責任者)は2つの指示を出している。

1つ目は「トヨタが世界一のスピードで自動運転を導入すること」、2つ目は「世界一安全な自動運転車を開発すること」。この2つの指示が同時に下りてくるので、「これはなかなか大変だが面白い」とプラットCEOは奮い立っているという。競合他社からのプレッシャーも感じるが、トヨタ社内からのプレッシャーも感じているようだ。

2017年に市販される新型「レクサス LS」は同社のフラッグシップに相応しい自動運転を感じさせる高度なシステムを搭載するはずだ。


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