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自動車メーカーはポスト・グローバリズムのクルマ作りを目指せ【2015総括&2016展望】

2015-12-31 10:00| post: biteme| view: 699| コメント: 0|著者: 文:清水 和夫

摘要: 2015年を象徴する自動車にまつわる二大事件 2015年を振り返ると、なんといってもタカタの「エアバッグ問題」とフォルクスワーゲン(VW)の「ディーゼル不正問題」が記憶に残る。(※タカタ問題は2008年頃から継続。2 ...

自動車メーカーはポスト・グローバリズムのクルマ作りを目指せ【2015総括&2016展望】

2015年を象徴する自動車にまつわる二大事件

2015年を振り返ると、なんといってもタカタの「エアバッグ問題」とフォルクスワーゲン(VW)の「ディーゼル不正問題」が記憶に残る。(※タカタ問題は2008年頃から継続。2015年に事態が大幅悪化したという意味において)

まず、エアバッグ問題は技術(火薬)に対する知識と研究不足が根本的な問題だが、事故が発生した後の原因解明や再発防止に対して、タカタもホンダも対策や説明責任が十分に果たせなかったことが事態を悪化させた。一方、VW問題は完全な法令違反であり、ドイツを代表する国際企業が起こした問題としてはあまりにもお粗末で、今も信じられない気持ちだ。

だが、似て非なるこれらの問題には共通した現代企業の病理が潜んでいると私は思う。

グローバリズムに乗り遅れたくなかったタカタ

タカタのエアバッグ事業は1980年代後半にホンダの提案もあって始まった。ところが2000年頃になると、当時使われていた火薬の「アジ化ナトリウム」が毒物指定されてしまう。各エアバッグメーカーが代替品探しに苦労する中、タカタが目をつけたのは、低コストで高性能だが、温度と湿度に対して不安定な性質で知られ、自動車への利用は難しいと考えられていた「硝酸アンモニウム」だった。しかし、タカタは硝酸アンモニウムを安定化させる独自の製造法を開発し、小型・軽量・低コストなエアバッグの量産に漕ぎ着けたのである。

その後、急速に高まるエアバッグへのニーズと、自動車メーカーのグローバル化の波に乗って、ライバルメーカーを尻目にタカタは急成長を遂げる。しかし現在、高温多湿の地域を中心に、安定化したはずの火薬が暴発して死亡事故が発生し、この年末にも、8人目の死亡事故が米国政府によって認定されている。「もっと慎重に火薬の選定をしていれば」と悔やまれるが、当時はグローバリズムの波に乗り遅れまいと必死だったのだ。

出遅れた北米市場で巻き返したかったVW

一方、VWのディーゼル問題はどう考えればよいだろうか? 今後の調査で明らかになると思うが、この問題もグローバリズムをキーワードに推察できないだろうか?

ここからは私見だ。北米市場で遅れをとったVWは、得意のディーゼル車で宿敵プリウスを駆逐し、打倒トヨタを実現するべく大号令がかかっていた。VW製クリーン・ディーゼル車の走りに満足したユーザーも、まさか同社が2008年に施行された米国のディーゼル排ガス規制を不正にクリアしたとは思わなかっただろう。VWはさらに、排ガス規制がさほど厳しくない欧州でも不正を働き、1100万台という大規模な事件に発展してしまう。

もともと、欧州の排ガス規制はCO2(※二酸化炭素=地球温暖化に悪影響)に厳しくNOx(※窒素酸化物=人体に悪影響)に寛容な傾向があった。端的に言って、欧州に拠点を置くVWは、北米のNOx規制を甘く見たのではないか? グローバリズムが引き起こした過激なシェア争いの中で、功を焦ったとしか言いようがない。

ポスト・グローバリズムは「いいクルマ」作りへ回帰せよ

ますますグローバリズムが加速するいま、多くの企業戦士が、企業の成長や組織を守り、株主還元することこそが自らの使命だと考えるようになっている。そして2015年は、2000年頃から始まったグローバリズムの呪いが、タカタのエアバッグ問題やVWのディーゼル問題、さらには東芝問題・旭化成建材問題・東洋ゴム問題といった現代の企業病として、一気に噴き出した。自動車メーカーはいまこそ“モノづくりの原点”を問い直すべきだ。

2016年を迎えるにあたって、まずは軽自動車のイノベーションを提言したい。1998年に衝突安全性能の改善を目指して軽自動車の規格が変わったとき、日本の軽カーは飛躍的に安全性能が進化し、結果的に多くの人命が救われることになった。あれから20年が経とうとしている今、次の一手が必要とされている。

その目玉として“本当に使える運転支援技術”である「アダプティブ・クルーズ・コントロール」「自動緊急ブレーキシステム」「車線逸脱防止支援システム」を推しておく。この3つの技術は、軽自動車にまつわる死亡事故を激減させる三種の神器となるだろう。

ポスト・グローバリズムの自動車メーカーは社会と人々のためになるクルマを作れ! これこそが清水流の「いいクルマ」なのだ。


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