交通取り締まりを見直す時がきた今回は交通違反の取り締まりについて考える。取り締まりはルールを守らせ、円滑な交通の流れと交通事故を未然に防ぐことが目的だが、目的に沿って正しく取り締まりが行われているかどうかチェックするべきだ。制限速度と取り締まりを厳しくしても交通事故は決して解決しない。以下、テーマをスピード違反の取り締まりに絞って話を進めよう。 2013年に当時の古屋圭司・国家公安委員長が提言して開かれた「取り締まり方法の見直し」の分科会の議事録を読むと、法の番人である警察は“取り締まりを増やすと事故が減るという過去の経験”から取り締まりを実施しているのがわかる。 しかし、スピード違反の取り締まりについて、その場所や妥当性について全国規模で総点検した結果、取り締まりの見直しが必要と判断された場所が約1000ヶ所もあった。警察も現状の取り締まりに改善の余地があることは自覚しているのだが、現実は“取り締まりやすい場所”で行われている。次のページではその理由を考えてみよう。 現状の取り締まりが時代遅れになる理由とは?スピード違反を取り締まる方法には、レーダーなどを使って有人で取り締まる「定置式(通称ネズミ捕り)」、パトカー・覆面パトカー・白バイによる「追尾式」、無人式速度違反取り締まり機を使う「オービスカメラ式」があるが、それぞれ一定の条件を満たす場所でしか実施できない。 例えば、ネズミ捕りや覆面パトカーによる追尾方式の場合、取り締まりに起因する二次事故が起きないような安全な場所が必要だが、そこが“事故が起きやすい場所”とは限らない。逆に生活道路や通学路では“取り締まりに必要なスペース”の確保が難しく、取り締まりが十分に行われていないという問題もある。また、制限速度が下がる場所ではどうしてもスピードが出すぎる傾向があるので、効率よく検挙数が稼げるため選定されやすい。こうなると、取り締まりのための取り締まりとなってしまい、事故を未然に防ぐという本来の取り締まりからは逸脱する。 道路のセンサーを使った新しい取り締まりが急務そこで議論したいのは“新しいスピード違反取り締まり機材の検討”である。従来の取り締まりには警察官と違反者の安全を確保するためにある一定のスペース(物理的な安全マージン)が必要だが、ITS(高度道路交通システムのこと)社会と言われて久しいので、道路に存在する様々なセンサーを利用できるようになってきた。こうしたセンサーを使えばより安全に、速度の計測や取り締まりが可能になるはずだ。 悪質なスピード違反者はもっと積極的に取り締まることも重要だし、警察内で取り締まりの検挙数や反則金のノルマが課せられているとしたら本末転倒である。あくまで事故を防ぐという大義を忘れないで欲しい。最後のページではより良い取り締まりへの提言をしておきたい。 より良い取り締まりへの4つの提言【提言1】事故低減効果のある場所で取り締まりを 【提言2】制限速度をもっと明確に認知させる 【提言3】違反切符の前にイエローカードで警告を 【提言4】本当に必要なのは生活道路の速度制限 関連記事:5分でわかる VWの排ガス規制違反問題 |
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