GTSは電動ターボ×モーターの電動ツインブースト式へ2019年から発売されている8世代目のポルシェ「911」シリーズ (タイプ992) がフェイスリフトを受けた。外観での大きな変更はわずかで、フロント部分はウィンカーがヘッドライトユニットに内蔵され、「GTS」ではアクティブエアインテークが縦型のスリットになった程度である。 >>フォトギャラリーで新型カレラGTSやカレラの内外装、HVメカを見る もっとも大きな変更はGTSがついにハイブリッド化されたことで、「T-ハイブリッド(ターボ-ハイブリッド)」と呼ばれるシステムは以下のような構造になっている。 新開発の水平対向6気筒エンジンはボア97mm×ストローク81mmに変更され、排気量が2981ccから3591ccに増加している。また、これまでの左右のバンクに1基ずつレイアウトされた排気ガスターボに代わって、図のように一基の“電動”排気ガスターボが採用された。 この電動ターボシステムは排気タービンと過給コンプレッサーの間に電気モーターが挟み込まれており、低回転域からの素早い過給能力はもちろん、11kWの回生能力も持ち合わせている。 さらにエンジンと8速PDKの間には最高出力40kW(54ps)、最大トルク150Nmの電気モーターが挟み込まれており、スタータージェネレーターとしてアイドリング時からアシスト可能な機能をもっている。 また、高電圧システムによって新エンジンのエアコンコンプレッサーも電動になり、ベルトを廃止したため現行の3.0Lボクサーよりも110mm低くなっていることにも注目だ。 その結果、ハイブリッドなしのエンジン単体で最高出力485ps/最大トルク570Nmと現行GTS比で5psの出力増加に留まるが、システムトータルでは最高出力485ps、最大トルク610Nmと61ps、40Nmも上回る結果となった。 <911GTSのダイナミック性能> 一方、「911カレラ」は引き続き3.0Lツインターボを搭載。MC前はGTS用だったターボチャージャーを採用することでパワーアップを果たし、こちらも先代比で0-100km/h加速が0.1秒短縮、最高速度は+1km/hとなっている。 <911カレラのダイナミック性能> >>911の価格やスペック情報を見る GTSの加速性能はMC前を大幅に凌駕。カレラもパワー向上最高速度に大きな差は無いが、加速所要時間は現行GTSと比べると大幅に短縮されている。それはピックアップの鋭い電気モーターを採用した結果によるもので、ポルシェが事前に発表した数値によればスタートして2.5秒後の到達距離は現行GTSの14.5mに対して、新しいGTSでは21.5mと7mも先行するという。すなわちシグナルスタートではEV並みの加速が楽しめるというわけだ。 これらのシステムをサポートするのは400Vのアーキテクチャーで、フロントアクスルの上に400Vのハイブリッドシステム専用のコンパクトな高電圧電池が搭載されている。また補機類用の12Vバッテリーも軽量のリチウムイオン電池に置き換えられている。 >>フォトギャラリーで新型カレラGTSやカレラの内外装、HVメカを見る ポルシェがこのマイルドハイブリッドを導入した最も大きな理由は重量とレイアウトの問題である。まず重量は27kgの高電圧電池を積みながらも1595kgと現行GTSと比べてもおよそ50kgの重量増で済んでいる。 またEV走行はできない代わりにミニマムサイズの電池によって影響を受けるのはフロントのラゲッジスペースに留まる。もちろん2+2のキャビンレイアウトにも変更はない。 >>新型「ポルシェ マカン」発表。タイカンも驚く上下2段の4灯ライト その実力は事前に行われたニュルブルクリンク北コースにおけるタイムトライアルでも証明されておりTハイブリッドGTSの最速ラップは7分16秒93で現行GTSモデルよりも8.7秒速い。これは明らかにコーナーからの脱出や上り坂でのピックアップ性能の向上によるものだろう。 もちろん排気ガスや燃費の数値も、暫定ではあるがCO2(WLTP)は251~239g/kmと現行モデルの258~244g/kmよりも向上している。 >>911の価格やスペック情報を見る カレラは1600万円台後半~、GTSは2200万円台後半~に上昇最後にインテリアではようやくフルデジタルディスプレイが採用され、ドライバーの正面には12.6インチの曲面ディスプレイ、ダッシュボード中央には10.9インチの高画質セントラルディスプレイがレイアウトされている。 >>フォトギャラリーで新型カレラGTSやカレラの内外装、HVメカを見る もちろんソフトウエアもアップデートされておりアップルカープレイはインストルメントクラスターに表示され、シリ(Siri)の音声アシスタントを使ってアップルエコシステム内で車両機能を直接操作できるようになった。 残念なのは伝統の回転式スターターが廃止され味気ないプッシュボタンに代わってしまった事だ。ポルシェのアイコンの一つが消えたことになる。 <911マイナーチェンジモデルの日本での価格> (終わり) >>911の価格やスペック情報を見る >>新型「ポルシェ マカン」発表。タイカンも驚く上下2段の4灯ライト |
GMT+9, 2025-6-22 03:19 , Processed in 0.120546 second(s), 18 queries .
Powered by Discuz! X3.5
© 2001-2025 BiteMe.jp .