GTIはホットハッチ、Rはハイパーハッチ「フォルクスワーゲン ゴルフ」は今年で誕生50周年を迎える。2024年1月には8世代目にあたる現行モデルが、スポーツモデルの定番「GTI」を含めて大幅フェイスリフトを受けたのはご存知の通りだ。 5月には「GTIクラブスポーツ」のフェイスリフト版も発表され、順調に改良後のモデルバリエーションを増やすゴルフシリーズは、ドイツにおける5月の新車登録台数で8971台とトップに躍り出た。 ゴルフシリーズは1月から5月にかけての累計販売台数でも5万2363台で首位に立っている。ここ数年ゴルフの販売は「Tロック」や「ティグアン」などのSUVの後塵を拝しており、これは久々の快挙と言っていい。 この朗報を背景にフォルクスワーゲンは6月26日、ゴルフ最強モデルのフェイスリフトを追加した。「ゴルフR」はVWの子会社R社が開発するプレミアムパフォーマンスモデルで、GTIが“ホットハッチ”と呼ばれる一方、ワンランク上の「R」は“ハイパーハッチ”と命名されている。 フェイスリフト版ゴルフRにはハッチバックの他にヴァリアント(ワゴン仕様)も用意されている。 搭載されるエンジンは傑作の呼び声が高い4気筒「EA888 evo4」で1984ccの排気量から改良前モデルよりも13ps増加した最高出力は333ps、最大トルクは同値の420Nmを絞り出す。これはゴルフRの20周年記念モデル」と同じスペックだ。 組み合わされるトランスミッションは6速MTあるいは7速DSG(デュアルクラッチトランスミッション)でパワーはハルデックス・カップリングによって後輪にも伝えられるが、この4モーションシステムにはRパフォーマンス・トルクベクトリングも標準装備されている。 0-100km/hの加速所要時間はゴルフR20周年記念モデルと同じ4.6秒(ヴァリアントは4.8秒)、最高速度はスタンダードで250km/h、パフォーマンスパッケージを購入すると270km/hまで引き上げられる。 >>「ゴルフR」のさらにスゴい系「20イヤーズ」が登場 「8.5ゴルフ」ベースの新世代内外装にアップデートエクステリアデザインはスポーティでシャープな印象に仕上がっており、フロントはハニカム状のグリルに代わって格子タイプに、大きなエアインテークをさらに強調するような一対のエアカーテン機能を持ったウィング状のリップスポイラーが中央まで届いている。グリル左の控えめな「R」のロゴも健在だ。 ベースモデル同様に自発光するVWロゴを中心に、ボディ幅一杯にLEDラインが走り、クロームメッキのアクセントが光に代わる新時代のデザインを物語っている。スタンダードLEDヘッドライトよりも15%も先まで光が届くIQマトリックスLEDライトも標準装備する。 またリアエンドは大型のルーフスポイラーとVWエンブレム下に輝くシルバーの「R」ロゴ以外は、左右2本ずつ並んだマフラーカッターやデュフューザーを含めてGTIシリーズと共通である。 さらに外観をアスリートのように引き締めている専用の19インチ鍛造アルミホイール「ヴァルメナウ(R社の所在地の街の名前)」は1本わずか8kgと通常ホイールよりも20%も軽量だ。 インテリアもベースモデル同様にアップグレードされており、スポーティかつコンフォートなシートに身を任せ、Rデザインのステアリングホイールの奥を覗くと、そには3種類のオリジナルデザインをもつ10.2インチのフルデジタルメーターが置かれ、ダッシュボード中央には12.9インチのタッチスクリーンがレイアウトされている。 ステアリングスポークにあるアナログスイッチが象徴するように今回のフェイスリフトによって使い勝手は格段に向上している。またRには標準で5種類、Rパフォーマンスパッケージでは「ドリフト」とニュルブルクリンク北コースに合わせた「スペシャル」が加わり、合計7種類のドライビングモードが選択可能だ。 加えてステアリングホイールスポークの左端にある小さなブルーの「R」ボタンを押すと「レース」が選択されターボ特性もスポーティに変化する。さらにインフォテイメントもベースモデルに準じてさらにアップグレードされており、この点でも不足はない。 >>「ゴルフR」のさらにスゴい系「20イヤーズ」が登場 プロトタイプでも高い完成度! 日本の価格設定に期待そして今回、この発表を前にVWは限られたジャーナリストを集めて特別に「ゴルフR」のプロトタイプを試乗する機会を設けてくれた。残念ながらまだ開発最終段階のテスト車でボディは完ぺきなカモフラージュが施されている。 試乗は一般公道で行われたが、乗り始めてまずはその完成度に驚かされた。最終燃費計測モデルと聞かされたが、どこからもギシギシ音や振動は伝わって来ず、まさにこのまま市販されても問題ないレベルである。 およそ20mmローダウンされたスポーツシャーシは19インチのスポーツタイヤとの組み合わせにも関わらず路面からの当たりはソフトで、これならば日常の通勤や買い物ドライブにも普通に使える。 サスペンションは前がマクファーソンストラット、後が4リンクとゴルフの基本的な組み合わせで、正確無比でロードインフォメーションが正しく伝わるステアリングのお陰でドイツの一般道路からアウトバーン、そしてチャレンジングな峠道でもその本領を発揮する。 特に感銘を受けたのが60km/hからの中間加速フィールで、痛快で安全マージンの高い追い越しが可能だった。もちろん市販までには各種のシャシー制御ソフトの煮詰めや、インテリアの最終仕上げなど細やかな作業が必要だが、今秋と噂される最初のデリバリーまでには完璧な「R」に仕上がっているだろう。 <ドイツでの価格> ドイツの販売は7月3日から始まる。日本の発売時期や価格は現時点では公表されていないが、参考までに2023年夏に日本発売された20周年記念車「ゴルフR 20イヤーズ」は792万8000円で、本国価格は5万9995ユーロと8.5版ゴルフR(ハッチバック)より6200ユーロ(約105万円)高い価格設定となっている。 >>「ゴルフR」のさらにスゴい系「20イヤーズ」が登場 |
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