次期型はEVなのに発売7年目の現行型が延命される理由とは?ポルシェのミッドサイズSUV「マカン」は発売以来8年になるが、販売台数ではカイエンに次いで同社のナンバー2のポジションを得ている。とくに中国では好調で全生産台数の50%が輸出されているほどである。 そして2023年にはフルEVバージョンが発表されることが公式にアナウンスされている。しかし、それは現行のICE(内燃エンジン)搭載モデルをベースにした電動化モデルが2年後に登場することを意味しない。マカンEVは間もなく登場する「アウディ Q6 eトロン」と同じPPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)を使用、全く新しいモデルに変身するのだ。 そして、ガソリンエンジン搭載のマカンは冒頭に述べたようにICEの使用がまだ当面禁止されない中国やアメリカなどに向けて、しばらくは並行して販売される事になることも決まった。そのために2018年のフェイスリフトから数えても、もう3年目に入った現行モデルが、ふたたびリフレッシュされることになったのである。 今回のニュー・マカンでもっとも大きな変更はラインアップの整理で、ベースモデルの「マカン」、「マカンS」、「マカンGTS」は残るが、頂点モデルだった「マカン ターボ」がカタログから落とされる。それに伴って各モデル共に以下のようにパワーアップする。 まず、頂点モデルとなった「GTS」は2.9リッターV6ツインターボエンジン(EA839)のベースは変わらないが、最高出力440 ps(+60ps)/最大トルク550Nm(+30Nm)と旧ターボと同じ数値を得た。0-100km/hも4.5(※4.3)秒と同等、最高速度は272km/h(+11km/h、旧ターボは270km/h)でわずかに向上している。 次に、「マカンS」は搭載エンジンがGTSと同じ2.9リッターV6ツインターボエンジンとなり、最高出力380ps(+26ps)/最大トルク520Nm(+40Nm)と旧GTSと同等に向上、0-100km/hは4.8(※4.6)秒、最高速度は259km/h(+5km/h、旧GTSは261km/h)となった。 最後に、ベースモデルの「マカン」は2リッター4気筒シングルターボエンジン(EA888)の基本は変わらないが、265ps(+20ps)/400Nm(+30Nm)を得て0-100km/hは6.4(※6.2)秒、最高速度は232km/h(+7km/h)に向上した。 ※()内は旧モデル比。※印の数値はスポーツクロノ搭載モデル。すべてのモデルに7速のPDKが標準で搭載されている。 ポルシェ マカンのおすすめグレードとユーザーの評価を見てみる ポルシェ マカンの買取相場 単なる中継ぎではなくマカンの集大成といえる仕上がりにノルウェーで開催された試乗会で対面したニュー・マカンのエクステリアで変化を見せているのは車幅一杯に広がったマットブラックのグリルで、上部はボンネットをわずかにえぐるほど広がっている。その結果、顔つきはビッグブラザーのカイエンのようになった。一方、リアは新しいデザインのディフューザーとボディサイドまで回り込んだリアスカートが目に付く程度だ。 インテリアでは、センターコンソールのやや煩雑だったメカニカルスイッチがすべてタッチパネルとなったことが大きな変化だ。ただし平滑な面のために、視線を下げて確認しないと必要なスイッチにたどり着かなかった。 主にテストしたのは新たなトップモデルのGTSで、プラス60 psと30Nmのエクストラパワーを得たエンジンは、その洗練度で旧ターボを超えている。広範囲で発生するトルクのお陰で7速PDKは各ギアで素晴らしい加速力を発揮する。 テスト車のシャシーにはオプションのスポーツパッケージが組み込まれており、確かにハードで、ワインディング・ロードでは剛性感の高さもあってSUVとは思えない軽快なハンドリングを見せてくれた。一方、標準装備となったエアサスペンションによって、一般道路でもロールやピッチングなどのボディの動きを最小限に保って快適なツーリングを約束してくれる。 フェイスリフトを受けたニュー・マカンは単なる中継ぎのリリーフではなかった。むしろこれまでの集大成ともいえる熟成度を見せてくれたのである。 レポート:J.Meiners/Kimura Office <ニュー・マカンの日本価格> ポルシェ マカンのおすすめグレードとユーザーの評価を見てみる ポルシェ マカンの買取相場 スペック例【 マカンGTS 】 ポルシェ マカンのおすすめグレードとユーザーの評価を見てみる ポルシェ マカンの買取相場 |
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