オプション次第で300km/hオーバーのフルサイズSUVドイツのプレミアムブランドでハイパフォーマンスモデルをプロデュースしているBMW M、あるはメルセデスAMGと比べると、アウディスポーツは日本では存在感が薄い。 しかしドイツを中心とするヨーロッパではハイエンド・ハイパースポーツブランドとして、はっきりと認知されている。4WDシステム「クワトロ」のノウハウやアグレッシブなデザインは前述のライバル2社に勝るとも劣らない評価を得ているのだ。特に4.0L V8ツインターボエンジンを搭載したRSシリーズの人気は高い。 「RS Q8」は600psと800Nmのチューンで、ダイナミック性能は0-100km/h加速が3.8秒、最高速度は標準装備モデルでは250km/hだが、ダイナミック・パッケージ・プラスをオプションで選ぶとリミッターが解除され305km/hにまで引き上げられる。1万3600ユーロ(約170万円)もするオプションに含まれるのはRSセラミックブレーキ、クワトロスポーツディファレンシャル、アクティブロールスタビライザーなどだ。 エクステリアデザインは艶消しクロームで囲まれたフロントの巨大なシングルフレームグリル、その左右に広がるエアインテーク、リアには直径10cmの楕円エグゾーストパイプがディフューザーの左右から覗いている。22インチ、オプションでは23インチの大径タイヤが地面に踏ん張っている様はまさにSUV界の横綱にふさわしい。 ニュルブルクリンクで市販SUVの最速ラップを更新テスト・ドライブはスペイン領カナリア諸島にある標高3718mのテイデ休火山を取り巻く国立公園内で行われた。平均標高が2500mを超える山間道路はコーナーに富み、RS Q8のもつダイナミック性能を発揮させるには絶好の場所である。このセッションでRS Q8は40:60と後輪駆動重視のセッティングを持った4WDシステム、8速スポーツAT、ロールスタビラーザー、スポーツディファレンシャルなどから成る優れたシャーシシステムのポテンシャルを思う存分発揮させた。 走りは圧巻の一言、僅かなスロットルワークであっという間に周囲の交通の流れをリードする。4WDシステムは最大でフロントに70%、後輪85%のトルクを振り分けられるスポーティなセッティングである。またフロント440mm/リア370mmのベンチレーテッドディスクはコントローラブルで確かな制動力を発揮する。 ハイエンド高性能モデルの指針となるニュルブルクリンク北コースにおけるラップタイムは7分42秒253で、一昨年前の冬に「メルセデスAMG GLC 63S 4マチック+」が出した市販SUVの最速記録を10秒以上短縮している。 また高速道路では、48Vマイルドハイブリッドによって55-160km/hの低負荷定速走行時や街中で22km/h以下になると、エンジンが停止して燃費と排ガスを抑制するエコな面も見せてくれた。 このハイパーSUVの価格は12万7000ユーロ(約1550万円)となっているが、スペックを考えるとお買い得と言えるかもしれない。日本での販売予定はまだ発表されていない。 ※取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります。 スペック【 RS Q8 クワトロ】 |
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