名前の由来は伝説のレース、タルガ・フローリオ昨年発表された最新の992型はこれまでカブリオレとターボが発表されたが、3番目としてタルガが追加された。タルガは1965年のフランクフルトモーターショーで初代モデルが発表されたロールバーを持った911のオープンモデルである。これは当時、ポルシェにとって主要輸出国であったアメリカで1960年代の半ばに起こった出来事に起因する。弁護士で消費者運動家のラルフ・ネーダーが執筆した「Unsafe at Any Speed(どんな速度でも危険)」という自動車の安全性を問う著書によってコンバーチブルモデルの転倒危険性が問題になったのだ。 ポルシェはロールバーを装着することで安全性を確保した。パッセンジャーの頭上に強固なバーを渡し、頭上はハードプラスチック製のデタッチャブルルーフ、リア部分はウィンド付きキャンバス製トノーカバーから成っていた。 名前の由来は1906年から1977年までシチリア島で開催されていたロングディスタンス・レースのタルガ・フローリオである。ルマンと並ぶ名高いスポーツカー選手権のかかったこの公道レースでポルシェは11回も優勝している。特に1970年にラップタイム33.36秒、平均128.571km/hという記録を達成した908/3はオープンモデルだった。これが一般的なネーミングの由来だが、実はもう一つ偶然があって、イタリア語のタルガはドイツ語でSchild(標識、盾)、英語でもSchield(盾)で、保護、安全に繋がるというわけだ。 欧州ではタルガ4Sに新開発7速MTを無償OP設定さて、最新の「911 タルガ」だが「911 クーペ」と「911 カブリオレ」の中間に位置するモデルで、全て4WD仕様、すなわちタルガ4とタルガ4Sとなる。共に3Lの排気量をもったツインターボフラット6で、前者は283kW(385ps)と旧モデルよりもプラス11kW(15ps)、最大トルクは450Nm、後者は331kW(450ps)でプラス22kW(30ps)、そしてトルクは530Nmでプラス30Nmの向上を果たしている。0-100km/hはそれぞれ4.2秒と3.6秒、最高速度は289km/hと304km/hで、それぞれプラス2km/hと3km/hとなっている。 トランシミッションは両モデルともに標準で8速PDKだが、タルガ4Sでは追加料金なしで新開発の7速MTも選択可能である(※欧州の場合)。またトルクはPTM(ポルシェ トラクション マネジメント)で4輪に配分される。このシステムでは新たにフロントのクラッチとデフユニットが水冷となり、制御や耐久性が向上し、これまでより多くの状況においてトラクションを改善させることが可能になっている。標準装備のタイヤはタルガ4に235/40ZR19(前)と295/35ZR20(後)、タルガ4Sには245/35ZR20と305/30ZR21のミックスサイズが用意されている。 デザインは2014年のデトトロイトショーで初公開された991タルガを継承したスタイリッシュなものである。トップの構造も基本的にはキャンバス製のトップ部分とおよそ13kgのリアのガラス部分から構成されているが、アクチュエーターの性能向上で開閉に要する時間は19秒に短縮されている。加えてリアのウィンドバイザーは50km/hから145km/hの間でキャビンへの走行風の流入を効果的に防いで快適なオープンエアドライブを可能にしている。 新型911 タルガは今年の8月からドイツで販売がスタートする。日本の価格はタルガ 4が1729万円、タルガ 4Sが2060万円となっている。 ※取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります。 スペック例【 911 タルガ 4S 】 |
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