4ドア・フル4シーターのパナメーラに似たデザインポルシェが来年から発売を予定しているハイパーエレクトリックスポーツカー「タイカン」のワークショップが開催された。ここではタイカンのコンセプトおよび性能の一部が公開されると同時に同乗試乗も許されたのである。 タイカンは「パナメーラ」に似たデザインのフル4シーター・4ドアスポーツカーで全長4959×全幅1958×全高1380mmと、やや短く、幅広く、低い。背の高い内燃エンジンが不要なために、低くスラントしたフロントノーズ、前後のボリューム感のあるフェンダー、傾斜の強くなったルーフ後端など、そのプロポーションは4ドアの「911」と言えるほどスポーティだ。 ポルシェはタイカンをフル4シータースポーツカーと説明しており、リアには2個のゴルフバッグが積載可能である。総重量は明らかにされていないが、強固なフレーム込みのバッテリーが約600kg、ホワイトボディの重量は約400kgと発表された。これに2基の電気モーターやエアコンなどの補器類、シートや内装などを加えれば、想像するに2トンは超えるだろう。しかし空力特性は優秀でCd値は0.22と発表されている。 私の前に現れたプロトタイプはまだカムフラージュが施された状態で、同じようなテスト車は世界30カ国、気温35度~-50度まで、湿度は20%~100%まで、標高85m~3000mまでの国々を、1000人の開発スタッフと共に延べ数100万kmを走破した実績を持つ。 電気自動車なのにターボという名のグレードが存在する!タイカンには911シリーズなどのように「カレラ」「カレラS」「カレラ4S」「ターボ」「ターボS」とパワーと航続距離などの異なるバリエーションが存在する。なんで「ターボ?」という質問が出るのは当然である。ポルシェは伝説の「930ターボ」に由来する技術用語をパワフルなグレードの名称として電気自動車にも採用したのである。繰り返すがここでは「ターボ」は内燃機関とは一切関係のない、バリエーション(グレード)名なのだ。 今回、同乗したのはトップグレードの「ターボS」で、システム出力は460kW(625ps)だが、オーバーブーストを掛けると560kW(761ps)を発生、0-100km/hの加速は2.8秒である(いずれも暫定値)。助手席に腰を下ろすと目前にはフルデジタルのコクピットが広がっている。テストドライバーがアクセルペダルを一杯に踏み込むと油断していた私の後頭部がヘッドレストに叩きつけられるような衝撃が襲った。まさに電気モーター独特の高トルクの立ち上がりの凄まじさでハイパースポーツカーにはぴったりの加速感覚だ。 さらに最新の911より80mmも低い重心による抜群のロードホールディング、4WS(後輪ステアシステム)によって重さを感じさせないスポーティなハンドリングも可能である。テストエンジニアはニュルブルクリンク北コースで、楽に8分を下回るタイムを出せると“控えめに”発言していた。 ベースモデルのカレラで約950万円スタートか?ちなみに最高速度は両モデル共に260km/hでリミッターが働く。このパフォーマンスをもたらすのはフロントおよびリアに組み込まれた2基の電気モーターで前が190kWと440Nm、後ろには335kWと610Nmを発生する(数字はいずれも暫定値)。そしてこの2基の電気モーターにエネルギーを供給するのがLG化学製の408個のセルを34基のモジュールに分けた高電圧バッテリーで、電力量は96kWh、最高出力は620kW、定格電圧は723Vと発表されている。 フル充電時の最大航続距離はWLTPで450~500km、800Vシステムのお陰で5分間の充電で100kmの航続距離が得られる。さらにチャージングプランナーという充電管理ソフトによって、試乗した日のような気温30度では5%~80%までの充電を22分30秒で終えることができる。もちろん冬はそれなりの時間が必要で、0度ではおよそ2倍の40分~45分が必要だ。バッテリーには8年間、あるいは16万キロメートルの保証がつく。しかし実際には10年間の使用でも70%の残存キャパシティがある。 2020年の初頭から発売が予定されているタイカンの価格はベースモデルのカレラ(後輪駆動でシステム出力340ps)がおよそ8万~9万ユーロ(約950~1100万円)と予想されている。 ※取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります。 |
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