コンペティションを超えるM2のトップモデル昨年10月にマルクス・フラッシュがBMW M社の社長に就任してから早くも1年が経過した。今から半年ほど前のインタビューで「私は、堅苦しいこと、規制されることは好きではないタイプです」と頼もしい発言をしたが、確かに就任以来、次期「M1」のプロトタイプが発表され、Mの冠を付けたニューモデルも続々と誕生している。 LAオートショーではCS(クラブスポーツ)の名を冠した「M2 CS」が発表された。「M2」シリーズのこれまでのトップモデルは「M2 コンペティション」で、私個人もオーナーとしては心穏やかではない。そこでショー会場に現れたこのM2 CSに接近遭遇、内容を精査してみた。 出力は40ps向上、カーボンパネルも採用M2 CSのパワープラントはM2コンペティションに搭載されているM社専用の3.0L直列6気筒ツインターボ(S55)と基本的に同じで、最大トルクは550Nmと変わらないが、最高出力はエグゾーストシステムの改良などで40psアップの450psとなっている。 もちろん、クラブスポーツと名付けられている以上、このモデルは単なるパワーアップだけでは終わらない。まずエクステリアで目立つのは先端にエアースクープが設けられたパワーバルジを持つカーボン製のボンネットで、軽量化と同時にダウンフォースも生み出す。さらにルーフ全体、そしてリアのディフューザーもカーボン製である。さらに同じカーボン製で新たにデザインされたフロントのエアスプリッター、トランク上縁のエッジスポイラーは空力特性の向上に貢献している。 ただし、ショー会場のブルーメタリックのボディとパワーバルジ、そしてゴールドのメッキホイールは「インプレッサ WRX STI」のようでちょっと情けない。巨大な物干しスポイラーがないのがなんとか慰めとはなっている。 アダプティブサスペンションやフローティングディスクも一方、シャーシには「M4」専用だったアダプティブMサスペンションが標準で組み込まれている。この可変ダンパーは「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ・プラス」の3段階に変化するが、最もハードな「スポーツ・プラス」はサーキット専用と考えてほしいとBMW M社は説明している。 同じく標準で装備されているのがフローティングタイプのMコンパウンドブレーキディスクで、M2コンペティションよりもさらに大きな400mmのディスクと6ピストンキャリバーがフロントに、そして380mmのディスクと4ピストンのキャリバーがリアに組み込まれている。さらに、モータースポーツを目指すユーザーのためにはカーボンセラミック製のブレーキシステムもオーダーすることが可能だ。 CSの標準ホイールは19インチで、重量は10kg以下に抑えられている。装着されるタイヤはミシュラン「パイロット スポーツ カップ 2」で、サイズはフロントが245/35、そしてリアは265/35が組み込まれる。またウエットにも強い「パイロット スーパー スポーツ」も選択可能だ。 価格はコンペティションの400万円高M2 CSに組み合わされるトランスミッションは標準で6速MT、オプションで7速Mデュアルクラッチトランスミッション(DCT)が用意される。前者による0-100km/hの加速所要時間は4.2秒だが、後者を選択すれば4秒フラットで100km/hに達することができる。最高速度は基本的には250km/hだが車両価格にMドライバーズパッケージが含まれており、オーナーはサーキットでの高速スポーツドライビングトレーニングを受けることができる。そこでM2 CSの最高速度は280km/hとして出荷される。 最後にM2 CSの価格だが、ベースモデルで9万5000ユーロ(約1140万円)とM2コンペティション(ベースモデルで6万1900ユーロ)よりも400万円以上高い。 ※2019年12月19日、ご指摘を受けて下記の文面を削除いたしました。BMWジャパン公式ページによれば日本では来年夏に60台の限定販売となっています。 スペック【 M2 CS 】 |
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