e-tronクワトロはすでに世界で2万台が出荷された2018年9月、アウディがサンフランシスコ、リッチモンド上空に300機のドローンを旋回させ、華々しく初の本格的EV「e-tron 55 クワトロ」のワールドプレミアを行ってから早くも1年以上が経過した。若干の遅れはあったものの2019年3月には発売を開始、しかし一般消費者の動きはまだ鈍く、西ヨーロッパ市場における2019年の半期では6589台を記録したに過ぎない。 しかしその後、スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんの起こした環境保護運動に賛同する世論の動き、さらにはインセンティブ取得の可能な廉価グレードの「e-tron 50 クワトロ」を追加発表するなどの結果、販売台数は徐々に向上。アウディの発表では全世界市場へ向けておよそ2万台が出荷されたという。 スポーツバックでは荷室スペースがやや減少こうして先陣を切ったアウディは、今回、LAモーターショーで「e-tron クワトロ」のバリエーションとなる「e-tron クワトロ スポーツバック」を追加発表した。この4ドアクーペバージョンは長さ4.90×幅1.94mとワゴンスタイルのスタンダードモデルと同じだが、ルーフは1.62mとスタンダードモデルと比べると13cm低い。 しかし、20mm低くなった座面のおかげで、ヘッドルームも含め、居住スペースに問題はなかった。ただし、トランクルームはリアシートバックレストを起こした状態で660→615リッター、前方へ倒した場合の荷室は1727リッター→1655リッターと若干制約されている。 デジタルマトリクスLEDヘッドライトを市販車初採用エクステリアデザインはドアを含めBピラーまでがスタンダードモデルと共通だが、リアドアとCピラー、ルーフをなだらかに落としてクーペ状のエレガントでスポーティなサイドビューを形成することに成功している。空力特性は0.27から0.25へと向上している。 フロントは新たに採用されたデジタルマトリクスLEDヘッドライトによって目つきが若干変化している(2020年半ばより導入予定)。この新しいライティングシステムは、静電気で毎秒5000回も動く100万個のマイクロミラーによって、前方に光をカーペットのように精緻に照射することが可能で、夜間走行をさらに安全なものにする。クルマが進むべき方向を矢印で示したり、さらにウエルカムパターンを前方の壁や地面に投影することも可能である。 高性能版の55は0-100加速6.6秒、航続距離446kmこのe-tron クワトロ スポーツバックに搭載されるパワートレーンは、スタンダードモデルのe-tronクワトロと同様に2種類用意され、これまでの前後2基のモーターによるシステム出力265kWh(360ps)と561Nmを発生する「55」と、230kWh(313ps)と540Nmを発生する「50」の2機種が最初から用意されている。 前者のダイナミック性能は0-100km/hが6.6秒(ブーストで5.7秒)、最高速度は200km/hに達する。航続距離は主に空力特性向上によって、スタンダードモデルと同じバッテリー容量でありながら、これまでのモデルよりも10km延長され446km(WLTP)と発表されている。 こうした航続距離の延長は、空力の絶え間ない改善だけでなく様々なシステムにおける効率の向上によって可能になるという。例えばリアビューカメラは翼型断面の空力特性に加え、モニター側にOLEDを採用して効率の向上を図っている。 廉価版の50は0-100加速6.8秒、航続距離347km一方廉価版の「50」は0-100km/hが6.8秒、最高速度は190km/hとなる。モジュールは36から27個へとなり電池容量が95から71kWhへと減少した結果、航続距離も347kmと短くなった。 LAショーで公開されたモデルはLEDマトリクスライトを含めショーカー的な部分もあって、まだ量産化への開発が必要だが、来年早々に市販モデルが発表されるはずである。 ※取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります。 |
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