品質感でもライバルに追いついた3シリーズドイツのプレミアム御三家、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディの中でも最大の激戦区は「Cクラス」「3シリーズ」「A4」が並ぶミドルクラスセダン・セグメントである。新型3シリーズ登場を機に3モデルを並べてテストしたかったのだが、A4はフェイスリフト発表直後で、残念ながらテスト車がまだなかった。 もう一つお断りしておきたいのはCクラスで、「330i」と同等の2.0L直列4気筒エンジンを搭載した「C300」の到着が丸1日遅れ、対決シーンの写真撮影は「C400」で行った事である。まあ、外観はほとんど同じなのでその点は我慢していただきたい(※編集部注。日本では2.0Lガソリン直4エンジンを積んだCクラスは設定されません) まずは参考のために、この2台のドイツにおける現状を報告しておこう。昨年のドイツ市場におけるCクラスの販売台数は6万3000台、一方3シリーズはフルモデルチェンジ前の買い控えがあったが、それにも関わらず3万4500台あまりで健闘していた。 3シリーズはフルモデルチェンジとは言え、キープコンセプトで、目立った違いはキドニーグリルが繋がった点ぐらいだが、左右のヘッドライトとも繋がってワイドを引き立たせている。 リアエンドはフロントに呼応して彫りが深く仕上がっており、全体的に高級感が増している。今回は特に各部の品質、仕上げの向上に重点が置かれた。ボディは精緻なプレスラインをはじめ、、エンジンルームやトランクリッドの内側などにも注意を払い、インテリアでも材質を吟味して、この分野では評価の高いアウディやメルセデスに勝るとも劣らない印象を与えている。 一方、2018年にフェイスリフトを受けたCクラスは2014年の発表当時は品質ではトップを走っていたが、エンジンルームやトランクの内側などにちょっとボロが見えてきている。もちろん重箱の隅を突っつくような話で、日常使用では相変わらず“ベンツ品質”を感じられる。 キャビンやトランクルームの広さは両モデルともに同レベルである。ただし3シリーズは前席優先で、リアコンパートメントへの乗降性は不満が残る。また、コネクティビティとユーザーエクスペリエンスではオペレーティングシステム7.0を装備した3シリーズが一歩進んでいる。 ダイナミック性能をさらに磨いた3シリーズ●エンジンとパワートレーンは3シリーズ有利 これに比べるとメルセデスの9速ATはややギア比が低く、ちょっとせわしない。回転数の高さは燃費にも影響するだろう。低中回転域での十分なトルクやスムーズな仕事ぶりはラグジュアリーブランドの名に恥じないものだ。というわけでパワートレーンは3シリーズがやや優っている。 ●ダイナミック性能は3シリーズ、長距離ドライブならCクラス 一方、Cクラスの伝統的に培われたバランスの良い快適性は相変わらずトップレベルで、直進安定性、しなやかなステアリング特性は、ドライバーに緊張感を与えない長距離ドライブを可能にする。体を自然に支えてくれるシートの快適性も秀逸である。 ●結論。全面的に進化した3シリーズの勝ち わずかな死角として、3シリーズにはさらなる今日的なハイテック、なわち48V系のマイルドハイブリッド導入を望んでおく。Cクラスには1.5L直4ユニットとBSGの組み合わせが導入済みだし(日本でも販売されているC200)、A4も今回のビッグMCでマイルドハイブリッド化を果たしているからだ。 日本での価格は330i Mスポーツが632万円、一方のCクラスは、残念ながら日本で2.0L直4モデルの設定が無く、やや近いところで1.5L直4ユニットに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた前述の「C200アバンギャルド」が560万円となっている。 |
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