今回のマイナーチェンジはかなり大掛かりなものアウディ「A4」はメルセデス・ベンツ「Cクラス」、BMW「3シリーズ」と並んでプレミアム ミディアム セグメントの一角を成し、クオリティの面での評価はベストだが、わずかなブランド力の差で2車の後塵を拝している。 このセグメントでは新型3シリーズ (G20)が好評を博しており、2014年に登場したCクラスと2015年のA4はやや苦戦が予想されているが、このタイミングでアウディが動いた。現行モデル「B9(社内呼称・タイプ8W)」のビッグマイナーチェンジを実施したのである。そしてその内容はかなり衝撃的であった。 いつものように事前説明が行われた。スタジオに用意されていたのはセダン(S仕様)、アバント、オールロードクワトロの3モデルであった。まずこの3モデルの共通点から説明しよう。 一般的なマイナーチェンジは、エンジンのパワーアップ、グリル、ライト類の意匠変更、そしてエクステリアとインテリアの新しいカラーリングといったところだが、このA4の場合はマーク・リヒテが指揮するアウディデザインチームが通常のマイナーチェンジの枠を超えた仕事を成し遂げている。 エクステリアに過去からのオマージュが織り込まれたまず各ホイールハウスの上方に刻まれた深いプレスラインである。アウディによれば、これは1980年に登場したクワトロを彷彿させる「クワトロブリスター」であると説明された。フラットワイドになったシングルフレームグリルの上縁とボンネットの間にはスリットが設けられている。実はこれも過去からのオマージュ、1984年に登場した「スポーツ クワトロ」をイメージしたものである。 また、ヘッドライトユニットは旧モデルよりもシンプルな形状に戻っているが、LEDデイドライビングライトの数は2個から7個へ増えている。リアエンドの変化は少ないが、スタンダードA4ではマフラーカッターが台形に変わっている。 インテリアは基本的なレイアウトに変更はないが、常時通信型の新型インフォテインメントシステム「MIB3(モジュラー インフォテインメント プラットフォーム 3)」を採用し、ダッシュボード中央に位置しているモニターが10.1インチに大型化され、タッチ機能を持つ四隅がはっきりした長方形になった。その結果、MMI(マルチメディアインターフェイス)ダイヤルは消滅している。ドライバー正面に位置する12.3インチのバーチャルコクピットには変更はない。 日本向けのS4は3.0L V6直噴ガソリンターボを搭載続いてパワートレーンを見てみよう。ドイツでの発売時には150psから347psの6種のガソリン直噴ターボとディーゼルが用意される。その後、136psの「30 TDI」、そして163psの「35 TDI」が加わる。すべてのモデルは現在最新の排気ガス規制値「ユーロ 6d-TEMP」をクリアしている。 このうち4気筒ディーゼル3機種と4気筒ガソリン3機種には12Vのマイルドハイブリッド、3.0L V6ディーゼルには48Vのマイルドハイブリッドが組み合わされる。また、S4は欧州向けには最高出力347ps、最大トルク700Nmを発生する3.0L V6 TDIが搭載されるが、欧州以外、北米や日本向けには最高出力354ps、最大トルク500Nmを発生する3.0L V6直噴ガソリンターボエンジンが用意される。 価格はエントリーモデルのSトロニック搭載150ps「35 TFSI(FF)」がドイツで19%の付加価値税込みで3万5900ユーロ(約440万円)からと発表されている。またアバントは基本的にセダンと同じ内容で、価格は1650ユーロ(約20万円)高となる。 さらに今日のSUVブームにも関わらず「A4 オールロード」も同じようにフェイスリフトを受けて継続販売される。セダン、アバントと基本的には同じ内容だが、縦方向にメッキが強調されたシングルフレームグリルとバンパー下のプロテクターで区別されている。また地上高はスタンダードよりも35mm上がっている。 ドイツをはじめ欧州の発売は2019年秋からで、A4の大規模フェイスリフトが3シリーズやCクラスが席巻しているミドルクラス セグメントにどう食い込むかが見ものである。 |
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